子供たちとつくる卒業文集「学級のページ」作成の流れ
卒業が近づき、卒業文集を書く季節になりました。新型コロナ禍で、例年とは異なる学校生活を余儀なくされた今年の卒業生です。友達と工夫して過ごした学校生活の思い出を残していきましょう。卒業文集は、卒業に向けた活動の中で、早い時期に取りかかるものです。卒業への意識を高めながら、卒業アルバムを読むのが楽しみになるような卒業文集をつくるために、子供たちと一緒に取り組んでいきましょう。
執筆/福岡県公立小学校教諭・甲のぞみ

目次
どのような構成にするか
構成例は多様にあります。ここでは一般的な3つを紹介します。
職員のページ
個々の職員から卒業生へのメッセージを寄せ書き形式でまとめるのが一般的です。今年度ならではのメッセージを子供たちへ贈りましょう。
学級のページ
学級ごとに、自分たちの好きなテーマでページをつくっていきます。この後に示す「作成の流れ」を参考に進めましょう。
個人のページ
一人一人の夢や思い出を残します。
学級のページ作成の流れ
卒業文集の作成にあたっては、次の2点について、必ず確認します。
- 一生残るものであること
- 自分の家族、友達やその家族にも読まれるものであること
学級のページは、次のような手続きで作成すると、学級みんなの思いが反映されるとともに、作成作業が効率的に進みます。
- 実行委員選出
- テーマ決定
- 構成、下書き作成
- 仕上げ
①実行委員選出
卒業文集実行委員を決めます。実行委員は、「みんなの思いの集約」「原案の作成」「進捗の管理」等を担います。卒業に向けた各活動の実行委員の1つとして位置づけておくと効率的です。
②テーマ決定
実行委員の話合いや学級会を通して、学級のページのテーマを決めていきます。テーマの数は、ページ数やアルバムの大きさ、子供の人数によって異なります。テーマ数については、教師が事前に決めておきましょう。
話合いをする前に
卒業文集を見たことがなく、イメージできない子供もいます。学校に保管してある歴代卒業生のアルバムや、これまでに自分が担任した学級のアルバムの学級のページをコピーして、事前に見せておくとよいでしょう。名前が入っている箇所は、名前を消しておくなどして、個人情報の取り扱いには注意しましょう。

話合いのときに
実行委員で話合いをして決める場合は、学級全体にアンケートをとり、学級の子供たちの意見が反映されるようにしましょう。また、決定した内容を伝えるときには、決定の理由を伝えられるようにします。教師は、求められたときや、テーマが偏りそうなときに助言を行えるように話合いに参加します。

③構成と下書き
実行委員は、学級に割り当てられたページの構成を話し合い、それに応じたテーマタイトルの下書きを行います。一人一人に書いてもらう内容は、大きさを考えて作成した枠の用紙を配付し、回収後に決められた場所に貼っていきます。なお、各原稿は鉛筆書きで行い、教師の確認後、合格したところからサインペンで仕上げるようにしていきます。
④仕上げ
字の間違いや見えづらい文字がないかを確認します。最終的には教師がすべて確認をします。実行委員にも一度確認させましょう。