【教師の働き方改革】残業時間を減らすスケジュール管理術
【教師の働き方改革】質を落とさずに効率よく働くため、授業と同じく45分単位の残業時間割でスケジュール管理をしてみましょう。その他にも、効率的に働くためのアイデアをご紹介します!
執筆/千葉県公立小学校教頭・藤木美智代
目次
一に健康 二に家族 三四がなくて 五に仕事
「担任の代わりは誰かに任せられるけれど、家族の代わりは誰にもできない」と管理職の先生に言われたことがあります。そう、職場は一人二人、穴が空いても、みんなで助け合ってどうにかやっていける組織なのです。しかし、子どもにとってのお父さん、お母さんの役割は誰も代わりになってあげることはできません。
あなたを必要とする家族を仕事より優先すべきです。歳を重ねれば、親の介護があります。何より自分の健康を損ねてしまわないようにすることも大事なことです。笑顔でいられなくなったら、それは心が悲鳴をあげている証拠。まずは自分のことを大事にしようという警告だと思いましょう。
「一に健康、二に家族、三四がなくて、五に仕事」。これをキャッチフレーズに働くことをオススメします。携帯やパソコンの待ち受けには、元気な自分と一緒に大切な家族が写っている写真を貼り付けて、仕事に臨みましょう。
ちなみに私は、私が帰ると玄関でちぎれんばかりにしっぽを振ってくれるペット(イヌ)の写真を貼り付けています(笑)。
残業時間の時間割を自分で作って時間管理をする
時間には限りがあります。今、月々の残業時間を60時間に抑えようという方策が出されています。月20日勤務として計算すると、残業は1日3時間までということになります。「朝30分早く出勤したなら、夕方は2時間半。16時45分が定時退勤時刻なら、19時15分には退勤する」等、自分で勤務時間を管理することが大切です。そして、全ての業務を限られた時間の中に入れ込むようにします。
そのために「残業時間の時間割」を作成しましょう。子どもたちと過ごす時には、5分の休憩でも有意義に、濃い時間を過ごしますよね。放課後も同じように、何をすべきか当てはめておけば、充実した濃厚な時間の使い方ができるはずです。
曜日ごとに何をするか、何時から何時まで何をするか、週のはじめに書き出して、次のような時間割表に埋めていきます。
例えば水曜日は早く帰る日、火曜日と木曜日は遅くまで頑張る日など自分の生活リズムをつくることも大事です。「ノー残業デイ」とよく言われますが、徹底的に残業すると決めた「残業デイ」も組み込んで、生活にメリハリをつけましょう。
授業時間は45分。この、日頃慣れている「45分」を一区切りにして、「45分間でここまで終わらせる」という目標を立てます。終わる時刻を設定すると、無駄な時間を省くことができるでしょう。のんびりだらだら時間を使うことのないように、チャイム替わりに携帯のアラーム機能を使うこともオススメです。
もちろんティータイムやおしゃべりタイム、ストレッチやぼうっとする休憩時間も決めましょう。TO DOリストを作っておき、できたら花丸を付けたり、早く終わったら休憩時間を増やしたり、ティータイムには美味しいお菓子を用意したりします。時間内に計画した仕事をこなし、そんな自分にささやかなご褒美を用意するという楽しみも必要です。
休憩時間を仲良しの同僚と合わせておけば、楽しみも倍増されますね。
ノート・プリントチェック時短術
放課後、机に積まれたノートを見てうんざりすることはありませんか。ゆっくりコメントを書きたいノートは別にして、ノートをきちんと書いているかの点検でしたら、休み時間で終わらせたいですね。
私は、授業の終わりにノートを各自の机の上に開いて置かせます。そして、休み時間中に「見ました」のスタンプを持って教室を回り、全員がノートを書いたか確かめます。出していない子、書いていない子が誰なのかすぐに分かりますし、休み時間から帰ってきたらすぐに書くように言うことができます。プリントなども同様にできます。
休み時間に時間が取れない場合は、ノートを開いて一列に並ばせ、歩きながら私にノートを見せるだけで終わり! という簡単チェック法もあります。ノートチェックで何が大変かと言えば、未提出の子を見つけて提出させることではありませんか? 簡単チェックをすることを習慣化すると、未提出の子がいなくなります。
こうすれば、ゆっくり見て、コメントを書きたいノートだけを放課後に回すことができるのです。
通知表所見 時短術 削るだけの贅沢な悩み
子どもたちの帰った教室で、何日も前のことを思い出すには時間がかかりますね。指導記録や子どもたちの作品を広げながら思い出す、そんな時間を減らしましょう。
私は、帰りの会が始まる前(子どもたちが帰り支度をしているとき)にパソコンを立ち上げておきます。帰りの会では、その日にあった良かったことを子どもたち同士が発表したり、先生から話したりしますね。
子どもたちが帰ったらすかざず、それらをパソコンに打ち込むのです。全員の枠を作っておき、授業をしたその日のうちに図工や家庭科の作品評価、音楽や体育の様子等、なんでもかんでも書き込みます。特に行事のあった日は、一人一人の活躍を忘れないうちに記録することができます。帰りの会で発表される子ども同士でしか見えないことや、日常のほんの些細な出来事でも、その日のうちに記録しておけば、後から記憶を手繰る必要がなくなります。
何か月も書き貯めておくと、一人一人の分量がたくさんになります。提出が近くなったら、分量の少ない子の記述を増やすようにします。後は削るだけ。そんな贅沢な悩みになります。
藤木美智代(ふじき・みちよ) 1964 年千葉県生まれ。千葉県船橋市法典東小学校教頭。学級経営&教材研究サークル「まなびや」会長。『おやこで話そう7つの習慣.Kids 第3の習慣大切なことから今すぐ先に』(キングベアー出版)の著者。
イラスト/コダシマアコ
『教育技術 小一小二』2019年7/8月号より