【相談募集中】産休に入るのですが、保護者が理解してくれません
産休することを保護者の一人がなかなか理解してくれないと、「みん教相談室」に相談が寄せられました。これに回答したのは、みん教の音声番組・ミサエラジオでの愛情深いポジティブトークで人気の佐賀県公立小学校教諭・小倉美佐枝先生。その内容をシェアします。
目次
Q. 産休に入るのですが、1人の保護者から理解が得られません
公立小学校で2年生の担任をしています。今、妊娠中で1学期末から産休に入ります。子供たちや何人かの保護者は理解してくれているのですが、1人だけ、「理解できない。あり得ない」とおっしゃってくる方がいます。担任が途中で代わるのは親として心配なのは分かりますが、何度も非難されなくてはいけないことなのでしょうか。
また、この方は、指導法やクラスの雰囲気、子供たちの様子など、事あるごとにクレームを入れてきます。至らないところは反省し、改善するようにしていますが、あまりに多いので何でも非難したい方なんだ。と割り切るようにしようかと思うのですが、それでいいのでしょうか。(まっちゃん先生・20代女性)
A.学年が上がり、初めてのことばかりに不安が募っていらっしゃるのでしょうね
とてもおめでたいお話ですね。ご妊娠おめでとうございます。ご家族が増えて、さらに幸せが広がることを心からお祝い申し上げます。このような状況下で、ご自身の体のことで不安や心配も多いことと思います。まずは、あなたには、健康第一でいていただきたいです。
私がこのご相談の文面を読み、感じたことをお伝えしますね。
「2年生」の担任なのですね。実は、2年生こそ、心配が増えていきます。初めての学級編成、また新しい先生、友だち、クラスメートとの出会いがありました。学習内容も、1年生のときと比べるとぐんと増え、難しさも増します。その学年を上がる経験については、2年生の子供たちも保護者の方々も「初めて」です。
担任の先生の妊娠や育休に限らず、その保護者の方は不安と心配が募っていらっしゃるように感じます。あくまでも、先生の妊娠は、不安のきっかけのひとつだったのかもしれません。現在の状況下では、不安は募ることが多いのではないでしょうか。
1年生のとき、感染症予防対策が必須の状態での小学校生活は、保護者の方にとっても、経験したことのない新しい形だったと思います。その1年間も、想像していたような学校生活ではなかったかもしれません。
そこで、私からの提案です。ぜひ、産前休暇に入るまで、お体を大切にしながら、学級の子供たちに一生懸命向き合ってください。いいところ、がんばっているところ、うまくいかなくても一生懸命取り組んでいるところなど、子供たちの成長する姿を、保護者の方々に伝え続けてほしいなぁと思います。
そして、保護者の方からのご意見やご要望についての「窓口」や「対応」を担任の先生ではなく、管理職の先生にしましょう。担任の先生が産休に入った後も、学校として、2年生の子供たちを大切にしていくことを伝えるために、ぜひ、「学校」として対応した方がよいと思います。
保護者の方にとって、学校や子育て等に不安や心配があることもあります。そのようなときは、スクールカウンセラーや養護教諭と連携することをおすすめします。少しでも安心していただけるような体制づくりができたらいいですよね。どのようなことも、「担任ひとり」で抱えないことです。学校でのことは、学校全体で把握し、考え、対応していくことです。
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。