小4国語「ウナギのなぞを追って」板書の技術

今回の教材は、説明文でよく知られる「ウナギのなぞを追って」です。この説明文を通して、自分が興味をもったことを中心に文を書いて紹介するという学習活動です。そのなかのおおまかな文章構成と「初め」「終わり」の内容を捉え、「中」を2つに分けることと「中の1(前半)」を読み、第1段階の予想と調査の内容を捉えることの手がかりとなる板書の工夫を紹介します。
監修/京都女子大学附属小学校特命副校長・吉永幸司
執筆/埼玉県公立小学校教諭・小澤綾華(せせらぎの会)
単元名 きょうみをもったことを中心にしょうかいしよう
教材名 「ウナギのなぞを追って」(光村図書 4年)
目次
単元の計画(全9時間)
第一次 学習計画を立て、学習の見通しをもつ。(2時間)
1 教材文を読んで、自分の興味をもったところを中心に感想を書く。
2 感想を伝え合い、学習計画を立てる。
第二次 調査の内容を読み、興味をもったことを中心に紹介する文章を書く。(6時間)
3 おおまかな文章構成と「初め」「終わり」の内容を捉え、「中」を2つに分ける。
4 「中の1(前半)」を読み、第1段階の予想と調査の内容を捉える。
5 「中の2(後半)」を読み、第2段階の予想と調査の内容を捉える。
6 「もっと読もう」を読んで興味の中心をはっきりさせる。
7 大事な言葉や文を書き出し、文章の組み立てを考える。
8 興味をもったことについて要約し、感想を加えて紹介する文章を書く。
第三次 紹介する文章を読み合い、感想を伝え合う。(1時間)
9 一人一人ちがう感じ方に気付きながら、感想を伝え合う。
板書の基本
〇文章構成や時間の経過を捉えやすくする板書
「ウナギのなぞを追って」は、文章が長いため、キーワードを押さえ、調査の内容を表に整理して板書します。表にまとめることで、「初め・中・終わり」の文章構成を捉えやすくし、「中」の内容をわかりやすくします。
調査の年代は、順を追って板書し、時間の経過や長年にわたる調査とその結果をわかりやすくします。また、レプトセファルスの大きさの数値を板書することで、体長の変化(成長)に着目しやすくします。子供たちに研究者の情熱に気付かせるとともに、一人一人の興味や関心につなげることができます。
〇調査の様子を理解しながら読み進めていくことができる板書
一般的に調査報告文は「調査(実験)と結果」がくり返されながら書かれています。本教材は、さらに「予想」を加えた構成となっており、調査の様子がくわしく書かれている「中」のまとまりを整理する板書では、矢印のカードを活用します。そうすることで、隊員たちが調査の目標に向けて「予想」と「調査(結果)」をくり返しているということを捉えやすくします。
〇教材文と資料のつながりを捉えやすくする板書
教材文と資料を対応させながら、調査の内容をより捉えやすくするために、レプトセファルスの模型を作ります。教科書の資料(図3)と同様の地図を拡大して黒板に貼り、レプトセファルスの模型を実際に動かします。上流に進むほど小さくなっていくことが可視化できます。
また、船や海流の動きを矢印で書き込み、調査の様子をより把握しやすくします。