• 勉強マーク小学館ロゴ
  • facebookアイコン
  • twitterアイコン

子どもの提出物チェック&コメント術

2019/10/13

学習ノート、日記、ワークシート、連絡帳等々・・・。毎日の提出物を迅速かつ的確にチェック、コメントすることは、子どもたちを伸ばす上で大切な仕事です。とは言え、大きな負担であることも事実。スピードと丁寧さを両立させつつ、できるだけ負担を軽減する工夫や、子どもたち自身にチェックを委ねるシステムづくりについてご紹介します。

執筆/大阪府池田市立公立小学校・樋口綾香

樋口綾香先生
樋口綾香先生

instagramでは@ayaka_t_として「#折り紙で学級づくり」「#構造的板書」「#国語で学級経営」などを発信。『3年目教師 勝負の授業づくり』(明治図書)ほか、編著・共著多数。

負担を軽減しつつ子どもを伸ばすチェック&コメント合理化の工夫

チェック&コメントの効果

子どもからの提出物がない日はありません。連絡帳、宿題、自学ノート、日記、作文、テスト・・・毎日多くのものが提出されます。これらをすばやくチェックし、返却することは、子どもの学習意欲の向上や身に付けた力の定着に繫がります。

できるだけ早く子どもたちの手元に返し、かつ、意欲を向上させるためにはどのようにチェックし、コメントすればよいのでしょうか。教師の負担をできるだけ軽くしながら効果を上げるチェック&コメント術を紹介します。

連絡帳のチェックを確実にする技

保護者から、「子どもが連絡帳を書いてきません。声かけをしてもらえないでしょうか」と言われたことはありませんか。連絡帳は教師・子ども・保護者をつなぐ大事なツールです。子どもが連絡帳を書いて帰らない要因から具体的なチェック術を考えます。

① 覚えられるという自信が要因の場合

持ち物、宿題など連絡帳の内容をすっかり覚えているかどうか、口頭でチェックします。一つでも抜けていれば、これからは必ず書くことを約束します。

② 連絡帳を書く時に別のことをしている場合

グループの形で、連絡帳を一斉に書きます。書けているかどうかをまずグループでチェックし合い、それから班でまとめて提出します。一人ずつ名簿で提出をチェックする手間が省け、子ども同士の関わりの中で連絡帳をきちんと書こうとする態度が育ちます。

③ 連絡帳を忘れる

おうちの方にチェックをお願いします。

④ 書きたくない

「ハッピースタンプ&シール」を用意します。

ハッピースタンプ
クリックすると別ウィンドウが開きます
キラキラシール
シールの保管テク

ハッピースタンプ&シールとは、その子が喜ぶスタンプのことです。好きなキャラクターや先生の手づくりハンコなどを用意して、提出することのメリットを分かりやすく示します。クラスみんなが提出したくなるように、日替わりスタンプにすることをお勧めします。

宿題のチェック術

漢字学習ノートのチェックは、花丸段階表→表彰状プレゼントで

漢字学習ノートは、できるだけ早く丸付けをするために、次のことを子どもたちに話しています。

①「文は人なり」→「文字は人なり」

文章は書いた人の性格や考え方を表すという意味のことわざです。これを低学年に話す時、「文章だけでなく、文字も人を表します。文字を丁寧に書く人からは、一生懸命学習しようという気持ちが伝わってきますよ」と話します。すると、文字を丁寧に書く子どもたちが増えます。文字を丁寧に書くと、集中力が身に付くだけでなく、字形を意識できる力や平仮名や漢字を間違わずに書く力を育てます。

②「一つでも間違いがあると花丸はもらえません」

より注意深く文字を書く子どもが増えます。花丸にも段階をつけます。私が実践しているのは、7段階です。

7段階の花丸
7段階の花丸

③「花丸を集めて○個に達成すれば表彰状がもらえます」

花丸を集めて表彰状がもらえるシステム

一生懸命に学習することが当たり前、というのは教師の一方的な願いであり思い込みです。一生懸命学習することは特別なことであり、頑張ったことを認める機会をつくります。「花丸10個でレベル1、花丸20個でレベル2」など、段階をつけ、名前を掲示板に貼って頑張りを可視化すると、やる気アップに繫がります。

自学ノートのチェック&コメント術

自学とは、自分で興味のある分野を進んで学習することです。だからといって、子どもに任せきり、というわけではありません。子どもたちがより多様な分野に興味を持てるような工夫を講じていく必要があります。

① 自学テーマの共有

自学テーマを掲示板に貼り可視化する
クリックすると別ウィンドウが開きます

自学をしてきたら、テーマをチェックします。今までにないテーマにはノートに付箋を貼って返します。付箋が貼られて返ってきた子は大喜び! なぜかと言うと、付箋は「今までに誰もしてきていないテーマ」に挑んだ証であり、みんなのお手本となる特別なものだからです。付箋にタイトルを書いてもらい、画用紙に掲示して、みんなが参考にできるようにします。

