【相談募集中】適応障害で休職中。復職したいが周りの反応が気になり怖いです

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臨床心理士・公認心理師

大多和二郎

教員3年目の先生から「みん教相談室」に相談が届きました。先輩教員から叱責を受け、精神的に堪えて休職中だそうです。復職を考えていますが、周りの目が気になり、復職が怖いとのこと。教員向け法定研修でメンタルヘルス研修の講師をされている臨床心理士・公認心理師の大多和二郎先生からのアドバイスを紹介します。

悩んでいる女性

Q.適応障害で休職中。復職を考えていますが、周りの反応が気になってしまいます

現在、教員3年目で適応障害と診断され休職中です。

先輩教員から求められる理想の教員像に、私がなかなか近づけないことが原因で過度な叱責を受け、自己嫌悪がひどくなり、精神的にしんどくなってしまいました。

復職もしたいと考えていますが、休職して半年ほど経っており、迷惑をおかけした分、周りの反応が気になり復職が怖いです。復職したときの周囲の先生たちの目を気にしないようにするには、どうしたらいいでしょうか。(もずく先生・女性・20代)

A.自分にできることを一歩ずつ進め、低くなった自尊感情を修正しましょう

教員3年目で適応障害と診断されて休職中ということですね。適応障害は周りの環境条件や業務の量や内容が自分が耐えられるストレスの限界値を超えたときに起こる心身の反応です。ストレス耐性は体力や性格など本人の持っているものだけではなく、環境条件や周囲の協力や理解のあるなしで変わってきます。先輩教員はあなたに対して、「もっとできるはずだ」という要求をし続けて、それに耐えられないという「あなたの心身の現実」がみえなかったのでしょう。期待されるのはありがたいけれど、「過度な叱責」で「自己嫌悪」がひどくなってしまって辛かったですね。何をどこまで要求できるかという「要求水準」の読み違いがあったのだと思います。しんどくなってしまったのは、あなたのせいだけではありません。

復帰にあたってはストレス(ストレス因)の少ない環境に復帰するのが望ましいのですが、必ずしも希望するような環境に復帰できるとは限りません。多くの場合、同じ職場に復帰することになりますので、また先輩と会うことになるでしょう。先輩はあなたが休職に入ったことで、「要求しすぎだった」と理解してくれていればよいのですが、もしかしたら自分は正しかったと思い続けているかも知れません。あなたの気持ちとしては「迷惑をおかけした分、周りの反応が気になり、復職が怖い」とありますように、「周りの目が気になる」という気持ちになっています。先輩に会うのが怖いのはよくわかります。

ちょっと考えてみてください。あなたは教員3年目なんですよ。これからいろいろな経験を積んで、そして学んで成長していく段階です。3年目で「理想の教員」になれる人がどれくらいいるでしょうか。今、目の前のやるべきことを自分なりに真面目にやっていく。人から指摘されたことがもっともだと思ったら修正する。間違えてしまったらきちんと謝罪する。あたり前のようですが、そんなことを日々一歩ずつ進めることが成長につながるのではないでしょうか。自分の個性もありますし、自分のペースもあります。成長の過程は様々です。そしてベテラン教員にもいろいろなタイプの先生がいます。つまり、成長のルートも成長した姿も人それぞれなので、一つの理想像にとらわれることはないのです。

復職したらまわりの職員の中で自分が話しやすいと感じる人に質問してみてください。「私らしさってどんなところですか?」「私のいいところってありますか?」となかなか質問しにくいかと思いますが、きっとその人が感じていることを正直に話してくれます。そして相手が言ってくれたことをありがたく受け取りましょう。あなたは自分が思っているより、周りの人はあなたを認めてくれていることを知ることになると思います。自信がなくなると自尊感情が低くなりがちです。それを修正する作業です。お試しください。


みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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