小3外国語活動 Unit 3「How many?」指導アイデア
文部科学省視学官の監修による、小3外国語活動の授業案です。1人1台端末を活用した活動のアイデアも紹介します。今回はLet’s Try! 1 Unit 3「How many? 数えてあそぼう」の単元を扱います。
執筆/沖縄県公立小学校教諭・平良 優
監修/文部科学省視学官・直山木綿子
目次
単元と活動
How many? 数えてあそぼう(Let’s Try! 1 Unit 3)
単元の目標
クイズ大会をするために、相手に伝わるように工夫しながら、1から20までの数について尋ねたり答えたりして伝え合う。
単元の評価規準
●知識・技能
1から20までの数やHow many?などの語句や表現を用いて、数について尋ねたり答えたりすることに慣れ親しんでいる。
●思考・判断・表現
クイズ大会をするために、相手に伝わりように工夫しながら、1から20までの数について尋ねたり答えたりして伝え合っている。
●主体的に学習に取り組む態度
クイズ大会をするために、相手に伝わりように工夫しながら、1から20までの数について尋ねたり答えたりして伝え合おうとしている。
教材
- 『Let’s Try! 1』(児童用テキスト・デジタル教材)振り返りカード
授業のポイント
本単元では、How many? を用いて、ものの数え方について学習します。20までの数を扱いますが、機械的にくり返すのではなく、言語活動を通して学んでいくことが大切です。また、日本と外国の数の言い方や数え方の共通点や相違点に気付かせたり、日本語にもいろいろな数え方があることに気付かせたりすることも大切です。
ものの数え方の学習を通して、コミュニケーションの楽しさを味わい、言語への興味を高めることができるようにしていきましょう。
「1人1台端末」活用のポイント
第1時で数を用いたミッシングゲームを、Jamboardを使ってペアで行います。1から20までの数の中から2つの数をマークに移動させ見えないようにします。そして、What’s missing? と尋ね、Twelve and twenty. のように答える活動です。
第4時では、Jamboardの動物のイラストを用いて、How many cats? やHow many dogs? のように尋ね合うクイズ大会を行います。複数の動物のイラストを自由な配置で並べることで、指定された動物を一生懸命に数える活動になります。また、フレームを30秒程度のみ見せ、How many cats? などと尋ねる活動も効果的です。活動の最後は、Let’s count together! と言い、出題者と回答者で共に数えて、数を確認するとよいでしょう。
単元計画
↓クリックすると単元計画表が表示されます。
授業の流れ(全4時)
第1時
1.挨拶
Let’s start English class. Hello!
2.身の回りの物の言い方を知る
教師の筆箱の中身を見せ、What’s this? と問いかけ、Oh, a pencil. などと言って紹介する。また、児童の机の上にある消しゴムを指し、What’s this? と問いかけ、Oh, an eraser.と紹介する。このようなことをくり返しながら、身の回りの物の英語での言い方に出合わせます。
3.いくつあるかな?
児童用テキストp.10-p.11を開かせ、What’s this? と問いかけたり、What can you see? と尋ねたりし、誌面にある物や数の言い方に出合わせます。1から10までの数については、普段の生活の中で慣れ親しんでいることが多いため、児童は英語で答えてきます。しかし、11から20までの数については、普段の生活の中で慣れ親しむことがないので、日本語で答えてきます。その場合は教師が英語で返すことで、数の言い方に出合わせるようにします。学級の実態に応じて、第1時では1から10、第2時では11から20の数を扱うというように、段階的に行うことも考えらます。
What’s this?
Apple.
How many apples? One? Two?
Two apples.
4.【Let’s Sing】(p.10)“Ten Steps”
何度かくり返し聞かせ、慣れてきたら口ずさむように声かけします。
Please listen carefully. Let’s sing a song.
5.ポインティングゲーム
児童用テキストp.10-p.11を囲むように描かれている1から20までの数から、教師の言う数を指す活動です。教師がFourteen.と言うと、児童もFourteen.と復唱してからその数を指すという流れで行います。
6.ミッシングゲーム *1人1台端末活用
1から20までの数の中から2つの数(例えば12と20)を、Jamboard上のマークに移動させ、見えないようにし、What’s missing? と尋ね、Twelve and twenty.のように答える活動を行います。
7.振り返り
振り返りカードを記入し、共有します。
Reflection time.
第2時
1.挨拶
Let’s start English class. Hello!
2.いくつあるかな?
児童用テキストp.10-p.11を開かせ、第1時で扱わなかったイラストを、What’s this? と問いかけたり、What can you see? と尋ねたりし、誌面にある物や数の言い方に出合わせます。
What’s this?
Tomato.
How many tomatoes? One? Two?
Thirteen tomatoes.
OK! Let’s count together. One, two, …… thirteen!
Yes! Thirteen tomatoes!
3.【Let’s Sing】(p.10)“Ten Steps”
全員で元気よく歌いましょう。
Let’s sing a song.
