教室が笑顔になる11月のラッキーアイテム「実物!ノート紹介」

連載
教室が笑顔になる!今月のラッキーアイテム

愛知県公立小学校教諭

八神進祐

今回紹介するのは、自主勉強のノートや工夫が見られる教科ノートを掲示する「実物!ノート紹介」。学びの共有ができる以外にも、友達の良さを発見するきっかけにもなります。クラスが荒れがちになる11月こそ、こうした取り組みで学びへの姿勢を子供たちに再確認させ、落ち着いた学級経営を目指したいものです。

執筆/愛知県公立小学校教諭・八神進祐

11月のラッキーアイテム
「実物!ノート紹介」

11月は、同じクラスで学ぶ仲間の学び方を紹介・共有するアイテム「実物!ノート紹介」がおススメです。教材などを梱包する際に使用されているプラスチック製の結束バンドを、写真のように四つ角に設置して完成です。各教科のノートや自主勉強ノートなどの実物を掲示しましょう。

Point1 学びの共有化を図る

授業でノートを確認する際に、プラスの声かけをする場面はよくあると思います。

「丁寧に書けているね」

「定規を使っていてエラい!」

「この余白があって見やすいノートだなあ」

これらの「よさ」を「実物!ノート紹介」で取り上げます。恥ずかしがる子もいると思うので、子供の許可を得る必要があります。私たち教師は子供たちのノートを目にする機会が多いですが、意外に子供同士は、そのような機会がありません。学び方には個性がありますので、あくまでも参考程度ということを伝えて、子供たちが気軽にノートを見られる場をつくります。そして、

「いいな、取り入れてみたいなと感じるところがあれば、どんどん真似していきましょう」

と声をかけます。すると、

「僕も、○○君の真似をして吹き出しをつけてみたよ。ありがとう!」

など、学びを共有し合う姿が見られるようになります。せっかく同じ教室という空間で共に学ぶのですから、その利点を生かさない手はないと私は考えます。

Point2 紹介希望者、大募集!

「僕のノートを紹介して!」「私のも!」という子が増えてくることもあります。その際は、次のように声をかけると効果的です。

「友達のノートで、これいいな!を発見したら、ぜひ先生に紹介してほしいです」

すると、子供たちは自分がよいと思った友達のノートを見せに来てくれるはずです。そのノートをクラスのみんなに

○○君がいいなと思った△△さんのノートです。たしかにこの色使いは補色になっていて比較しやすいですね

と紹介することもできます。友達のよいところを見つけようとする行動に、次第に子供たち同士のつながりも強化されていくでしょう。

紹介するときは「紹介される子の偏り」がないように注意する必要があります。どの子のノートにも素敵な学びの視点があります。そこを教師が率先して見つけ紹介することで、子供たちは友達のよいところに自然と目が行くようになっていきます。

特別イベントとして、高学年の子のノートを貸してもらって、「実物!ノート紹介」で掲示しても面白いです。子供たちは、お姉さんお兄さんのノートに興味津々です。またつながりも生まれます。

今回、汎用性の高い「実物!ノート紹介」のお話をさせていただきました。実践していて思うのは、やはり本物には力があります。「学びのリアル」を感じます。ぜひ皆さんの学級でもお試しください。

八神進祐先生
八神進祐先生

八神進祐(やがみしんすけ)●1988年、愛知県生まれ。愛知教育大学卒業。教育サークルMOVE代表。子どもたちの“ありのまま”を大切にした教育実践に取り組んでいる。
著書「今すぐ真似したくなる教室のひみつ道具図鑑」、教育論文入賞多数、第5回・第7回「全国授業の鉄人コンクール」優秀賞、フォレスタネットグランプリ初代MVP。
YouTubeでは小学館「みんなの教育技術」より、授業力アップ動画を、Twitterでは「だいじょーぶ先生」(@teacher16694123)としてアイデア溢れる教育実践を発信中。

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