小6国語「私と本」「森へ」指導アイデア

教材名:「私と本」「森へ」光村図書

指導事項:〔知識及び技能〕(3) オ 〔思考力、判断力、表現力等〕C(1)オ・カ 
言語活動:イ

執筆/神奈川県公立小学校教諭・阿部真央
編集委員/文部科学省教科調査官・大塚健太郎、神奈川県公立小学校校長・丹羽正昇

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

読書を通して自分の考えが生まれること、友達と考えを共有することで自分の考えが広がる楽しさに気付き、日常的に読書に親しもうとする態度を育んでいきます。

また、本を読み、テーマを捉えて、自分がどうしてそのように考えたのか伝える力を育てることを目指しています。本のテーマを捉えるためには、印象に残った文や場面、作者の考えを複数見付けること、それらを関連付けて考えをまとめることが大切です。

②言語活動とその特徴

本単元では、「テーマを考えながら読み、本の紹介をする」という言語活動を位置付けます。テーマを考えるために、これまでの本との関わりを振り返り、複数の魅力を感じた文や場面、作者の考えを関連付けることが大切です。

また、「森へ」では、作者が実際に目にした自然の様子を表す豊かな表現と迫力のある写真から、原生林の世界を具体的に想像することができ、これまで知らなかった世界を感じることができます。

作者が見てきたことを具体的に想像する中で、印象に残った文や自分が魅力を感じた作者の考えを見付け、自分が捉えたテーマをまとめていきましょう。「森へ」を読むことを通して、新しいことを知ったり感じたりする楽しさを体験し、これまでに読んだことがなさそうな本を選んで紹介し、仲間と読書の世界を広げていきましょう。

単元の展開(5時間扱い)

主な学習活動

第一次(1時)

①これまでの本との関わりを振り返り、これまでに読んだことのある本をジャンルごとに整理したり、これから読んでいきたいと思う本について話し合ったりする。お互いが読んだことのない本を紹介したいという思いを高め、学習課題を設定し、学習計画を立てる。
→アイデア1 主体的な学び

【学習課題】おすすめのテーマの本を紹介し、お互いの読書の世界を広げよう。

第二次(2・3時)

②「森へ」を読み、自分が考えたテーマをカードにまとめる。

〈カード〉
■題名 ■作者名 ■テーマ
■印象に残った文や作者の考え そこから考えたこと

③「森へ」から自分が考えたテーマや魅力を感じた文、そこから自分が考えたことをグループで共有する。
→アイデア2 対話的な学び

第三次(4・5時)

④友達に紹介したい本のことをカードにまとめる。
→アイデア1 主体的な学び

⑤本を紹介し、友達が紹介した本やテーマの中から、次に読みたい本を考える。
→アイデア3 深い学び

アイデア1 自分と本との関わりを振り返り、一人一人が紹介したい本を選ぶ

主体的な学び

自分と本との関わりを振り返るために、本単元までに読書記録を付けたり、学校図書館の貸出記録を準備したりして、振り返りの資料を集めておくことが大切です。

▼読書記録

読書記録

読書記録を生かして本の振り返りを行います。ここでは、学級のみんながどのようなジャンルの本を読んでいるかまとめていきます。それを知ることで、お互いに読んだことのない本を選んで、紹介することができます。根拠を基に、自分でどの本にしようかと考えながら学習を進めるようにしましょう。

▼みんなが読んだ本をジャンルごとにまとめる

みんなが読んだ本をジャンルごとにまとめる

これまで、ノンフィクションの本を多く読んできたな。みんなは、あまり読んだことがないみたいだから、どの本を紹介しようかな。もう一度、本を読み返してみよう。

アイデア2 「森へ」を読んで、自分が感じたテーマ等をグループで共有する

対話的な学び

友達と対話することで、同じ作品を読んでも伝わる思いが異なることや、同じテーマでも魅力を感じた文や場面などが異なっていることに気付くことが大切です。そこからさらに、読書を通して、多様な考えを知ることや作品のおもしろさに気付くことができるようにしていきます。

「森へ」を読んで、自分が感じたテーマ等をグループで共有する

▼「森へ」を読んで感じたこと

「森へ」を読んで感じたこと

ぼくは、「森へ」を読んで、「自然の奥深さ」がテーマだと捉えたよ。迫力のある写真と「クマの世界」「倒木の道」などから、ぼくがイメージしていた「森」と、作者が見てきた「森」は違うなと思ったよ。

▼「森へ」を読んでの振り返り

ぼくは「自然の奥深さ」がテーマだと捉えたけれど、友達は「生命のつながり」と捉えていた。友達が言っていたところ以外にも、クマのふんからキノコがのびていたことなども「生命のつながり」が感じられるなと思った。「生命のつながり」を意識して、もう一度読んでみたくなった。

アイデア3 単元で学習したことを、自分の読書へ生かす

深い学び
深い学び

「森へ」で学習したことを生かして、もう一度、自分の読書記録へと戻ります。テーマを捉えて読むことのよさを学んだので、自分が紹介したい本のテーマを明確に捉えて紹介するために、本を何度も読み返す期間を設けることがポイントです。

私が選んだ「バッテリー」という作品は、「友情」がテーマだと思う。もう一度、読み返してみよう。読み返してみると、「成長」「信頼」というテーマもあるかな。他の人とも感想を交流してみたら、もっとはっきりとテーマが浮かんでくるかもしれない。一人で読むのもいいけれど、他の人の意見も取り入れながら読んでみたいな。

▼テーマ(例)

■友情 ■国際理解 ■自然・生命 ■平和 ■信頼 ■福祉・共生社会 ■人間関係 ■仕事・職業 ■成長 ■努力 ■環境 ■思いやり ■科学 ■夢 ■自立

本単元では、「読書の幅を広げる」ことを目的として、本単元の学習で終わりにせず、日常の読書へとつなげていくことが大切です。読書の幅を広げ、日常の読書生活を豊かにするには、他の人と感想を交流し、自分とは異なる感想を得ることも大切です。

この単元以降も、本を介して友達とコミュニケーションを取り、自分だけでは気付かなかった作品の世界やテーマを味わったり、自分の読書生活を振り返ったりすることが大切です。そうすることが、日常的に本との関わりをもつことにつながり、読書が自分の考えを広げることなどに役立っていると気付くことになります。

イラスト/佐藤雅枝 横井智美

『教育技術 小五小六』2021年6/7月号より

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