【相談募集中】冷静沈着な性格がゆえ、子どもとの距離感に悩んでいます
20代の男性教諭から「みん教相談室」に相談が寄せられました。教師になって5年目を迎え、子どもとどう関わっていけばよいか分からなくなってしまっているそうです。この悩みに回答したのは千葉県公立小学校教諭・飯村友和先生。自身の失敗経験で得た、学級経営に必要なたった1つの大切なことを挙げてアドバイスしました。その内容を紹介します。
目次
Q. 子どもとの関わり方が年々、分からなくっています
5年目の小学校教員で今年は6年生を担任しています。年々、子どもとの関わり方が分からなくなってきています。自分は性格的にとても内向きで外に感情を出すことが苦手です。そのため、いつも冷静で、感情をむき出しにする事なく、淡々と指導をするからこそ学級も落ち着いてくるところが良さだと言ってくれる先生もいます。
ですが、子どもからしてみたら感情が読みにくいはずなので、常に怒ってるんじゃないかとか、怖いから相談できないとか思っている子もいるみたいです。自分に足りないフレンドリーさを求めても、今のままの自分でいても、学級経営が上手くできなくなっていってしまうような気がしています。どのように子どもと関わっていくべきなのでしょうか?(せんべい先生・20代男性)
A. 大切なことはたった1つ。目の前の子どもを好きになること
相談、読ませていただきました。せんべい先生の、今の自分に満足していない、変わりたいけど、変わってうまくいくのか不安だという想いが感じられました。せんべい先生には、せんべい先生のよさがあります。冷静なところや、感情を出さずに淡々と指導できるところ、自己と向き合えるところもよさです。せんべい先生のような先生が好きな子も、特に6年生では多くいるはずです。せんべい先生のよさは残しつつ、まわりの先生を見て「いいな」と思うところを自分に取り入れていったらよいのではないでしょうか。
その上で、子どもとの関わり方について、私の失敗談をまじえてアドバイスさせてください。
先生と同じ6年生を担任していた時のことです。この時には、「好かれようが好かれまいが関係ない。教師として、生徒であるこの子たちに必要な教育をするだけだ」と思っていました。
女子のグループ化、やんちゃな男子の傍若無人な振る舞い、教師を避ける子どもたちなどの問題に、冷めた態度で接する自分がいました。
誰一人泣く子がいなかった卒業式が、その1年間を象徴していました。その1年間を振り返っていた時に、初任の頃にベテランの先生から言われた次の言葉を思い出しました。
「いいか。学級経営の秘訣はたった1つだ。子どもを好きになること。それだけだ」
私に欠けていたのは、目の前の子どもを好きになろうとすることだったのだと気付きました。この失敗以来、私は、子どもを好きになるということを大事にしてきました。
好きになれば、相手を喜ばせたい。力をつけてあげたい。幸せになってもらいたい。よい関係を築きたい。子どものことを好きになればなるほど、やる気がわいてきました。原動力になりました。
教室にはいろいろな子がいます。なかには、好きになるのが難しい子もいます。しかし、それでも、まずは好きになろうとすることから始めるとよいと思います。 そんな時にオススメなのが「子どものよいところを記録する」という方法です。紙にその子のよいところを書いていきます。
「今日中に5こ見つける」などと目標を決めると、一生懸命にその子のよいところを探すようになります。すると、その子を見る目が変わってきます。自身の言動や表情も変わってきます。関わり方が変わってきます。
まずは目の前の子を好きになること。そこから関係作りは始まります。
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。