「わたしだけのオリジナル研修」で教師力を高めよう!

わたしが若かりし頃、夏季休業期間中はなかなか休みをとることができなかったのですが、働き方改革が進行し、だいぶ休みをとることができるようになってきました。せっかくの休みですから、リフレッシュしていきたいものです。それと同時に日頃できないことに取り組むことができるのも夏季休業の魅力です。教員向けの夏期講座、セミナーなどで毎年開催されているものもあり、毎年「これだ!」と1つにしぼり受講するのが楽しみになっているという方もいます。コロナ禍でオンライン研修も増えてきていますが、実際にライブで受講する機会があれば一層学びも深まることと思います。
また、定型化されたセミナーもいいですが、日頃自分が学んでみたいテーマにじっくり取り組むこともいいものです。自分の専門性を深め、授業づくりのスキルを高めていきたいものです。今回は、そのためのヒントを紹介していきます。
【連載】マスターヨーダの喫茶室~楽しい教職サポートルーム~

目次
1 研修の必要性
大学での教育法規関連の講義や免許取得の講座、教員採用試験準備の学習で教育法規を学んだと思います。教育法規は採用試験や任用試験などの折に確かめるぐらいで、日頃は意識していないわけですが、あらためて『教員の研修』に関する規定を見てみましょう。
教育基本法第9条には、「法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。」と明記されています。わたしたちが、いつも使っている「研修」は、「研究」と「修養」という2つの考え方の略語として位置づけられています。でも、実際的には校内研究会、公開研究会として、「研究会」は、いたるところで実施されているものの、「修養」ということで、「修養会」というものはほとんどありません。
一般の公務員の規定としては、地方公務員法第39条「職員には、その勤務能率の発揮及び増進のため、研修を受ける機会が与えられなければならない。」という条文があります。比べてみると教員は、「努めなければならない」と規定され自ら学び自分を高めることが強く求められていることがわかります。
教員に課せられた研修、そのうち「研究」には余念がありませんが、なかなか「修養」にはいたっていないことを考えると、夏季休業期間中に「修養」というものを考えてみるのもいいことかもしれません。
2 日常のふとした瞬間に
毎日授業をしている中で、ふと、あれ?これはどうなっているんだろう?とか、もう少しこのことを勉強してみたいなと思うことがあると思います。そして、校内研究をする中で疑問に思ったことで、校内ではなかなか解決しないなあと感じることもあります。さらには、テレビなどを見ていて、これを授業に使うことができないかなと深く考えることがあります。そして、うわあこんな生き方がしてみたい、どうしてこんな考え方ができるのだろうかと感激することもあります。「ひと」のすばらしい生き方に触れることもあります。
でも、なかなか学びにつながらないのが現実です。そこで、こういった疑問やネタをノートやメモ帳に書いておくことが大切です。走り書きでいいのです。メモを書きためておいて、あとで見直し整理してみましょう。そうするとこの中でいちばん学びたいことは何なのかなとランキングが出てきます。このランキングを大切にしておきたいです。いつか学ぼう、いつか調べようとあたためておきます。この課題意識がとても重要です。
最近では、書籍やネットでだいぶ学ぶことができるようになってきましたが、体験しなければ学べないことも多いです。児童生徒の生活科や総合的な学習などで体験的に学んだことはずっと残っていきます。それと同じで、わたしたちが、このランキング上位のものから体験的に取り組むことを大切にしていきたいです。それができるのは夏季休業期ではないでしょうか。夏季休業期は、まさに学びの時期と言えます。