クラスの荒れは日々の授業の工夫で防ぐ

特集
学級崩壊・学級の荒れ:立て直しからリアルな緊急避難まで

人間関係が深まる二学期以降は、特にいじめやトラブルも起こりやすい時期。クラスの荒れを予防できるような授業づくりの工夫について、ベテランの先生から教えていただきました。

監修/関西学院初等部教諭・森川正樹

11月の荒れ 防止策&対応策
写真/浅原孝子

授業の荒れを防ぐ注意点と環境の工夫

二学期は行事がたくさんありますが、あくまでも授業が本分なので「学級のベースは授業でつくる」という意識が重要です。落ち着いて学習を進めるためには「話を聞く姿勢」と「切り替え」が大事。授業の荒れを防ぐために次の4点を心がけましょう。

★授業の荒れを防ぐための注意点

① 教師は、子供のおしゃべりが完全に止まってから話し出すこと。
② 子供が仲間の発言に耳を傾けるために、教師自身が復唱しないこと。教師は子供の意識が仲間に向くように「促す」のが仕事。子供の話を聞き返したり、子供たちに復唱させたりすることを心がけましょう。
③ 「板書を写すだけがノートを書くことではない」と教え、「メモ」することを意識させます。
④ 切り替えを促し、素早く授業が始められればほめるということを繰り返しましょう。

さらに、学習環境についても工夫するとよいでしょう。すぐに学習に入れる雰囲気づくりのため、文房具を貸し出せるようにしておきます。

また、各自のノートは学級内にバックナンバーとして保存し、過去の学習をいつでもふり返ることができるようにするとよいでしょう。

11月の荒れ お友達の発言をメモしよう

子供の人間関係 改善策と留意点

① 授業内で子供同士の関わり合いを増やす

人間関係のトラブルは、できるだけ授業で減らしていきましょう。授業で仲間の言葉や考えをきちんと受け取るように促します。授業で個々が認められていると、きつい言葉で友達を罵ったり、ふざけて友達をからかったりといった、レベルの低い関わり合いが少しずつ減ってきます。

さらに、授業で「ふり返り」を書かせる場合には、「友達の名前」を入れることを伝えると、授業内の関わり合いの度合いがグッと増します。元気な中学年は、授業でどんどん燃えさせてエネルギーをプラスの方向に使わせましょう。

② 人間関係を観察

一見ザワザワしているような場面でこそ、黙って子供たちの様子を眺めてみましょう。例えば給食の時間。毎回一つの班に注目して黙って観察してみます。そうすると、にぎやかで、楽しそうに食べているように見えている班の中に、ほとんどしゃべらないで黙々と給食を食べている子がいることに気付きます。

人間関係を観察する

また、昼休みに丸付けをしながらじっと教室の様子を見てみましょう。独りぼっちで誰とも接していない子がいるかもしれません。特定の子から攻撃を受けている子がいるかもしれません。「見る」ということから子供理解は始まります。

教師と子供たちの関係づくりの工夫

① 教師自身が明るく、寛容であること

教師が細かなことでカリカリしていると、その表情を見た子供たちの心が曇り、それが伝染しクラスをモヤモヤとした空気が覆うことになります。

② 背伸びさせる

ちょっと背伸びするくらいのことも中学年の子は知りたがります。「三年生と思って話していません」「今日は四年生の勉強では扱わないようなことをします」などと声をかけて自尊心をあおり、少し背伸びさせるような活動を組むことは、中学年の子たちに有効です。

③ ユーモアを活用する

バカな冗談を言ったり、笑わせることが目的ではなく、ちょっとした言葉のやり取りをユーモアを交えて楽しいものにしましょう。

例えばクラスの愛すべきお調子者やおもしろい言動をした子などに、適宜うまく「突っ込む」ことで起きる笑い。この笑いは誰も傷つけない笑いです。下品な笑いは必要ありません。

④ 知的さを感じる授業の工夫

最後はやっぱり「授業」。知的さは教師への信頼を生みます。気持ちばかりを問う国語授業から脱却しましょう。教師が解を示し、その理由を考えさせる展開や、気持ちをダイレクトに問う代わりに「表情のアイコン」を提示し、選択させる過程で自然と登場人物の心情に迫る「アイコンカード」(森川国語教室用語)。さらに物語文の「設定」を動作化し、クラスの子の全てが分かる授業を実現させるなど、常に授業行為をブラッシュアップさせることに一生懸命な教師でいたいですね。

取材・文/出浦文絵 イラスト/大橋明子

『教育技術小三小四』2019年11月号より

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