② 先生の驚きをコメントに

先生からの驚きのコメント
クリックすると別ウィンドウが開きます

自分で進んで学習する態度を促すためには、先生のコメント(評価)は欠かせません。私は、「こんなテーマで自学をしてきたのか!」というテーマへの驚き、「先生も知らなかった!」という内容への驚きをコメントしています。先生が知らないことを知った自分を誇りに思ってほしい、学ぶことを楽しんでほしいというメッセージを込めて驚きをコメントしています。

③ 自学ノート見合いっこ

先生からのコメントはできればたくさん書いてあげたいと思いますが、チェックすべきノートやプリントは他にもあります。十分に時間が取れない時には、「自学ノート見合いっこ」をします。活動の流れは次の通りです。

・グループの形にする。
 ↓
・自学ノートを開いて机の上に置く。
 ↓
・グループで読み合う。

読む時のポイント
・内容が面白い人を見つける。
・自学の手順や書き方の工夫を見つける。

 ↓
・ノートを置いたまま、次のグループの席へ移動し、読み合う。
 ↓(繰り返し)
・「この自学がすごい!」と思ったノートに付箋を貼りに行く。

付箋は5㎝四方のものを一人1枚ずつ渡し、自分の貼りたい枚数分にハサミで切るように指示する。最大3枚程度にする。

このような流れで「自学ノート見合いっこ」をすると、友達の自学の内容をじっくり読み、内容の面白さや書き方の工夫など、多くのことを自然と学ぶことができます。また、友達の得意な分野、好きな分野も知ることができ、新たな会話や交流が生まれるなど、学級づくりにも役立ちます。

低学年の子どもにとって、先生からのほめ言葉や評価はたいへん嬉しいものですが、それと同じくらい友達から認められることは嬉しく、また一人一人の自信にも繫がります。

満面の笑みで、付箋がたくさん貼られたノートを抱きしめている子どもたちの姿に出会います。付箋をもらえなかった子どもはきっと悔しい思いをしているでしょう。「その思いを次の自学に生かすことが大切で、友達の自学の素晴らしさに気付ける力は、自分の学習の力を高めています」と伝え、意欲付けを行いましょう。

『教育技術 小一小二』2019年10月号より

★小学館『みんなの教育技術』Webサイトでは小学校の先生に役立つ情報を毎日発信中★ぜひお気に入り登録して最新記事をチェックしてください!
↓↓↓
『みんなの教育技術』トップへ

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

関連する記事

クラス記事一覧

イワオジ先生、教師力を見せつける!【4年3組学級経営物語18】

4年3組担任の新任教師・渡来勉先生……通称「トライだ先生」の学級経営ストーリー。活動過程をしっかりふり返り、客観的に評価して改善する。その取り組みが、輝く未来に…

折り紙で教室を華やかに【1月編】お正月
折り紙で教室を飾ろう|お正月飾りと鏡もちの簡単な折り方

折り紙は、子どもたちが幼少期から親しんできたものです。友達と協力して完成する大作は、教室に飾ることで、華やかな雰囲気になり、教室の一体感も感じられるでしょう。何…

子どもの自己肯定感を引き出す「評価カード」ちょっとしたコツ

評価活動を進めていく時、まずは多様な評価資料を収集することが求められます。大別すると「教師による評価」と自己評価や相互評価カードなどを活用した「子どもによる評価…

子ども同士がつながるアクティビティ
学校のお楽しみ会で「子ども同士をつなぐ」手軽なゲーム2種

異学年との交流や、お楽しみ会など、子どもたちが同調して楽しめます。準備物も不要で、どこでもできる、子ども同士がよりつながるゲームを2つ紹介します。

小学校の年末お楽しみ会を盛り上げる!楽しいゲーム5選

絶対盛り上がるお楽しみ会のアイディアを紹介します。一年生にとって二学期は、初めての行事をたくさん経験し、集団生活にも慣れてきた頃かと思います。残り三学期を楽しく…

小学校お楽しみ会演出の3ステップ

子どもたちが夢中になるお楽しみ会。そこでの学びを充実させるためには、事前の「自治的な計画」、当日の「楽しい演出」、事後の「主体的・対話的な振り返り」が必要です。…

2019/12/7

通知表わたしの成功談&失敗談

担任の誰しもが、自分の学級の子供たちの成長を願いながら作成する、学期末の通知表。この方法がオススメ! というテクや、受けとった子供や保護者を落ち込ませてしまった…

疑問も解決!盤石の小一二学期通知表記入例
通知表所見クレームゼロの法則

残業ゼロ、しかも保護者からのクレームもゼロになる通知表所見を書くコツを伝授!現代の教師が身を守るための「誰にどう読まれても誤解されない」「次学期への意欲につなが…

保護者面談で信頼を得る8つのポイント

「保護者と何を話せばいいのかわからない」、「会話が続かず気まずい雰囲気が流れる」など、保護者面談に苦手意識を持つ先生も多いのではないでしょうか。ベテラン教師も昔…

保護者クレーム対応に効く!誠実でやわらかい教師のフレーズ13

保護者からのクレームに対しては、まずその気持ちをよくきき、受けとめることが第一です。かっとして言い返したり、理屈で封じこめようとしてはいけません。よくある保護者…

2019/11/30

もっと見る