• 勉強マーク小学館ロゴ
  • facebookアイコン
  • twitterアイコン

子供同士のトラブル時の保護者対応ポイント

2019/9/18

新学習指導要領で取り上げられたガイダンス機能の充実。子供が自らの考え方や学び方を主体的に確立していくことの支援を強化する目的があります。ここでは、子供同士がトラブルを起こした場合の保護者への対応について、具体的な場面を例に出しながら解説します。

執筆/ガイダンスを学級づくりに活用する会代表・八巻寛治

けんかする子どもたち

トラブルが見えにくくなる?

2年生の前半は、担任に不平不満を訴えたり、その子の態度を注意したくて言いつけに来たりする子が多いですが、2年生も後半になると、トラブルが見えにくくなることもあります。発達段階的に見ると、社会性を意識できる一方で、自己中心的な傾向も混在しているこの時期は、自分の思いがゆがんだ行動になって表れてくることもあります。

本当は仲良くしたいのに、その子の気を引こうと嫌がらせをしたり、些細なことで手を出したり、暴言を吐いたりすることもあります。2年生は、客観的に自分を見つめたり、自分の気持ちをうまく言葉で表現したりできないことから、突発的にトラブルが起こることが多いようです。

トラブルの要因と指導の難しさを確認してみましょう

トラブルの要因
□ 相手に自分の気持ちを言葉でうまく表現できない。
□ 誰彼構わず、何気なく、ついちょっかいをかけてしまう。
□ 言葉がきつく、相手が傷つくことを言ってしまう。

指導場面での難しさ
□ トラブルの状況や原因をはっきりと説明できない。
□ 事実確認の際に、話がそれたり、二転三転したりする。
□ 保身(自分を守りたい)の気持ちが強くなり、事実を歪曲してでも自己防衛しようとする。

「いじめ」に過敏に反応する保護者

2年生の子供は、友達にちょっかいをかけられたり、からかわれたりした時や、悪口を言われただけで、「いじめられた」と言ってしまう場合があります。当然その子が「いじめ」と感じれば、担任として適切に指導しなければなりません。しかし保護者は、我が子から「いじめ」と聞いただけでその言葉に過敏に反応し、我が子からの一方的な情報だけで判断しがちであることを認識しておきたいものです。

我が子がいじめを受けていると苦情を受けた時の対応・対処の前に

Aさんの母親から「娘がいじめを受けているので学校に行きたくないと言っています」という苦情の電話がありました。この時期にはどのようなことに配慮して対処すべきなのでしょうか?

子供が「いじめられている」と訴えると、教師も保護者も、自分の対応の仕方に何か問題があるのではないかと不安になります。

保護者から理解を得るような子供への指導の手順

保護者から問われたときに、どのように対応・対処したか、分かりやすく手順を伝えると不安を払拭するきっかけになります。

①当事者や双方の話をしっかり聴く。
(事実確認・意識のずれ・思い違い等)
       ↓
②教師が判断を言い伝えるのではなく、お互いの気持ち(感情)を表現できるようにコーディネートする。
       ↓
③しっかり謝る場面を設ける。
※何となく話の流れで済ませるのではなく、理由がはっきりし、子供自身が問題の所在に気が付くことができたら、互いに納得のいく謝罪の仕方を促し実行する。
※けんか両成敗はしないように気を付ける。
       ↓
④今回の件で分かったこと・気が付いたことを確認し、今後の望ましい言動を確認させる。

