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イワオジ先生、教師力を見せつける!【4年3組学級経営物語18】

2019/12/13

学級経営物語タイトル

12月①に「今年のしめくくり」にレッツ・トライだ!

文/濱川昌人(よりよい学級経営を考える大阪教師の会)
絵/伊原シゲカツ

4年3組担任の新任教師・渡来勉先生……通称「トライだ先生」の学級経営ストーリー。活動過程をしっかりふり返り、客観的に評価して改善する。その取り組みが、輝く未来につながる。さあ、よりよい明日を目指して「今年のしめくくり」にレッツ・トライだ

<登場人物>

トライ先生
トライだ先生(渡来勉/わたらいつとむ)
主人公。教職1年目。教師になる熱意に燃えて、西華小学校に赴任。 やる気とパワーは人一倍あるものの、時には突っ走り過ぎるのが玉にキズ。しばしば飛び出す口癖から「トライだ先生」と 呼ばれるようになる。4年3組担任。
イワオジ
イワオジ先生(大河内巌/おおこうちいわお)
教職20 年の経験豊富な学年主任。4年1組担任。一見いかついが、 温かく見守りながら的確なアドバイスをしてくれ、 頼れる存在。ジャグリングなど意外な特技も。
ゆめ先生
ゆめ先生(葵ゆめ/あおいゆめ)
教職3年目。4年2組担任。新採のトライだ先生を励ましつつも一 歩リード。きまじめな性格で、ドライな印象を与えてしまうことも。音楽好きでピアノが得意。
大和川くん

大和川くん(大和川強/やまとがわつよし)
西華小学校にボランティアで手伝いにきている教育学部生。小学生時代、イワオジのクラスで、イワオジに憧れて教師をめざす。ルックスがイワオジに似ていることから、クラスメートから「小イワオジ」と呼ばれていた。

イワオジのいない「チーム4年」

イワオジが風邪でダウン。トライ先生が担任代理に

「えーっ、イワオジ休みなの」

「先生、かわいそう…」

師走の朝、1組では風邪でダウンした大河内巌先生を心配する声が続いています。説明に来た渡来勉先生が、ドンと胸を叩き励まします。

「今日は先生がフォローする。心配ご無用だ

しっかり者のカオリが、キッパリ答えます。「私たちは大丈夫ですよ

「みんなで協力するから」続くタケシの発言に、全員が大きく頷きます。

「予定を伝えてください!」ケンタの一言で、全体が学習モードに切り替わりました。 

『えっ…、でも凄いなぁ』。感心する渡来先生。

「では、1時間目は国語のプリント学習。2時間目は葵先生の音楽。3時間目は作文。題名は『今年をしめくくろう!』か。へぇ、難しそうだなぁ」。主任からの連絡を板書しながらつぶやく渡来先生に、「大丈夫」「みんなで教えあうよ」と口々に答える子どもたち。

傍の学生ボランティア、大和川強くんが熱い口調で囁きます。「担任がいない時に学級経営の真価は判る、とイワオジに教わりました。ホント凄いですね」 

今月からボランティアを始めた、教育大学の熱血三回生。大河内先生の教え子の押しかけ弟子は、教室全体を見回し満足そうに頷きました。

イワオジの「教師力」

昼休みの職員室。戻って来た渡来先生が葵ゆめ先生に語りかけます。「フォローの必要なしですよ、1組は。全部自分たちだけで取り組んで…」 

深く頷く葵先生。「音楽の時間も、きれいに二部合唱していたわ。本当に素晴らしい学級ね」

イワオジの教師力を見せつけられた葵先生は、打合せ簿を握りしめて二人に決意を表明します。

「しっかりしなくちゃダメね、私たちも。主任がいなくても、今日の学年会、頑張らないと

放課後…、通知表や大掃除、期末懇談会等*POINTの学期末の予定や内容を立て続けに説明する葵先生。必死でメモする渡来先生、自主参加の大和川くんも気押され気味。窓外に雪が舞う2組の教室ですが、寒さを感じる余裕などありません。

期末個人懇談会のポイントと進め方
①子どものよさを伝える
はじめに子どものよいところやがんばっていることをほめましょう。先生はよいところを見てくれているという思いを保護者に示してから、次の話題に移りましょう。

②課題は、指導している内容を伝える
課題のある子どもの保護者に対しては、指導していることと合わせて伝えましょう。その課題については、保護者も困っていることが多いので、どのように指導しているのか、どの程度改善してきているのかを話せるとよいですね。保護者と共に子どもを育てているという思いを伝えるようにしましょう。

③時間を守る
保護者の方と話す時間は10分程度です。時間を指定して来ていただくので、大きくずれないよう気を付けます。計画の際に時間調整のための空白の時間を入れておくと安心です。

④話しやすい雰囲気をつくる
話しやすい雰囲気をつくる向き合って話をするのが基本です。机を4つ合わせ、話しやすいようにはす向かいに座るなど工夫します。保護者は廊下が気にならないよう廊下に背を向けた位置、担任は時計が見え、かつ廊下が見える位置に座ると、次の保護者が来たことが分かるのでよいでしょう。

小イワオジの「思い出」

やっと一区切りつき、ふと思い出す渡来先生。

「でも難しいな、『今年をしめくくろう!』は」

「…あの」。大和川くんが懐かしそうに語ります。

「よくふり返らされましたよ、イワオジに。これは、君たちの力を高める訓練だぞって…」

「へぇ…、興味深い話。具体的に教えてよ

興味津々の渡来先生に、イワオジ似の厳つい顔と大きな体を揺すって応じる大和川くん。

「竹の如く人生にも節があり、その時々でしっかりしめくくる。つまり、ふり返って正しく自己評価する。そして長所を伸ばし、反省点は改善する。その実践の先にこそ、輝く未来はある」 

「さ、さすが愛弟子

「本当にそっくり・・・」

「…昔は、『小イワオジ』と呼ばれていました。だけど僕は…」。言葉を切った大和川くんは、心の奥から大切な思い出を引き出してきました。

「…最初の頃は、先生に反抗する超悪ガキでした」

(12月②につづく)

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『小四教育技術』2017年8月号増刊より

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