「データサイエンス」とは?【知っておきたい教育用語】

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【みんなの教育用語】教育分野の用語をわかりやすく解説!【毎週月曜更新】
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近年、データ分析の学問分野である「データサイエンス」が注目されています。データサイエンスは、今後のデジタル社会を生き抜いていくうえでの重要な知識やスキルとなります。

執筆/「みんなの教育技術」用語解説プロジェクトチーム

データサイエンス」は、これからの社会で必須の力

【データサイエンス】
「データサイエンス」とは、統計学や情報工学といった、さまざまなフィールドの手法を用いて、膨大なデータから有益な情報を引き出す研究分野のこと。データサイエンスによって引き出した情報をビジネスに活用する「データサイエンティスト」という職業の需要も高まっている。

インターネット環境の普及やAI技術の進化などによって急速に情報化社会が構築されてきた昨今、データを利活用できるスキルが必要とされています。こうしたSociety5.0に向けた時流において、データサイエンスを大きく扱う大学も増加してきました。また、小・中・高においても統計学の基礎を学ぶ教育プログラムや講座などが数多く導入されています。

データサイエンス力には、プログラミングや数学、AIといった知識の習得も大切ですが、データを利活用することで課題解決を図る力や、データから導き出される結果を見究める論理的思考力も重要であるとされています。

データサイエンスを専門的に取り扱う「データサイエンスティスト」のニーズも高まっており、データを駆使した課題解決スキルは未来社会を生き抜く力ともいえるでしょう。

データサイエンスは、文理問わず習得すべき分野

データサイエンス力の向上やデータサイエンティスト育成の重要性が増すなか、文部科学省では「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」という認定制度が開始されました。これは、大学および高等専門学校で行われる、数理・データサイエンス・AIに関する正規課程の教育プログラムのうち、一定の要件を満たした優れたプログラムを政府が認定する制度です。

同制度では、デジタル社会における基礎的な素養として習得を目指す「リテラシーレベル」(初級レベル)と、自らの専門分野で数理・データサイエンス・AIを応用、活用できることを目指す「応用基礎レベル」の二段階に分かれています。なお、リテラシーレベルにおいては、文理を問わず、全ての大学・高専卒業生全員(50万人/年)の数理・データサイエンス・AIリテラシーの習得を目指しています。

このことからわかるように、データサイエンスの知識やスキルは、理系だけでなく、文系の領域においても重視されており、社会に出て活躍するための基礎的な力として身につけることが期待されているのです。

小中学校におけるデータサイエンスに関する取組

小学校では2020年度、中学校では2021年度から、プログラミング教育が必修化されています。小学校では、算数や理科、総合の時間において実施され、中学校では技術・家庭科において、より実践的な内容で実施されています。

プログラミング的思考を学ぶことによって、データに基づいた合理的な意思決定を行える力を養います。STEAM教育研究者である中島さち子氏によれば、「そのデータはどんな文脈で収集され、どんなモデルを経て、その結果になったのかを俯瞰し捉えることで、データの傾向や可能性の解明につなげられる」といいます。つまり、データの解明にあたっては「俯瞰的に物事を捉える力」が重要であり、STEAM教育といった教科横断的な学びを積極的に取り入れていく必要があるでしょう。

将来、子どもたちがデータを活用して社会課題やビジネス課題の解決に取り組めるよう、データサイエンスの視点も取り入れた教育の実践が期待されます。

▼参考資料
文部科学省(ウェブサイト)「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度
文部科学省(PDF)「新学習指導要領のポイント(情報活用能力の育成・ICT活用)
城西大学(ウェブサイト)「データサイエンスとは? 身近な例から学ぶ分析の最前線」2024年7月22日
小学館(ウェブサイト)「『創造性を民主化する』STEAM教育の本質は「つくる」ことにある【連続企画 探究的な学びがカギ! これからの「理数教育」のあり方 #07】」2023年11月1日

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