小学生の頃の思い出|絵本作家 寺門孝之さん
雑誌『教育技術 小一小二/小三小四/小五小六』では、月替わりで人気の高い絵本作家に表紙用のイラストの作画をお願いしています。本コーナーでは、その絵本作家さんに、小学生の頃の思い出を綴っていただきます。今回は、2019年12月号のイラストを担当していただいた寺門孝之さんです。

目次
小学生の頃
小学校入学時に神戸市の西の端の新興住宅地に引っ越してきて、それが僕にはよかったのだと思う。それまで同年代の子供たちが本当に苦手で、隣の男児が遊びの誘いに来ると、食卓の下に隠れるような弱虫だった僕が、小学生になってからはクラスメイトと付き合うようにもなっていった。
何よりも「おたのしみ会」好きで、学期終わりの日には、教室の机を後ろに送って積み上げ、教壇はステージに、廊下を楽屋とし、椅子だけとなったスペースに並ぶ観客の前で、代わる代わる寸劇だの、漫才だの、歌だの、手品だのを繰り出し合う「非日常」に没入した。学内だけにとどまらず、仲間と準備をして、クラスメイトのほとんどを自宅に集めて演芸大会を開催したりのお祭り人間となってしまった。
