「漢字算」で数える力を伸ばそう【漢字コグトレ #4】課題シート付
4回目の今回は「数える」力を伸ばすトレーニングのなかの〔あいう算〕の漢字版である〔漢字算〕にチャレンジしましょう。「コグトレ」とは、宮口幸治先生たちが開発した「コグニティブ(認知)機能」を高めるトレーニングのことで、身体面、学習面、社会面の3方面から包括的にトレーニングする特徴があります。本連載では、学習面のトレーニング(認知機能強化トレーニング)を基に、図形や記号、数字などを漢字に置き換え、漢字に特化した「漢字コグトレ」を紹介します。
監修/立命館大学教授・宮口幸治
目次
「認知機能強化トレーニング」とは
コグトレの認知機能強化トレーニング(→詳しくは連載第1回を参照)は、以下の表のように「覚える」「数える」「写す」「見つける」「想像する」の合計5つの分野をターゲットとしたトレーニングから成り立っています。
今回は、「数える」のなかから、〔あいう算〕の課題を紹介します。
このトレーニングは、記憶しながらすばやく計算することで注意力と処理速度の向上をめざします。また、短期記憶の力、答えの写し間違いなどうっかりミスを減らす力を養うことにもつながります。「数える」のなかから〔あいう算〕の漢字版〔漢字算〕に挑戦しましょう。
小学3年生で習得する漢字や小学4年生で習得する漢字を中心に使っています。漢字力を養うことにもつながります。また、漢字を習得していない低学年は、ひらがなやカタカナを使ってもできるので、ぜひ、試してみてください。
〔漢字算〕にチャレンジ!
ねらい
短期記憶の力、答えの写し間違いをしない力、うっかりミスを減らす力を養います。
進め方
1 スタートの合図で、上段の右側の計算問題の答えを覚えます。
2 上段の左側の下線が引かれたひらがなを漢字に置き換えてイメージします。
3 下段にある計算問題の答えを選び、その横の( )に対応する漢字を書きます。
※なかなか覚えられない場合は、最初は声を出しながら、( )に対応する漢字を書いてもよいでしょう。
※基本的な取り組み時間は5分ですが、子どもに合わせて設定してもよいでしょう。
※計算の答えを覚えながら漢字を書くことを目的にしていますので、余白に漢字や計算の答えを書かないように最初に伝えておきましょう。
漢字算シート
※①②の順に難易度アップ!
〈課題シートの答え〉
①5( 笛 ) 9( 秋 )( 遊 ) 11( 箱 ) 13( 研 ) 15( 追 )
②5( 群 ) 9( 試 ) 11( 伝 ) 12( 好 ) 13( 香 ) 15( 景 )
授業の進め方
進め方は以下の手順を参考にしてください。※詳しくは『子どもの認知能力をグングン伸ばす!マンガコグトレ入門』(小学館)をご覧ください。
宮口幸治(みやぐちこうじ)
立命館大学教授 一般社団法人日本COG-TR学会代表理事
京都大学工学部を卒業し建設コンサルタント会社に勤務後、神戸大学医学部を卒業。児童精神科医として精神科病院や医療少年院に勤務、2016年より現職。困っている子どもたちの支援を行う「日本COG-TR学会」を主宰。医学博士、子どものこころ専門医、日本精神神経学会精神科専門医、臨床心理士。著書『ケーキの切れない非行少年たち』(新潮新書)が大ベストセラーになる。
取材・文・構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ
出典:『コグトレ みる・きく・想像するための認知機能強化トレーニング』(三輪書店)、『1日5分! 教室で使える漢字コグトレ 小学1~6年生』(東洋館出版社)
『子どもの認知能力をグングン伸ばす! マンガコグトレ入門』(小学館)
子どもの認知能力をグングン伸ばす! マンガコグトレ入門
教室を舞台にしたマンガでコグトレの進め方を楽しく具体的に紹介しています。「コグトレを取り入れたいけれど、何からどのように始めたらよいかわからない」という方にもピッタリの1冊です。「コグトレ」の代表的な50種のトレーニングのねらいや進め方・ポイントなどを、マンガを交えて易しく解説。紹介する課題のワークシートはすべてダウンロード可能。
A5判/224頁
ISBN9784098402182