【相談募集中】勤務先の小学校で2年目を迎えるにあたり、とても不安です
音楽専科の女性教諭から「みん教相談室」に寄せられました。勤務先の学校で初めて2年目を迎えることになり、不安でたまらないとのことです。これに回答をしたのは千葉県公立小学校教諭・飯村友和先生。謙虚で真摯な相談者に寄り添い、前向きになれるアドバイスをしました。その内容を紹介します。
目次
Q. 2年連続で同じ子どもたちを受け持つことになり、とても不安です
講師3年目。これまで小学校音楽専科を担当してきました。これまで1年で異動だったのですが、来年度初めて同じ小学校で2年目の勤務を迎えることになりました。そのため、2年連続で子どもを見るのが初めてでとても不安です。
昨年できなかった授業のルールの徹底や、子どもが静かになるまで待つ等、自分も改善したいところがたくさんあります。こちらの指導を改善しても、同じ先生の指導は入るものなのでしょうか。経験していない分、不安しかありません。2年連続で頑張ろうと思い引き受けましたが、しんどい学年も残っているので、引き受けなければよかったと思って後悔ばかりしています。
4月からやっていけるのか、自分の気持ちの持ち方や授業をどうしていけばいいのか悩んでいます。ご回答いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。(アポロ先生・30代女性・音楽専科講師)
A. 2年という長い期間で、子どもの成長を見守れる良さに目を向けましょう
しんどい学年を抱えながら2年連続で指導していくことになったアポロ先生が不安になる気持ちは、よく分かります。文章を読んだ感じからすると、「また同じようになるのではないか」「もっと大変なことになってしまうかもしれない」などの思いが心の中に湧き上がってきているのではないでしょうか。
しかし、アポロ先生は、1年間やってみて、改善したいと思っていることを自分自身の中に見付けています。心の矢印が自分に向いていると言えます。うまくいく人の特徴は、心の矢印が自分に向いているということです。心の矢印が自分に向いている人は、うまくいかないことがあったときに、自分の中に改善点を見付け、自分自身を変えていこうとします。だから、成長し、その後うまくいくようになるのです。
一方、うまくいかない人の特徴は、心の矢印が外を向いているのです。そういう人は、うまくいかない原因はいつも自分以外にあると思っています。だから、いつまでも変わらず、成長できず、また同じ失敗を繰り返すのです。
アポロ先生は、前者なのだと思いました。自身で見付けた改善点「授業のルールを徹底する」「子どもが静かになるまで待つ」等をぜひ活かして頑張ってほしいなと思います。
「こちらの指導を改善しても、同じ先生の指導は入るものなのでしょうか。」とあります。大丈夫です。でも、いつでも大丈夫というわけではなくて、仕切り直しにはタイミングが重要です。春のスタート期が絶好のチャンスなのです。それまでに、これまでの授業の改善点を書き出して、校内の先輩の先生方や音楽専科の先輩の先生方に見てもらって、アドバイスをもらっておくとよいでしょう。
そして、大変なこともあると思うのですが、同時に、同じ学校で同じ子どもたちを続けて指導できる良さもあるとも思うのです。
- 子どもの様子が最初からよく分かっていること
- 先生のことを子どもたちが分かってくれていること
- 周りの先生方とお互いのことを分かりあっていること
さらに、先生と子どもたちとの間に積み重ねてきたものもあります。先生が昨年度1年間で教えてきたことは子どもたちの中に残っています。今年は、その土台の上にプラスして教えていくことができるのです。2年間という長い期間で子どもたちの成長を見ることができる良さがあります。
文章を読んで、アポロ先生は、謙虚で真摯な先生なのだと思いました。だからこそ、不安に思う気持ちも湧いてくるのでしょう。でも、大丈夫です。自身で改善点を見付けているのですから。ご自身と子どもたちを信じて、子どもたちとの音楽の授業を楽しんでください。
応援しています。
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。