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【構造的板書】 国語「世界でいちばんやかましい音」 「千年の釘にいどむ」

2019/7/5

スッキリした分かりやすい構成で、子どもたちに伝わりやすい板書の書き方を目指す本シリーズ。今回は、小五の国語の「世界でいちばんやかましい音」「千年の釘にいどむ」をテーマにして、 樋口綾香先生(大阪府公立小学校教諭)に、 短冊や張り物を活用したり、生徒に黒板を一部開放するテクニックを解説していただきます。

樋口綾香先生 撮影/水本克美(桑島写真スタジオ)

国語スキル1:短冊や貼りものを有効に使う

短冊は、画用紙やホワイトボードシートを短冊形にカットします。多めに用意しておくと使いたいときにすぐに使えて便利です。短冊の裏面に、カットされた粘着剤つきのマグネットシートを貼れば、簡単に黒板に貼ることができます。
短冊のよさは、何といっても手軽なこと。そして短冊に書いた文字が目立つということです。

◆ 何を書けばいいの?

短冊には、目立たせたい言葉や、課題を解決するために必要な事柄を書くのがよいでしょう。例えば、「用語」や「観点」などです。何を考えればよいか、どう考えればよいか、分かりやすく示すことができます。
物語の挿し絵や説明文の写真や図など、読みを深めるために重要なものがあります。それらを黒板に貼ることで、子供の思考の助けになったり、考えが豊かになる手立てとなります。

世界でいちばんやかましい音の内容を構造的板書であらわす
「世界でいちばんやかましい音」(東京書籍 五年) の板書例 (クリックすると別ウィンドウで大きくなります)

「世界でいちばんやかましい音」(東京書籍 五年)

この教材では、物語の構成を捉える力、山場に起きた変化について考え、感想を伝え合う力をつけることが目標です。構成や山場を捉えるために、めあてを「ぼう頭と結末を比べよう」と設定します。
ぼう頭や結末は大切な言葉なので、短冊に書いて貼ります。また、冒頭と結末の何を読み比べるのか明確にするために、観点である町の音自まん立て札を短冊で示し、黒板に貼ります。冒頭と結末を二段の表で対応できるように書くと、板書が構造的になり、表現を比べやすくなります。

本文の叙述をもとに比べると、冒頭と結末の表現が真反対の表現になっていることに気づきます。そこで、「どうしてこんなに変わったのだろう?」と発問します。すると、主人公の様子やくり返し表現に着目し、山場の場面に迫る子供たちの姿が見られます。ペアやグループで話し合わせることで、自分の考えと友達の考えを比べ、より深く読む子が育つでしょう。教師は発表したことを板書し、出た意見から「山場」の定義を押さえます。そして、もう一度本文に戻り、山場に起きた変化を確認します。振り返りには、比べて分かったことを書かせましょう。

国語スキル2:子供に板書を解放する

様々な観点で調べさせたいときや、一人一人の感じ方の違いを実感させたいときなど、多くの子供に発表してほしいときはありませんか。そのようなとき、一人一人に発表させていると、時間がかかりすぎてしまいます。そこで、思い切って黒板を子供に解放するというのはいかがでしょうか。
子供は黒板に文字を書くのが大好きです。しかし、なかなか書くチャンスはありません。そんな黒板に文字を書けるとなると、子供はより主体的に学びに向かおうとします。

◆ こんなときは学びを深めるチャンス!

子供が書く文章は不明瞭、不十分であることが多いものです。普段は、教師が子供の発表を聞きながら言葉を補ったり、問い返して全体が分かるように示しているのですね。
しかし、これは学びを深めるチャンスです。そのままにしておくのではなく、子供が書いたあとに、
「これはどういうこと?」「似ている意見はある?」「反対の意見もあるかな?」「一番大事だと思ったことは何?」
と、友達の意見とつなげたり広げたりする言葉かけや、焦点化する言葉かけによって、板書に意見の深まりを残しましょう。

構造的板書で、千年の針に挑むを説明する
「千年の釘にいどむ」(光村図書 五年) の板書例 (クリックすると別ウィンドウで大きくなります)

「千年の釘にいどむ」(光村図書 五年)

新たな読書の魅力を見つける単元です。この時間は、本を読んで、その本を薦める文章を書くことが目標です。前時に、これまで学習した本を薦める方法について復習しておき、本時のはじめにそれを確認します。5つの方法には、本文の引用やキャッチコピーが重要になることを説明し、本時の活動に入りましょう。

◎子供の活動の流れ
①範読を聞き、心に響いた文に線を引く。
②線を引いた場所を黒板に書く(数名)。
③線を引いた段落が同じメンバーで集まり、キャッチコピーを考えホワイトボードシートに書く。
④ホワイトボードシートを貼る。
⑤全体で交流する。

★ 教師はファシリテーターになろう

子供が板書した内容を、全体で確認するときに、どの段落が多かったかを挙手させたり、キャッチコピーに使えそうな言葉を色チョークで目立たせるなどして、次にグループで考えるための手立てにします。

ホワイトボードシートを貼ったあとは、他のグループのキャッチコピーについてどう思うかを問うことで、語彙を豊かにし、読み手を引きつける技を増やすことができるよう話し合います。


『小五教育技術』2018年6月号より

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