保護者からの苦情に応えるためではなく、Aさんも、他の子供たちも含めて子供の健全な成長のために動いている姿勢は貫きたいものです。

保護者から理解を得るような保護者への連絡の手順

電話や連絡帳でいじめの相談があった場合を想定して、「保護者から理解を得るような保護者への連絡の手順」を確認してみましょう。

①保護者からの主訴をしっかり聴き取り、返事をするための大まかな日程や時間(いつ頃まで時間が欲しい)等を伝える。
※保護者が感情的になっているときは、一端落ち着くまで時間を取り、受け止めるように話を聴くように心がける。当事者や双方の話をしっかり聴くこと、期限までに分かったことを伝える。
       ↓
②前述の「保護者から理解を得るような子供への指導の手順」を参考に事実確認をしっかり行う。
※担任の思い込みや推測を含めて話をしてしまうと、不信感を招いてしまうことにもなりかねないので、気を付けたい。
       ↓
③保護者が感情的になっているときや、事態が複雑なときなどは、連絡帳や電話は避け、保護者の表情や反応をつかみながら話ができるので直接会って話をする。
       ↓
④家庭訪問や面談をする際は、保護者の心理状態を確認した上で、話の筋を決める。
※中には、確認した事実を伝えると、急に感情的になって、我が子をかばったり、相手を非難しようとしたりするケースもあるが、一時的な場合が多いので、しっかり吐露するように話を聴くことがポイントになる。
       ↓
⑤確認した事実や指導した内容を伝える。
※子供同士のトラブルでは、関係した双方の保護者にどのように納得してもらえるような説明ができるかがポイントになる。困っていてしっかり相談したいと思っている保護者には手順を追って丁寧に。実際に何が起きたかの事実を知りたい場合は結論から伝えると、こじれずにすむことが多い。
        ↓
⑥今後の方針について話し合い、家庭の協力を得る。
※どちらが加害者・被害者の如何に関わらず、双方の保護者に、我が子にも相手の子にも、発達上の課題であることを理解してもらえるように働きかけ、家庭の協力を得る。


八巻寛治(やまき・かんじ)上級教育カウンセラー・ガイダンスカウンセラー・小学校教員ほか。エンカウンターミニエクササイズ、心ほぐしミニゲーム、課題解決のカウンセリングなどを活用した実践を紹介している。

『小二教育技術』2018年10月号より

★小学館『みんなの教育技術』Webサイトでは小学校の先生に役立つ情報を毎日発信中★ぜひお気に入り登録して最新記事をチェックしてください!
↓↓↓
『みんなの教育技術』トップへ

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

関連する記事

クラス記事一覧

イワオジ先生、教師力を見せつける!【4年3組学級経営物語18】

4年3組担任の新任教師・渡来勉先生……通称「トライだ先生」の学級経営ストーリー。活動過程をしっかりふり返り、客観的に評価して改善する。その取り組みが、輝く未来に…

折り紙で教室を華やかに【1月編】お正月
折り紙で教室を飾ろう|お正月飾りと鏡もちの簡単な折り方

折り紙は、子どもたちが幼少期から親しんできたものです。友達と協力して完成する大作は、教室に飾ることで、華やかな雰囲気になり、教室の一体感も感じられるでしょう。何…

子どもの自己肯定感を引き出す「評価カード」ちょっとしたコツ

評価活動を進めていく時、まずは多様な評価資料を収集することが求められます。大別すると「教師による評価」と自己評価や相互評価カードなどを活用した「子どもによる評価…

子ども同士がつながるアクティビティ
学校のお楽しみ会で「子ども同士をつなぐ」手軽なゲーム2種

異学年との交流や、お楽しみ会など、子どもたちが同調して楽しめます。準備物も不要で、どこでもできる、子ども同士がよりつながるゲームを2つ紹介します。

小学校の年末お楽しみ会を盛り上げる!楽しいゲーム5選

絶対盛り上がるお楽しみ会のアイディアを紹介します。一年生にとって二学期は、初めての行事をたくさん経験し、集団生活にも慣れてきた頃かと思います。残り三学期を楽しく…

小学校お楽しみ会演出の3ステップ

子どもたちが夢中になるお楽しみ会。そこでの学びを充実させるためには、事前の「自治的な計画」、当日の「楽しい演出」、事後の「主体的・対話的な振り返り」が必要です。…

2019/12/7

通知表わたしの成功談&失敗談

担任の誰しもが、自分の学級の子供たちの成長を願いながら作成する、学期末の通知表。この方法がオススメ! というテクや、受けとった子供や保護者を落ち込ませてしまった…

疑問も解決!盤石の小一二学期通知表記入例
通知表所見クレームゼロの法則

残業ゼロ、しかも保護者からのクレームもゼロになる通知表所見を書くコツを伝授!現代の教師が身を守るための「誰にどう読まれても誤解されない」「次学期への意欲につなが…

保護者面談で信頼を得る8つのポイント

「保護者と何を話せばいいのかわからない」、「会話が続かず気まずい雰囲気が流れる」など、保護者面談に苦手意識を持つ先生も多いのではないでしょうか。ベテラン教師も昔…

保護者クレーム対応に効く!誠実でやわらかい教師のフレーズ13

保護者からのクレームに対しては、まずその気持ちをよくきき、受けとめることが第一です。かっとして言い返したり、理屈で封じこめようとしてはいけません。よくある保護者…

2019/11/30

もっと見る