3月の先生のお話| 君たちなら大丈夫。エールを送る別れの3月

連載
学級経営を支える先生のおはなし|小四

愛知県公立小学校教諭

八神進祐

3月は別れの季節。年度の締めとなる大切な月です。クラスの子供たちの成長ぶりを一番の特等席で見てきたのは、なんといっても担任の先生だと思います。そんな先生からの言葉がけは、次の学年を頑張る子供たちのエネルギー源となるはずです。連載最後の今月は、子どもたちを送り出す教師のお話です。

執筆/愛知県公立小学校教諭・八神進祐

イラストAC

Point1 教科書で年間の軌跡を振り返る

3月は、比較的、学習進度に余裕が出てくる時期ではないでしょうか。各教科の授業の中で、4月の頃に勉強していた教科書のページを開いて、ゆっくりと眺めてみる時間をつくってみてはいかがでしょうか。

去年の4月にタイムスリップです。今の皆さんから見たら、過去の学習内容はどのように感じますか。

懐かしい!勉強したなぁ。

今ではこの漢字、すらすら書けるようになったね。この説明文の勉強で、はじめ、中、終わりの構造を知ったなぁ。

あのとき〇〇さんがこんな発言していて凄かったよね。

消防署見学も行ったねぇ。消防服を着せてもらって、とても重かったね。消防士の方の働く姿はかっこよかったね。

このような会話が生まれ、成長を実感する場面が見られます。一生懸命に活用した教科書やノートこそ、最高の学びの軌跡であり、成長を実感できる教材となるはずです。「懐かしいなぁ」で終わることなく、「何を学んだか」「何ができるようになったか」「どのように学んだか」を意識させながら振り返ってみてはいかがでしょうか。

Point2 君たちなら大丈夫。希望をもたせて進級の背中を押す

皆さんの中には、“このクラスの解散まで残り〇〇日”とカウントダウンしている人もいるかと思います。時間は止まってくれません。泣いても笑っても次の学年へ進級します。今の気持ちを聞いてもいいですか。挙手してくださいね。
楽しみな人!(挙手させる)
何が楽しみですか。

委員会活動をやってみたいです。

では、ちょっと不安な人!(挙手させる)
何が不安ですか?

勉強が難しくなりそう…。

なるほど。ですが、難しいということは、頑張る価値があるということだと先生は思います。先生は覚えていますよ。大縄跳びで連続100回を達成したことや計算テストで全員が合格したこと。あの瞬間、皆さん大喜びでしたよね。先生も感動しました。頑張ってきたからこそ、得られた思い出です。君たちなら大丈夫。先生は、いつまでも応援しています。

冒頭にも書かせていただきましたが、子供たちの頑張りを一番近くで見てきたのは、担任の先生です。そんな、子供たちにとって特別な存在である先生から応援されることで、次年度に向けて湧いてくる力があると私は信じています。

この1年間、私の記事を読んでくださりありがとうございました。日々学び続けられる皆様のクラスの子供たちは本当に幸せだと思います。未熟な私でしたが、全12回、心を込めて書かせていただきました。皆様のお役に立つことが少しでもありましたら、これほど嬉しいことはありません。またどこかでお会いしたいです。3月は別れの時期、皆様のクラスのフィナーレが大団円になることを心より願っています。繰り返しになりますが、本当にありがとうございました。

八神進祐先生
八神進祐先生

八神進祐(やがみしんすけ)●1988年、愛知県生まれ。愛知教育大学卒業。教育サークルMOVE代表。子供たちの“ありのまま”を大切にした教育実践に取り組んでいる。
著書『今すぐ真似したくなる教室のひみつ道具図鑑』、教育論文入賞多数、第5回・第7回「全国授業の鉄人コンクール」優秀賞、フォレスタネットグランプリ初代MVP。
YouTubeでは小学館「みんなの教育技術」より、授業力アップ動画を、Twitterでは「だいじょーぶ先生」(@teacher16694123)としてアイデア溢れる教育実践を発信中。

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