教師の鉄板語りネタ「今日という日は…」【土作先生ミニネタ動画】
【知っているか知っていないかで大違い! ツッチー先生のミニネタコーナー】第5回
ツッチー先生こと土作彰先生が、月曜日や長期休暇明けなどで子供たちの元気がないときに使える教師の語りネタを紹介します。子供たちへの「今日という日はどういう日だと思う?」という問いかけを通して、一日一日を精一杯生きていくことの大切さを伝えます。教師が思いを込めて話すことで、クラス史上最高に元気な挨拶を引き出すことができるでしょう。
目次
元気がない子供たちにエールを送るネタ!
今回は、子供たちの元気がないときに元気を出させるネタを紹介します。
月曜日の朝1時間目や長期休暇明けの最初の授業など、子供たちがだれ切って元気がないときってありませんか?
そんなときは、学級で一番最初に行う行事である「挨拶」がすごく弱いはずです。
そのようなときに気合いを入れ、「元気よく頑張っていこうぜ!」とメッセージを送るネタです!
思いを込めて語りかけよう!
まず、全員起立して挨拶です。
「おはようございます!」
「…おはようございます。」
「着席! …元気ないなぁ〜。」
こんなとき、子供たちに語りかけます。
あのさぁ、君たち何歳?
先生は56歳で、もうすぐ還暦なんだけれど、君たちは10歳?
そうか、まだ生まれて10年なんだね。
ところで君、何歳まで生きる?
すると、今は人生100年時代なので、いろいろな答えが返ってきます。
100歳、120歳…1000歳!
いいねぇ〜!!
きっと先生よりは長生きできるはずだけれど、残念ながら、明日生きているということを保証された人間は誰もいない。
つまり、このあと大地震が起こったり、交通事故などで、残念ながら死んでしまうかもしれない。先生も君たちも。
ひょっとしたら…君たちには長生きしてほしいけれど…本当に先生より長生きできるかどうかは、誰にもわからないんだよ、人生っていうのはね。
だから、一日一日を大事にしていかなければならない。
そうして生きていってほしいんだけれど、
「今日」という日はどういう日かわかりますか?
子供の行動が変わる「意味づけ」と「心からの語り」
今日という日は、○○○○○。
「ここに当てはまる言葉を考えてみよう。全員起立!」
そして、
「ここに入るのはどんな言葉だろうね? 正解も不正解もないから、考えついたら座りなさい。」
と、子供たちを追い込みます。
座ったらすかさず当てます。できるだけ、一番最後に座った子を当てます。
「はい、君!」
「えーっ!?」
「考えていないのに座っちゃダメじゃないか(笑)! ハイ、もう一回、全員起立!」
このようにして、「どんな言葉でもいいから、間違ってもいいから、思いついたら座りなさい」と言って子供を追い詰めてみましょう。
そして、「○月○日です」とか、「晴れの日です」などいろいろな答えが出てきますが、子供たちに思いを込めて話します。
いいかい?
今日という日はね、残された人生最初の日なんだよ。
もしかしたら、
今日で終わってしまうかもしれない。
明日、終わってしまうかもしれない。
人間の人生は儚いのだけれど、だからこそ、
人間は精一杯生きなければならない。
一生懸命生きていくんだ。
そして、今日、みなさんとここで一緒に過ごしているこの日はどんな日かというと、「残された人生の最初の日」なんだ。
みんな元気に幸せに暮らしたいよね。
不幸になりたい人いますか? …いないよね。
幸せに生きていきたい? …だろう?
だったら精一杯生きないと不幸になるんだよ。
「幸せに生きた」って、
「いろいろなことがあっても精一杯生きた」って、
言える人生にしたいでしょう?
だったら、今日から残された人生最初の日に全力を尽くさないとダメだよ。
みなさんのさっきの挨拶を聞きました。
君たち、もしも、
それが一生でみんなとする「最後の挨拶だったら」どう思いますか?
その挨拶で「もう二度とみんなと会えなかったら」どう思いますか?
あれで悔いはない、
あれが最高の挨拶で悔いはない、
という人、いるかい?
すると手が挙がりません。
だよね?
あれではもう、最高の挨拶をできないまま人生を終えることになるね。
では、もう一度やってみましょう!
起立!!
日直さん、前に出てきて。
君が「おはようございます」って人生最高の挨拶をしてくれ。
そして、今から日直さんが「残された人生最高の声」で挨拶するので、みなさんも「人生最高の声」で挨拶しましょう!
「おはようございます!」
おそらく、その学級史上初の元気な声が返ってくると思います。
このように、さりげない些細なことなのだけれども、そこにきちんと意味づけをしてあげる、教師の思いを込めて話してあげることによって、子供の行動が確実に変わってきます。
そしてその積み重ねが、他ならない学級経営であると僕は信じています。
このような語りの機会をたくさん持って、子供たちと幸せな人生を送り、残された人生を日々充実させて生きていきましょう!
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元気のない子供たちに気合いを入れるネタでしたが、誰の心にも深く刻まれる温かくて力強いメッセージですね。このエールを受け取った子供たちは、これから先の人生で行き詰まる日が訪れても、きっと教師の言葉を思い出し、顔を上げて「今日という日」を精一杯生きていけることでしょう!
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土作彰(つちさくあきら)●1965年生まれ。奈良県公立小学校教諭。「学級づくり」改革セミナー主宰。『マンガでわかる 学級崩壊予防の極意: 子どもたちが自ら学ぶ学級づくり』(小学館)、『知っているだけで大違い!授業を創る知的ミニネタ45」(黎明書房)他多数。