4.【Let’s Play ①】(p.11)おはじきゲーム
児童用テキストp.10-p.11を囲むように描かれている1から20までの数から、児童は5つ程度選び、その上におはじきを置きます。
教師がランダムに数を言い、教師の言った数の上におはじきがあれば、児童はおはじきを取ることができます。5つのおはじきをすべて取ればあがりとなる活動です。
Put five ohajiki on the numbers.
OK!
Let’s start.
“No.10.”
あった~!(おはじきを取る)
5.【Let’s Play ②】(p.12)じゃんけんゲーム
1回目は、教師とじゃんけんをして、その結果を誌面の表に「○(勝ち)、△(あいこ)、×(負け)」と記入します。じゃんけんを10回行った結果を記入させた後に、How many circles? How many triangles? How many crosses? と尋ね、○、△、×の数を答えさせます。
2回目は、ペアでじゃんけんをして、その結果を表に記入します。1回目と2回目の結果を合わせて、How many circles? How many triangles? How many crosses? と尋ね、○、△、×の数を答えさます。
Let’s do jyanken. Rock-paper-scissors, one, two, three.
<じゃんけん後>
How many circles?
Five circles.
Seven circles.
6.【Let’s Chant】(p.13)“How many?”
何度かくり返し聞かせ、慣れてきたら口ずさむように声かけをします。
Please listen carefully. Let’s chant together.
7.【Let’s Play ③】(p.13)How many apples? クイズ
デジタル教材の画面に映し出されるものについて、数を尋ねたり答えたりするクイズを行います。児童の数えたいという意欲を高めるための工夫として、画面を1~3秒間だけ見せ、How many ~?と尋ね、数を予想させた上で、再度、画面を見せて全員で数を数えて確認するという方法もあります。
8.振り返り
振り返りカードを記入し、共有します。
Reflection time.
9.挨拶
第3時
1.挨拶
Let’s start English class. Hello!
2.【Let’s Chant】(p.13)“How many?”
Let’s chant together.
3.【Let’s Watch and Think】(p.12)「映像を見て、どの国の数の言い方か、番号を□に書こう。」
まず、児童用テキストの誌面にある 6つの国旗から国名を確認します。そして、デジタル教材の音声のみを聞かせ、どの国の数なのかを予想させます。次に、映像を見せ、数え方の違いにも気付かせるようにします。
What country is this?
中国!
What is 中国 in English?
China.
That’s right!
Let’s Listen.
OK!
What country? Please, write the number.
本活動では、韓国語と中国語では 「3」の発音が「サン」と日本語に似た発音であることや、日本語でも「4」を「し」「よん」、「7」を「しち」「なな」、「9」を「きゅう」「く」と発音するなど、様々な数え方があることに注目させます。
4.【Activity ①】「好きな数だけりんごに色をぬろう。あなたと同じ数のりんごを持っている友達を見つけよう。」
児童用テキストp.13の誌面のりんご20個の中から、各々好きな数だけりんごの色を塗らせます。そして、教室内を自由に歩き回って、How many apples? と尋ね合い、同じ数のりんごを持っている友達を見つけさせます。
Please, color the apples as many as you like.
何個にしようかな?
Let’s ask your friends.
活動を2回に分け、1回目は1~10までの範囲内でりんごの色を塗り、2回目は11から20までの範囲内でりんごの色を塗る、というように段階的に行うことで、同じ数のりんごを持っている友達を見つける確率が上がり、達成感を味わうことができます。
5.振り返り
振り返りカードを記入し、共有します。
Reflection time.
6.挨拶
第4時
1.挨拶
Let’s start English class. Hello!
2.【Let’s Chant】(p.13)“How many?”
Let’s chant together.
3.【Activity ②】「好きな漢字を紹介し合おう」
1~20画の漢字の中で、各々好きな漢字を1つ考えさせます。その漢字を含めて、5つ程度の漢字をミニホワイトボードに書き、その中から画数をヒントに、自分の好きな漢字を当ててもらう活動です。
Hello!
Hello!
How many strokes?
Five!
「平」かな?
That’s right!
友達に画数を尋ね,友達が選んだ漢字を予想したり、答えを聞いて確かめたりするやり取りを通して、コミュニケーションの楽しさを味わわせましょう。
4.クイズ大会をしよう。*1人1台端末活用可
1から20までの数を用いたクイズ大会を行います。
布袋の中に鉛筆や消しゴム等を入れ、手の感触でいくつ入っているかを当てたり、ジャムボードのフレームのイラストの中から、指定されたものがいくつあるかを当てたりするなど、いろいろな活動が考えられます。本時までに、前もって児童たちにどんな活動をしたいかを考えさせ、準備をさせるとよいでしょう。児童たちの創意工夫で活動を充実させたいものです。
※布袋の中に入れるものは、児童が思うままに触っても危険がないものや、壊れないものにするなど、注意が必要です。
Let’s have a quiz time.
5.振り返り
振り返りカードを記入し、共有します。
Reflection time.
6.挨拶
教材ダウンロード
・小3 Unit3 第1時 ミッシングゲーム (Jamboard)
・小3 Unit 3 第4時「数えてあそぼう – How many cats?」(Jamboard)
※Google Jamboardは2024年12月31日にサービス終了します。
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イラスト/荻野琴美(オーデザインチャンネルズ)、横井智美