【相談募集中】新任先生のクラスが学級崩壊、講師として何ができる?
新任先生のクラスを講師としてサポートしているという先生から、「みん教相談室」に相談が寄せられました。このクラスが学級崩壊を起こし、どうすればよいか悩んでいるそうです。ここでは教育アドバイザー 多賀一郎先生からの回答を紹介します。
目次
Q. 学級崩壊しているクラスを講師としてどうサポートすれば?
36歳の新任先生が担任する4年生のクラスに、5月から入っている非常勤講師です。学級崩壊しています。指示が通りません。厳しく指導ができなくて、役に立っていないと感じる毎日です。アドバイスをお願いします。(ほたる先生・50代女性)
A. 子供が楽しめる授業ネタや本の読み聞かせを取り入れてみては
学級崩壊が起きてしまっているのですね。新任の先生が崩壊を起こすことは、もはや稀ではありません。どのような経緯で崩壊に至ったのかが分からないので、いくつかのケースで考えたいと思います。
4月から新任の先生が学級づくりを失敗している場合
これは立て直すのが難しいですね。おそらく教室には笑顔が少なくなっているのではないでしょうか。授業のテンポを見直すことが必要ですが、なかなかそれは難しいことです。
ですので、45分間をモジュールの形(5分、10分、30分と三つぐらいに授業を分ける)にして、5分、10分のところに子供が楽しくなるようなネタを仕組むのです。ネタは、以下のような本を参考にしてみてください。
【参考資料】
■社会科授業がどんどん楽しくなる仕掛け術 どの子も社会科好きになる授業ネタ&アイデア(佐々木潤著/明治図書出版)
■教室で家庭でめっちゃ楽しく学べる国語のネタ63(中村健一・多賀一郎共著/黎明書房)
■ワッとわく授業の上ネタ あなたがつくる算数おもしろ授業 小学1~3年 (何森真人 編/フォーラムA)
ネタになる参考資料はいくらでもありますから、そこから真似してみたらいいのです。授業の中に少しでも楽しいなぁ、面白いなぁと思える瞬間があると、かなり違ってくることでしょう。
教室の「あの子」に振り回されている場合
このパターンはとても多いのですよ。全国で若い先生方が困って落ち込んでいます。特に問題行動のある「あの子」とあなたが真剣に向き合って、その子の思いをくみ取ることができたら、少しは落ち着いてくるでしょう。
このほか、教室を落ち着かせる手立てとして、絵本の読み聞かせをおススメします。朝の会などで絵本を読み聞かせてスタートすれば、少し落ち着いたムードが生まれます。絵本の読み聞かせは、思った以上に効果的です。
【参考資料】
■一冊の本が学級を変える(多賀一郎 著/黎明書房)
それから、新任の先生のメンタルにも気をつけてあげてください。おそらく、何が何だかわからないままに、ここまで来てしまったという感じなのでしょう。
その先生が笑顔になれることを考えてあげてはどうですか。とてもそんな余裕はないかもしれませんが、新任で学級崩壊しても、立ち直って立派にやっていらっしゃる先生は、たくさんおられます。新任先生がこの局面を乗り越えられるよう、ほたる先生が支えてあげてください。
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。