【相談募集中】支援教諭として何から学べばいいのかわかりません
支援教諭として5年目になる20代の男性から「みん教相談室」に相談が寄せられました。特別支援教育について知識を深めたいが、何から学べばいいのかという相談内容です。これに回答したのは兵庫県公立小学校校長で公認心理師 特別支援教育士スーパーバイザーの関田聖和先生。一朝一夕ではなく、日々の関わりの中で手立てや支援の引き出しを増やすことが大切、と伝えたその内容をシェアします。
目次
Q.支援学校の教諭として、何から学べばいいかわかりません
現在、特別支援学校で勤務しています。今年で5年目になります。障害のことの他に、どのようなことを学んでいけばよいのかわかりません(もともとは、小学校教諭を目指していました。お恥ずかしながら、障害の特性しか知識がありません)。これまでは、先輩教員の真似をしてアドバイスをもらいながら実践してきましたが、これではいけないと思い、質問させていただきました。
(まめ先生・20代男性・小学部4年生担当)
A.目の前の子どもたちに真摯に向き合うことで、引き出しは増え続けます
まめ先生の意欲とパワーを感じます。私も元気をいただきました。特別支援学校には、様々な児童・生徒が通ってくることでしょう。その子どもたちへの指導・支援の中で、
障害特性の理解
は、欠かせないでしょう。この知識があることは、指導・支援をスムーズに進めるための条件のひとつです。しかし、医学も科学も日進月歩です。常に最終学習歴は、更新し続けたいものです。
障害特性の理解も、一言でいうことは簡単かもしれませんが、スペクトラム状態であるため、例えば
秀和くんは、ASDだから、対人関係や社会的なやりとりが難しかったり、こだわりの行動があったりするんだね。
と捉えても、同じ診断名のある聖奈ちゃんとは、微妙に違ったりします。こだわりひとつとっても、秀和くんと聖奈ちゃんでは、さまざまな違いがあり、周囲が困るほどのこだわりを見せないこともあります。
さて、そのような子どもたちにどのような支援や手立てをとるのか。ここがポイントになるのではないかと考えています。
私自身もたくさんの子どもを担任してきました。以前、受け持ったきょうだいや双子を同じクラスで担任したこともあります。当たり前ですが、一人一人違います。だから、きょうだいや双子でも、支援や手立ては変わります。
障害特性の理解の更新を続けていく中で、支援や手立てのレパートリーを増やしていってはいかがでしょうか。それはつまり、まめ先生の引き出しを増やすということです。まるでドラえもんの四次元ポケットのように……(笑)
捉え方は人それぞれだとは思いますが、教職という仕事、人を育てるという仕事に対しての準備は、その職にいる限り、ずっと続きます。
本から学ぶもよし、真偽の確認は必要ですがネットからの情報を集めるもよし、さまざまな団体が行っている研修会に参加することもいいのではないでしょうか。このみんなの教育技術のサイトをはじめ、オンラインやオンデマンドで研修の機会を得ることもできます。本格的に学ぶのであれば、こちらの記事もアクセスしてみてください。
「これではいけない」と、焦る必要はまったくありません。目の前の子どもたちを指導・支援する中で、たくさんの手立てをつかみ自分のものにしていきましょう。そして、まめ先生の四次元ポケットの中身を増やしていきましょう。
私も増やし続けていきますよ。ともに、精進しましょう。
イラスト/横井智美
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。