【相談募集中】初任者です。子どもに舐められて学級崩壊の一歩手前です
学級崩壊を起こしかけていると切実な相談が「みん教相談室」に寄せられました。初任で担任する4年生の子どもたちに、指導の言葉が響かずに学級が落ち着かないそうです。この悩みに回答してくださったのは北海道公立小学校教諭・戸来友美先生。自身の経験もふまえた対応策をアドバイスしました。その内容をシェアします。
目次
Q.言葉を聞き入れてもらえず、子どもたちに舐められてしまっています
初任者です。小4の担任をしています。児童に舐められてしまっていると感じます。児童は授業中でもおしゃべりが多く、注意したり、話すのをやめてみてもなかなか静まりません。勉強を真面目にしたい人の邪魔になってしまうよと伝えてもダメ。しかし、他の先生が来るとピタッと静かになるのです。
最近では子ども同士の注意の仕方が「静かにしなよ! 〇〇先生がいる時でもそんな態度でいるの? おかしいよね!」というような言葉になり、私の前ならいいと思ってるんだなというのがありありと分かります。
他の先生に聞き、まずは名札や上履きなど基本的なところをきちんとさせるとアドバイスいただいたのですが、それらについて私から言うと「上履きありません(本当はある)」「名札を忘れたのでテープでつけます(テープをふざけて大量に取りつける)」「足が痛いので履けません(他の先生が来れば履く)」という始末。
真面目な方の児童から「もうこのクラス、ダメだ。崩壊してるよ」と言われてしまい、クラス全体が壊れていくのを児童も感じているようです。 どうしたらいいのでしょうか?(アルファ先生・20代女性)
A. “面白くて、認めてくれる先生”を目指してみませんか
アルファ先生、心を砕いて毎日を過ごされているのだろうと思うと、とても心配です。私でよければ、お力になれたらと思いました。
同僚の先生からのアドバイスを実行するというアルファ先生の謙虚な姿勢を生かして、子供への承認と先生の心のゆとりをもたらす言葉がけを考えました。心のゆとりなんて難しいかも知れません。でも、ユーモアで返すと言い換えると少しできそうな気になりませんか。
「名札を忘れたのでテープでつけます(テープをふざけて大量に取りつける)」という子どもを例にしてみます。
テープでつけたのね、いいね。(褒める、認める)
↓
しかしだ、テープ多すぎない?(ツッコミ、ユーモアで指摘)
その後は、「明日は持って来られるといいね。」などプラスの言葉で終わらせます。次の日改善されないかも知れませんが、そこはグッとスルーしてみるのも手かと思います。
先生は「注意をしてくるうるさい人」ではなく、「面白くて、認めてくれる人」になったなら、アルファ先生と子供たちとにつながりが生まれて、言葉も届きやすくなると思いました。
そして、真面目に頑張る子たちには、アルファ先生の味方になってもらえるように、「先生もみんなを、褒めて伸ばしていけるように頑張るね。いつもありがとう。」と伝えたいです。頑張っている子たちが、不公平な思いをもたないような配慮は必要だと思います。
遠い昔になりますが、私も子どもたちに舐められていると感じて、大きな声を出したり、言葉を荒らげたりしたことがありました。しかし、子どもたちの心は離れ、距離が広がるばかりでした。イソップ童話の「北風と太陽」の北風のような対応だったと今では思います。では、太陽のような対応は、と考えると笑顔とユーモアかなと思っています。
また、以前に若い先生からアルファ先生と似たような相談を受けたこともあります。その先生はとても、真面目に子どもたちに向き合っていました。学級の子どもたちは先生に認めてほしい、分かってほしいという思いで、そうではない現状に反発したり、不満の表現として反抗しているのだと感じました。そこで、まずは、小さなことでも頑張る姿を見たら褒めてみよう、認めてみようとアドバイスをしました。
アルファ先生の良さを生かして、子どもたちに変容が生まれることを願っています。
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。