【相談募集中】字が下手で子どもが書くような文字だと指摘されます…

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京都橘大学教授

池田 修

来年度から小学校教員としてスタートするてつ先生から「みん教相談室」に相談が寄せられました。字が下手でどうすれば上手く書けるようになるかという相談内容です。これに回答したのは京都橘大学教授・池田修先生。ご自身も続けているという、毎日15分でできる文字トレーニング法を教えてくれました。その内容をご紹介します。

イラストAC

Q.きれいな文字を書くためにはどうすればいいですか?

来年から小学校教員として働くのですが、字がとても下手です。板書も下手で丁寧に書いているつもりなのに子どもが書いた字のようだと指摘されます。どのような練習をしたら上手になりますか?(てつ先生・20代男性)

A.教師が字を書く際に大事なのはきれいな字よりも読みやすい字です

てつ先生へ

教師を始める前に自分の字をなんとかしたいと思われたとのこと。素晴らしいことです。教師は、この時代になっても手書きの字を多く使う仕事です。書くたびにストレスがあっては大変ですからね。今、改善してしまいましょう。字が上手い人は、ある時期に集中して字の練習をしています。これをしないでうまくなった人を私は知りません。てつさんは、そのある時期が今なのだと思います。

教師が字を書く際に、一つ大きな誤解があることがあります。教師は、きれいな字を書く必要はありません。いえ、きれいな字を書けてもいいのですが、それ以上に大事なのは読みやすい字です。読みやすい字とは、濃く太く大きく書かれている文字です。そして、読みやすい字を書くためには、時間をかけて書きます

字に自信がない人ほど、薄く細く小さく書いてしまいます。そしてササッと書いてしまいます。2Bの鉛筆で、1mm程度の太さで、1cmのマス目に少しはみ出すぐらいの大きさで書いてみましょう。おそらく、いつも書いている文字とは全く違っているのではないでしょうか。

読みやすい文字を書くために、初心者の方がやると効果のあるポイントが2つあります。それを説明しましょう。

一つ目は、文字の中心を揃えるということです。縦書きの場合は、漢字にある中心線を延長させるイメージで、その延長線上に文字の中心を揃えます。例えば、縦書きの場合、山田だったら、山の一画目と田の三画目が一直線になるように書いていきます。横書きの場合は、文字の中心を揃えて書くか、文字の下の位置を揃えて書くと字が整います。

最初は、自分の名前でやってみるのが良いでしょう。

  1. 自分の名前をワープロで縦書きで書きます。
  2. フォントは教科書体がいいでしょう。また、サイズは、100ポイント以上がいいと思います。
  3. これを紙の中心にセットしてプリントアウトします。
  4. 自分の文字の中心線を見つけて、そこに合わせて半分に折ります。私の場合は、「田」にあります。中心線が分かります。
  5. ノートに、縦線を一本引いて、プリントアウトされている文字の中心線と、自分の名前の文字の関係をよく見ながら書きます。

二つ目は、文字の粒を揃えるということです。大きさですね。最初は、全ての文字の大きさを揃えることを心がけましょう。

  1. 方眼のノートを用意して、その方眼の中に入るように書く練習です。縦線もあるので、中心線も確認しやすいです。
  2. 上達したら、漢字、ひらがな、カタカナのサイズを変えます。漢字が10だとしたら、ひらがな、カタカナは8ぐらいにするとバランスが良くなります。

毎日15分程度やっていけば、3か月ぐらいで、効果が出てくると思います。ただ、板書には別のスキルが必要です。書道がうまくても板書の文字がうまく書けない人は珍しくありません。これはまた別の機会に。

頑張って練習してください。

池田先生作。日々のトレーニングで文字は各段に上達します

こちらもあわせてご覧ください↓
「どうして先生は、きれいに文字を書けるんですか?」


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