その敬語、正しいですか? 小学校教員のための、大人の言葉遣い&仕草

民間企業で鍛えられた方の、言葉遣いや接客方法は素晴らしいです。学校では、教員がそうしたことを研修する機会はなかなかありませんよね。どんな敬語を使う? お客様に待っていただくときには? 使ってはいけないNGワードなどなど…。身に付けておけば、電話応対や接遇をさらにブラッシュアップできそうです。今回は、そんな「大人の対応」について考えていきましょう。
【連載】マスターヨーダの喫茶室~楽しい教職サポートルーム~

目次
秘書経験者の対応に感動して
わたしの勤務校に、実に見事な電話応対と来客の接遇をなさる事務職員の方がいらっしゃいました。前職では企業の社長室で秘書をされていた、という経歴の持ち主でした。
美しい言葉遣いや所作。そして相手を立てる気遣い。その一挙一動が、大人の仕草のお手本で、毎日感動の連続でした。
これは、以下のような「コツ」としてまとめられそうです。
尊敬語・謙譲語・丁寧語をしっかり区別しよう!
尊敬語は目上の人やお客さんなどに対して、相手を立てて話をする時に使います。
謙譲語は、逆に自分がへりくだることで、相手への敬意を示す言葉です。
言葉遣いを優しく上品にする効果が高い丁寧語も合わせて、きれいな言葉遣いを目指しましょう!
日常的によく使う言葉を表組みにしてみました。ぜひ覚えてくださいね。

文化庁の「敬語の指針」についての文化審議会答申も大変参考になります。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/pdf/keigo_tosin.pdf
なお、NG敬語と言われるものがあります。
最近は、けっこう職員室内で聞こえてきます。
例えば次のようなものです。
【二重敬語】
NG 「おっしゃられていました」
OK 「おっしゃっていました」
【尊敬語と謙譲語の混同】
NG 「後ほど拝見してください」
OK 「後ほどご覧になってください」
【「さ」入れ、「ら」抜けワード】
NG 「読まさせていただきます」
OK 「読ませていただきます」
NG 「見れます」
OK 「見られます」
【過去形での確認】
NG 「よろしかったでしょうか?」
OK 「よろしいでしょうか?」
☆過去形で尋ねるのは、もとは北海道の方言だそうです。最近は全国的に認められてきているようですが…。
【~ほう】
NG 「社会科見学の計画書のほう、お持ちしました」
OK 「社会科見学の計画書をお持ちしました」
☆若者が使う言葉としてよく耳にしますが、「ほう」は2つ以上選択肢がある場合に使うワードですので、使わないようにしたいです。
【間違い言葉】
NG 「やらせていただきます」
OK 「担当いたします」
NG 「お名前を頂戴できますか」
OK 「お名前をお聞かせいただけますか」
【友達言葉】
これらはすべてNGです!
「これって○○じゃあないですか」「マジっすか」「っていうか、○○かも…」
言葉に対するセンスが問われます。
ONとOFF、フォーマルとインフォーマル、仕事とプライベート、さらには上司か友人かなどなどに応じて適切なワードを使っていきたいです。