年末にやりたいNPO(年賀状・プリント・大掃除)大作戦!【マスターヨーダの喫茶室】

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山田隆弘
マスターヨーダの喫茶室~

師走で年末が近づいてきました。今年の一字は? 流行語大賞は? 歌謡大賞は? 世の中は今年を締めくくるイベントで満載です。小学校も何かと忙しい毎日ですが、何かやり残したことはないか振り返っていきたいです。そして今しかできないこと、年末がグッドタイミング! というものがあるはずです。例えばN(年賀状)P(プリント処理)O(大掃除)!です。

1 年賀状作成

年賀状の発行枚数がピーク時には44億枚以上あったのが、今では16億枚に減少したようです。
メールやSNS、LINEなどが普及したため、デジタルの手段を使えば日常的に近況を知ることができ、わざわざ年賀状で消息を知らせる必要もなくなったと言えます。そして何しろ、デジタルの手段では無料で済むところ、一枚63円もかかる年賀状はなかなか財布に厳しいです。
ところで、担任によっては、年賀状に対する考え方でこんなふうに分かれるようです。

① 年賀状については気にしない派
学校宛てに児童から送られてきたら、始業式にお礼を言ってすませる。

② 年賀状を受け取って、年賀状で返信する派
学校か自宅の住所に年賀状が来たら、その日のうちに自分が作った一般的な年賀状を返信として送る。

③ 学級づくりの一環として、学級通信特別号として年内に児童住所に送る派
まず自分から全員に送る。児童からの返信はあってもなくてもよいと考える。

学校での虚礼廃止として、職員間も児童に対しても年賀状のやりとりを禁止する学校もあるようです。でも、わたしは、多少自腹を切ってでも、さまざまな効果を考えて、③を推奨します。それは、メリットがあるからです。

●メリット1 児童は、自分宛ての手書きのはがきが自宅に届くということは、めったにないです。元旦に担任のせんせいから年賀状が届くなんて、相当うれしいでしょう。

●メリット 児童は「自分のことを考えてくれているんだな」という強い信頼感を持ちます。

●メリット3 保護者は、わが子のことを長期休みの期間でも考えて、しっかり向き合ってくれているんだな、と安心感をもちます。

こんなメリットがあるならやらない手はないですよね。デメリットといえば、手間とお金ですが、メリットの方が多いでしょう。

さて、年賀状作成でこんな工夫をしてはどうでしょうか。

 年内に、「来年がんばること」を書かせて全員分(小さい文字になりますが…)を掲載する。集合写真を添えるのもいいですね。それから児童にどんな一年にしたいか自分が目指すことを「来年の一字」として事前に考えてもらい、「今年の一字」として載せるのもいいですね。
 4月から12月までの学級の足跡を文字や画像で振り返りながら、担任の3学期への抱負などを宣言する。
 30人の学級であれば、30文字で完成する文章を考え、一人に一文字ずつ「暗号」として送り、始業式に暗号解読をする。

「ことしはうさぎどし おおきくジャンプしてげんきにとびあがります」
これで楽しい年明けとなります!

年賀状の返事を書くことも、教育活動の一環として捉えることができます。児童に返信を書いてほしい場合は、書き方マニュアルとともに年賀状を一枚プレゼントして返信用に使ってもらうか、経費節減をするために、画用紙を配布しておいて年明けに担任に提出してもらうという方法もあります。いずれにしても、年賀状を学級づくりや書写指導、わが国の文化を伝えることに使うと一石三鳥ですね。なお、年賀状で児童の家に送る場合は、保護者宛のメッセージを一文付け加えることをおすすめします。ぐんと担任への信頼感、親近感が増します。

年賀状を出す時、個人情報保護の観点から担任の住所を公開しないで学校の住所を書いて年賀状を送るのがいいと思います。特に、賃貸で将来住所変更が予定されるのであれば、なおさらです。わたしは、自宅から引っ越すことはないので、自宅住所を公開していますが、そのためたまに昔の教え子から年賀状のはがきが届くことがあります。大学入学の報告、就職の報告、結婚や出産の報告などなど…。人生の一時期をいっしょに同じ教室で過ごした児童の成長を遠くから応援できるのはうれしいことだなあと年のはじめに幸せな気分になります。アーノルド・ローベルの童話『ふたりはともだち』に出てきた、がまくん、かえるくんの気持ちがよくわかります。

2 プリント処理

終業式後、児童が教室を離れたら、プリント類の整理をします。年末は、4月から使ってきたり、配布してきたりしたプリント類の余りがダブつき、あふれ出してくる時期です。紙類は年末に整理しておきたいです。まず、教室じゅうからいらないプリントをかき集めて広げてみます。とりあえず分類ですね。

