オリジナルルールでクラス遊び 【外遊び編】
子供たちは遊びながら人間関係を築き、ルールを守ることや相手を意識して行動することの大切さにも気付いていきます。ここでは、大盛り上がりできるオリジナルルールのクラス遊びについて紹介します。
執筆/東京都公立小学校主任教諭・佐藤理津子
目次
外遊びを始める前に
クラス遊びで子供たちが外遊びを楽しむためには、事前にクラス全員が遊びのルールを理解していることが大切です。
また、体を動かすことが得意な子も苦手な子も、みんなが楽しめるルールになっているのかなどを考えることも大切なポイントです。
三・四年生になると、学級会でクラスのオリジナルのルールをみんなで考え、学級集会で思いっきり遊ぶ経験を積むと、休み時間のクラス遊びでも、自然とクラスのオリジナルのルールを提案する子が出てきます。新型コロナウイルスの感染予防対策についても、子供たちは慣れてきたはずです。担任がいつも企画をするのではなく、係に準備やルール説明を任せ、子供たち同士でルールを工夫しながら遊べることをめざしていきましょう。
しかし、休み時間は、子供にとって貴重な時間です。いつもクラス遊びで終わるのではなく、自由に遊べる時間も確保したいものです。
ケンケン陣取り
ケンケンをしながら進み、相手陣地に入るという遊びです。
チーム
2チーム
コートの作り方
- ドッジボールのようなコートを作り、角に自分と相手のチームの陣地を作る。
- 対角には自分の休憩陣地を作り、同じように相手チームの休憩陣地も作る。
- 真ん中には、半分まで線を引き、壁を作る。
基本ルール
- 壁は通り抜けることはできない。
- 「よーい、ドン!」でスタート。
- 片足でケンケンをしながら、相手の陣地をめざす。
- 途中で相手チームの子と出会ったら、押し合ったり、体をぶつけたりして戦う。
- 自分の休憩陣地では、両足をついて休むことができる。
- 相手チームの休憩陣地には、敵チームは入ることができない。
- 休憩陣地以外で両足をついたり、コートの外に出てしまったりした場合はアウト。
- アウトになった場合は、自分の陣地に戻り、スタートし直す。
- 相手の陣地に先に入ったチームの勝ち!
オリジナルルール例
- アウトになった場合、あらかじめ決めたクラスの合言葉を、みんなに聞こえるような大きな声で言うと復活できる。
- 休憩陣地の制限時間を設ける。
サム虎姫
サムライ、虎、姫に扮して、相手の陣地にある宝を自分の陣地に持ち帰るという遊びです。
チーム
2チーム
コートの作り方
- 校庭の角と対角線上の角にそれぞれが陣地を作る。
※陣地は、マーカーなどで半径2~3m程度の円を描いて作る。 - 陣地の中にチームの宝(一つ)を置く。
準備
- チームのメンバーの役割(サムライ・虎・姫)を決める。
※Aチームのサムライ・虎・姫、Bチームのサムライ・虎・姫というように、それぞれのチーム内で役割を決める。
※三つの役割は、チーム内で同じ人数になるようにする。 - ゼッケンを着て、役割が分かるようにする。
【例】
サムライ(青ゼッケン)
虎(黄ゼッケン)
姫(赤ゼッケン)
基本ルール
- 「よーい、ドン!」でスタート。
- 捕まえることができるのは、
・サムライ → 虎
・虎 → 姫
・姫 → サムライ
※サムライは虎を捕まえることができるが、姫からは捕まらないように逃げる。 - 捕まってしまった場合は、自分の陣地に戻り、スタートし直す。
- 相手の宝を自分の陣地に運ぶときは、同じチームの人とリレーのように宝をバトンタッチしてつないでもよい。
- 宝を運んでいるときに捕まってしまった場合は、宝を相手の陣地に戻す。
- 相手の宝を自分の陣地に先に持ち帰ったチームの勝ち!
オリジナルルール例
- 宝をクラスのキャラクターにする。
- 宝をパズルのピースのようにして複数用意し、早く完成させたほうが勝ち。
- サムライなどの名前をオリジナルにする。
ポイント!
「サム虎姫」は、一見、足が速い子が活躍するようにも見えます。しかし、よく考えて動かないとすぐに捕まってしまうため、全体を見渡す力も必要です。外遊びが苦手な子も活躍できるところがたくさんあるのです。子供たちの姿を見ていると、次第に友達と協力をし始める子が現れ始めます。また、全体を見渡して指示を出す子や俊足を生かして走る子、一瞬の隙をついて宝を取りに行く子、作戦を考え出す子など、さまざまな姿が見えてきます。
外遊びで人間関係づくり
子供たちは、遊びながら人間関係を築いていきます。また、ルールのある遊びから、ルールを守ることの大切さや相手を意識して行動することの大切さにも気付いていきます。
時にはうまくいかず、トラブルになることもあるでしょう。しかし、トラブルは、子供たちやクラスが成長する大チャンスです。一つひとつのトラブルを担任としてしっかりと受け止め、解決できるように支援をしていきましょう。
クラス遊びの中で見られた一人ひとりのよさや、クラスの成長は、ぜひ子供たちに伝えてあげたいものです。
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2020年11月号より