小2国語「おもちゃの作り方をせつめいしよう」指導アイデア
教材名:「おもちゃの作り方をせつめいしよう」(光村図書二年下)
指導事項:〔知識及び技能〕(2)ア 〔思考力、判断力、表現力〕B(1)ア
言語活動:ア
執筆/福岡県公立小学校教諭・土居結緯
編集委員/文部科学省教科調査官・大塚健太郎、福岡県公立小学校校長・山﨑千歳
目次
単元で付けたい資質・能力
①身に付けたい資質・能力
本単元では、事柄の順序に沿って簡単な構成を考えて、書く力を育成します。
②言語活動とその特徴
本単元では、「一年生に分かりやすい説明書を書く」という言語活動を位置付けます。これは、生活科『うごくうごくわたしのおもちゃ』との関連を図ったものです。おもちゃを作って、一年生と遊んだ経験を基に、説明書を書きます。
「一年生にも作って楽しんでもらえるように」と相手や目的を明確にし、おもちゃ作りの経験を想起しながら、分かりやすい説明書を書くことにつなげます。
分かりやすく書くためには、文章のはじめから終わりまでを、内容のまとまりごとにいくつかに分けて配置することと、順序よく示されていることが求められ、教材文『馬のおもちゃの作り方』から、「材料と道具」「作り方」「楽しみ方」のまとまり、順序を表す言葉、絵や写真などを使うなどの説明の工夫を読み取り、文章の組み立てを考え、書くことにつなげます。
そうすることで、本単元でねらう「自分の思いや考えが明確になるように、事柄の順序に沿って簡単な構成を考えること」の力を育成することができます。
単元の展開(8時間扱い)
主な学習活動
第一次(1時)
①生活科のおもちゃ作りや、おもちゃで一年生と一緒に遊んだ経験を想起し、「一年生に分かりやすい説明書を書こう」という学習課題を設定し、本単元のめあてと計画を決める。
【学習課題】一年生に分かりやすいせつめい書を書いてプレゼントしよう
第二次(2~7時)
②説明するおもちゃを決め、必要な材料や道具を書き出す。
③『馬のおもちゃの作り方』と『けん玉の作り方』で見付けた「分かりやすい説明の工夫」を活用して、文章の組み立てを書く。
④〈作り方〉の説明の順序を考える。
⑤「分かりやすい説明の工夫」を活用して、説明する文章を書く。
※前書き・〈ざいりょうとどうぐ〉〈作り方〉〈楽しみ方もしくは遊び方〉
→アイデア1 主体的な学び
⑥友達と読み合い、一年生によりよく伝わるようにアドバイスし合う。
→アイデア2 対話的な学び
⑦前時のアドバイスを基に、書き直しや書き加えをする。
→アイデア3 深い学び
第三次(8時)
⑧友達と完成した説明書を発表し、感想を交流して、表現のよさや学びを実感することができるようにする。
アイデア1 単元を見通した相手意識・目的意識の共有と、書くことを支えるポイントの活用
まず、「一年生におもちゃの作り方がよく分かるように説明書を書こう」と相手意識と目的意識をもたせます。さらに、分かりやすい説明書を書くために、教材『馬のおもちゃの作り方』、『けん玉の作り方』でまとめた「分かりやすい説明の工夫」を掲示し、書く活動で活用できるようにします。
教材文を読んだ足跡の掲示物を活用することで、「まとまりごとに並べてみよう」や「順序よく書こう」と、分かりやすく説明書を書こうとする子供たちの意識を継続することができます。
また、作り方の工程ごとに、短冊カードを分けて書くようにします。その際、「作り方の順序が分かるには、どの言葉を使うといいかな」と順序を意識できるように問いかけます。
これらの手立てにより、単元を通して自己評価を繰り返しながら説明書を書くことができ、学習に対して自己調整する「主体的な学び」につながります。
▼書き方のポイント
▼短冊カード
「作り方」を書いてみましょう。どんな工夫がありましたか。
「まず」「つぎに」などの順序が分かる言葉を使います。作るとき、一番最初に牛乳パックを切ったから、「まず」の言葉を使うといいんだね。
アイデア2 より分かりやすく書くために練り合うペア学習
自分が書いた作り方が一年生に分かりやすいものになっているか、自分の短冊カードをペアで読み合い、話し合います。話合いの際は、見直しのポイント(数・大きさ・長さ・場所・様子を表す言葉・気を付けること・上手く作るコツなど)を掲示し、それを基に、「自分や友達の短冊カードには、そのポイントがあるか」と確認します。
イラスト/横井智美
『教育技術 小一小二』2021年10/11月号より