 多めに印刷したプリントを、次年度も流用できるもの、そうでないものにサイズごとに分ける
 いらないプリントの中で、裏面が使え、状態のいいものをサイズごとに整理して残す
 裏も使えないものは、リサイクルに出すか、捨てる

プリントだけでなく、掲示物も古くなったものを処分したり、配置を変えたりしながら整えましょう。これで、ばっちり教室が生き返ります。新年でリニューアルするのも悪くないですね。
さらに、3学期は何かと忙しく、特に6年生はタイムリミットが迫っています。そこで3学期の活動を想定し、3学期に使うプリントを前もって作成・印刷しておきたいです。学級通信や保護者宛の文書なども、あらかじめ下書きを進めておき、発行直前に最終チェックをして完成度を高めるようにすると楽ですよ。学級通信の最終号までナンバーをふって、時候の挨拶などだけでも入れておくと、将来の作業の見通しを立てる意味でも良いですね。

さて、プリント整理などの教室整備が終わったら、ついでに黒板に児童向け新年のメッセージを書き込んでおきましょう。イラストやレタリングも取り入れて、すてきなメッセージにしてください。絵心のある人は、カラーチョークでチョークアート風に仕上げてみるのもいいですね。

3 大掃除大作戦

FIFAワールドカップカタール2022では、日本代表チームが大活躍しました。正々堂々と世界とわたり合う姿は、わたしたち日本人に勇気と希望を与えてくれました。そして、試合後にとったわが国のサポーターのゴミを片づける振るまいは世界から称賛を浴びました。
Jリーグや野球の試合などで、多くのファンたちが率先してゴミを片づける姿を、国内でもよく目にします。これはわが国の精神文化の問題で、学校では清掃活動を教育の一環として位置づけてあり、すべての日本国民が当たり前のように身につけているのかも知れません。
そしてワールドカップでは、選手達のロッカールームは、きれいに片づけられ折り鶴とともに感謝のメッセージカードがおいてあったというエピソードは世界中を感動させました。折り目正しく、感謝の気持ちを忘れないこと。大切にしていきたいですね。
ところで平安時代の宮中では「すす払い」と言って、12月に一年のすすをキレイにして、新たに歳神様を迎えるという行事があり、それが後世の大掃除になったそうです。大変おめでたい行事だったのですね。
教室でも児童とともに大掃除をし、新しい年を迎えたいものです。
日常の教室掃除ではなかなか手が回らないところもあります。こんな場所です。

校内放送のスピーカーの上
黒板の上枠の上
高窓(窓拭き)
一人ひとりのロッカーの中(隅々まで)
引き戸のレール
大型テレビ(モニター)の裏側
CDラジカセなどの音響機器
教室備品の機器(教材提示装置・書画カメラ等)
コンセント周辺
天井

などなど…。特に電子機器などは、こういった機会でなければ、なかなかできないです。
わたしは、以前視聴覚関係の主任を任されていました。各教室でテレビの裏側にゴミがたまっていたり、チョークの粉まみれになっていたりしていて、機器類がかわいそうでした。このままでは故障しかねません。
そこで、各教室に行って、黒板の粉にまみれている電子機器をすべてきれいにしようとしました。
「ヨーダAV機器クリーンセンターです。お掃除サービスに来ました!」
と教室訪問で嫌がられないように笑顔の軽いノリで作業を始めました。すべてエアダスター、拭き取りなどをして埃と黒板の粉をとりました。機器類から、「ぼくをきれいにしてくれてありがとう」という声が聞こえてきた気がしました。このボランティア活動で担任の皆さんも機器のクリーン&メンテナンスを少しは意識するようになってくれたようです。
児童とともに大掃除をした後、1年間お世話になった教室へのお礼の意味をこめて、担任としてしっかり大掃除に取り組むのもいいのではないでしょうか。新しい年に福の神がきてくれることでしょう。

イラスト/したらみ

【参考図書】
「教育技術 小五小六」(2019年12月号)(小学館)


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山田隆弘(ようだたかひろ)
1960年生まれ。姓は、珍しい読み方で「ようだ」と読みます。この呼び名は人名辞典などにもきちんと載っています。名前だけで目立ってしまいます。
公立小学校で37年間教職につき、管理職なども務め退職した後、再任用教職員として、教科指導、教育相談、初任者指導などにあたっています。
現職教員時代は、民間教育サークルでたくさんの人と出会い、さまざまな分野を学びました。
また、現職研修で大学院で教育経営学を学び、学級経営論や校内研究論などをまとめたり、教育月刊誌などで授業実践を発表したりしてきました。
『楽しく教員を続けていく』ということをライフワークにしています。
ここ数年ボランティアで、教員採用試験や管理職選考試験に挑む人たちを支援しています。興味のあるものが多岐にわたり、さまざまな資格にも挑戦しているところです。

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