小4国語「プラタナスの木」京女式板書の技術

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見やすく理解しやすい「単元別 板書の技術」京都女子大学附属小学校特命副校長 吉永幸司監修
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今回の教材は、物語文の「プラタナスの木」です。この単元では、「登場人物の変化を中心に、物語を紹介する」ことが学習内容です。そのため、題名である「プラタナスの木」についての理解が必要で、登場人物であるおじいさんが語るプラタナスの木が、どのように登場人物の変化につながっているかを分かりやすくした板書の工夫を紹介します。

監修/京都女子大学附属小学校特命副校長・吉永幸司
執筆/前京都女子大学附属小学校教頭・古垣内千鶴子

 

教材名 「プラタナスの木」(光村図書)

単元の計画(全8時間)

第一次
1 単元の目標や学習計画を理解し、単元の見通しをもつ。

第二次
2 言葉や表現に気を付けて読み、場面の様子や出来事を捉える。
3 物語の最初と最後で登場人物がどのように変化したのかを考える。
4 登場人物が変わるきっかけとなった出来事について、自分の考えをまとめる。
5・6 登場人物の気持ちや物語のその後について想像し、自分の考えをまとめる。
7 読んで感じた物語の魅力をまとめ、その魅力を紹介する文章を書く。

第三次
8 物語の魅力を紹介する文章を読み合い、感想を伝え合う。

板書の基本

〇教材「プラタナスの木」は、「マーちん」を中心とする4人組が、プラタナスの木のある公園で、おじいさんと出会い、プラタナスの木の存在の大きさを実感する物語です。「登場人物の変化を中心に、物語を紹介する」ことが学習内容です。

〇学習内容である「物語を紹介する」ためには、題名である「プラタナスの木」について理解が必要であると考えました。物語の前半では、登場人物であるおじいさんが語るプラタナスの木の存在が、その後に続く登場人物の変化につながっているからです。

叙述として、「つゆ明けのころからだろうか、プラタナスの木の下にある、古いベンチにおじいさんがやって来て、にこにこしながら、マーちんたちのサッカーをながめているようになった。」が、きっかけになります。そして「ある日」につながります。

〇板書では、「ある日」「おじいさんは、不思議なことを言った」について考えることを、大事にした場面をまとめています。

板書の手順として、次のことを考えました。

①「マーチンたちとおじいさんはだんだん親しくなる」という過程を想像する板書
②おじいさんの不思議な話
③「新学期が始まった」から始まる場面におけるプラタナスの木
④「ぼくたちのプラタナス公園は変わらない」という叙述につながるプラタナスの木の文章がもつ意味

この4段階を通して、「表現に気を付けて読む」「場面の様子を想像する」という学習内容を習得させたいと考えた板書です。

また、中心人物(マーちん)以外の登場人物も個性的でおもしろいのです。ですから、登場人物それぞれの特徴と、場面による登場人物の行動の違いにも着目させて、読み進めさせたいと考えました。

本教材は、三人称視点で語られ、物語を進める語り手がいます。この語り手は、中心人物「マーちん」に寄り添うような視点で語っています。そのため、読み手は、自然とマーちんの視点に同化しながら、共感的に読み進めることになります。同学年である登場人物たちと、自己の経験とを重ね合わせて、想像しやすい物語であるという特徴を生かし、取り組ませることができるでしょう。

物語を通して、マーちんたちの、自然に対する見方や考え方が変容していきます。しかし、どう変わったのか、またそのきっかけについては直接的には描かれていません。だからこそ、物語に描かれた登場人物の状況や行動、会話文など、複数の叙述を結び付け、自分なりの考えを形成することができるでしょう。

板書のコツ(3/8時間目前半)

小4国語「プラタナスの木」 板書
3/8時間目前半の板書

板書のコツ①

日付、題名を板書し、物語の概要を板書しました。そして、題名が、「プラタナスの木」であることを確認しました。

めあて「プラタナスの木の表現に気を付けて読み、場面の様子を想像しよう。」を板書し、「表現に気を付ける」ことの学習の仕方を指導しました。第1場面では、「古い大きなプラタナスの木が一本だけ生えている」「プラタナス公園とよばれている」を取り上げ、「プラタナスの木」の理解ができる文を見付けることを指示しました。

板書のコツ②

「場面の様子を想像する」について、第2場面の前半から、「おじいさん」の存在に気が付くように「プラタナスの木の下にある古いベンチ」「にこにこしながら」「だんだん親しくなる」の文や語句に着目させました。このことを通して、「想像する力」を働かせ、プラタナスの木の大きさを考えさせました。

板書のコツ③

プラタナスの木を想像する上で大事な言葉である「ある日、おじいさんは不思議なことを言った」を「不思議なこと」を黒板には書かないで「ある日、おじいさんは言った」を板書しました。そして、「不思議なことが何であるか」を考えて、おじいさんの言葉を読ませました。

子供の発言を板書しました。特に注目させたかったのは、「土の中でそれと同じくらい大きな根が広がって、水分や養分を送っている」と「プラタナスの木が公園を守っている」です。

板書のコツ(3/8時間目中盤)

小4国語「プラタナスの木」 板書
3/8時間目中盤の板書

板書のコツ①

最初は「夏休み この公園も台風におそわれていた。」と板書しました。台風に気付かせたかったからです。

次に「新学期 大きなプラタナスは、切りかぶだけを残して、消えてしまっていた。→根はほられていない。」と板書しました。

全体のまとめとして、最後の文「ぼくたちの~」を板書しました。自然の強さや大切さ、偉大さにつながる文章と考えていたからです。

板書のコツ(3/8時間目後半)

小4国語「プラタナスの木」 板書
3/8時間目後半の板書

板書のコツ①

全体を見直す活動を大事にした板書です。多くの子が支持した発言は、「新学期」「切りかぶだけ」「根はほられていない」「ぼくたちのプラタナス公園は変わらない」でした。

板書のコツ②

「春になれば」につながる「きっとまた、おじいさんにも会える。それまでは、ぼくたちがみきや枝や葉っぱの代わりだ。→青い空を見上げた。」を板書しました。自分たちがプラタナスの木を守っていく決意を感じるところです。

「青い空を見上げた」は「プラタナスも芽を出すだろう」という希望につながり、おじいさんの不思議な話を通して、「強いプラタナスの木の生命力」を考えることになります。

板書のコツ③

子供たちが着目したプラタナスの木についての記述には赤い波線を引きました。そして、おじいさんに関わる記述やキーワードとなる記述は赤で囲みました。「プラタナスの木が公園全体を守っている」から、マーちんたちにとっての公園は「ぼくたちのプラタナス公園」になっています。おじいさんが言った不思議な話は、プラタナスの木そのものであるとして、吹き出しの後ろに木の絵を書きました。

そして、最後に、おじいさんはプラタナスの木(またはプラタナスの木の精)だと意見がまとまったので、おじいさんが現れた場所である「プラタナスの木の下」の「の下」を消し、おじいさん=プラタナスの木(赤い波線と囲み)とまとめました。

 

構成/浅原孝子

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