小6理科「発電と電気の利用」プログラミング研修会潜入レポート【PR】
今年度から必修化された小学校のプログラミング教育。どのように実践すれば効果的な学習となるのでしょうか。今回は、東京都葛飾区立東金町小学校で実施された研修会の様子をレポートします。プログラミング教材 [e-Craft シリーズ]『embot(エムボット)』から新たに発売された理科用の段ボールと電気回路セットを使って、文部科学省がA分類に定めている6年生理科「発電と電気の利用」に取り組む研修です。
指導/東京都江戸川区立東小松川小学校教諭・鈴木康晴
小学校でのプログラミング教育をテーマにした報告会や勉強会を積極的に実施。先生たちにプログラミング教育をより身近に感じてもらえるような、模擬授業や各種教材体験、実践発表等を行っている。embot認定teacher。
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目次
[e-Craft シリーズ]embot(エムボット)とは
プログラミング教育用ロボット「embot」は、直感的なアプリでプログラミングできるロボットプログラミング教材です。段ボールを外装に採用し、着色や加工などもしやすいことから、多くの教育現場で使用されています。ダウンロードして使える無料のドリル教材や補助教材と一緒に使うことで、様々な教科でプログラミング学習が行えます。
今回の授業で使用する「理科用ダンボールセット」は、ダンボールのスイッチと電気回路のセットで、プログラミングによって制御することで節電の理解などを深めることができます。6年理科の「発電と電気の利用」の授業で使用できる教材です。
授業の流れ
【導入】身の回りでプログラミングが利用されているものを考える
指導案はこちらからダウンロードできます▶ https://www.embot.jp/education/assets/doc/lesson_03.pdf
実技研修のワークは、「身の回りで電気を効率的に使っているものを、30秒間でできる限り書く」ことから始まりました。
書き終わると、2~3人のグループで確認と話合いをします。センサーで点いたり消えたりする、玄関やトイレ、廊下の電灯などを挙げる先生が目立ちました。実際の授業でも、 これらを思いつく子どもたちも多いでしょう。
【展開】街灯を再現するプログラミングを組む
次に、「指定した時間になったら電気が点くプログラミングを考えよう」という課題が与えられます。
タブレットでembotのアプリを開き、まずはライトを点滅させるプログラムを作ります。embotやアプリのセットアップについては、解説の動画が流されます。動画はキャラクターの会話形式なので、子どもたちの興味を引き付けます。
今回使用した理科セットでは、サーボモーターが動くことで電気が流れ、豆電球を光らせます。まずは、指定した時間になったら電気が自動で点くプログラムを作成します。
実際の授業では「早く終わった人は他の人に教えてもいいし、もっと難しいプログラムを考えてもいいよと伝えます。また、適宜中間発表をはさむと、まだできていない子どもたちに気づきを与えることができるでしょう」と鈴木先生。
またプログラムのブロックを、指でひとつひとつ確認しながら作るのは、順序よく考えるために効果的な方法だそうです。
研修に参加した先生方は、相談しながらプログラムを作成。うまくいったグループからは歓声が上がり拍手も起きました。
【応用】センサーを使い、効率よく電気を使うプログラミングをつくる
時間によって、豆電球が点いたり消えたりするプログラムができたら、次にセンサーを使って、より効率よく電気を使うプログラミングを作成します。動画では、「季節によっては夕方6時でもまだ明るいから電気がもったいない」「じゃあ、明るさセンサーを使ってみるのは」といったやりとりがあります。
ここでは、embotに対応した明るさセンサー(Sizuku Lux)を使用します。紙コップや手をかざして明るさを示す数字が変化することを確認し、一定の数字より暗くなったら電気を点けて、明るくなったら消すようにプログラミングしていきます。
【まとめ】グループで作成したオリジナルプログラムを発表する
プログラムが完成したら、発展編。「身の回りの困った課題を解決しよう」という課題が与えられ、オリジナルのプログラムをグループで作って発表します。
授業の最後の5分間は「まとめ」の時間。「まとめでは、教科としての振り返りと、プログラミングとしての振り返りの両方があるとよいでしょう」と鈴木先生。
指導案はこちらからダウンロードできます▶ https://www.embot.jp/education/assets/doc/lesson_03.pdf
その他の教授業の実践事例・指導案集▶
https://www.embot.jp/education/lesson/?utm_source=qr&utm_medium=off_paper&utm_campaign=kyoikugijutsu-20201215
なお、この理科の授業は「導入」と「展開」で1コマ、「応用」と「まとめ」で1コマの計2コマで実施が可能です。プログラミング学習の時間がまだ取れていない学校でも、3学期の時数の中に組み込みやすいのではないでしょうか。
理科以外のプログラミング授業展開のコツ
小学校のプログラミング教育で重要なのは、「楽しく学ぶ」「考え方を学ぶ」「常に最先端を意識する」の3点。苦手意識を持たせてしまうと、学習意欲が中学になって止まってしまうので、楽しく学んで送り出してあげましょう。
また小学校では、「コンピューターには得意なこととそうでないことがある」ことを理解させることが大切です。
プログラミング教育への疑問・お悩みQ&A
Q.タブレットが全員にありません
A.GIGAスクール構想により1人1台端末の環境が整う予定ですが、これは大きなターニングポイントであると同時に、落とし穴にもなりうると考えています。というのも、端末が行き渡ってから準備するのでは遅いからです。データによると、タブレットの学習効果は導入から2年目以降に出る、とのこと。物珍しさがなくなり、学習の道具のひとつとして利活用ができるようになるからでしょう。現状で1人1台なくても、グループで使う、教師が手本で使うなど、今あるものでできる授業を行うことが、1人1台となった際の学習効果を高めると考えます。
Q.児童による差があると指導が難しい
A.これは非常に多く聞かれるお悩みです。ポイントは、ペアやグループの組み合わせ。学習する内容にもよりますが、1人だと難しくても2人だと課題が解決できる、力を合わせて引っ張り上げられることがあります。グループを作る際、児童同士の相性、どうペアを組むかが重要です。グループの場合は3人が理想でしょう。4人以上だと、手持ち無沙汰になる子が出てしまうからです。また、例えばクラブ活動でプログラミングがあると、そのクラブに入っている児童が先生の役割を果たしてくれることもあります。
Q.教員自身が知識や技能を身につけるのが難しい
A.これは校内研修のあり方に関わってきます。多くの学校で校内研修は、1回あたり45分、短ければ30分未満の伝達研修も多いのではないでしょうか。その場合、今日は多角形だけ、次回は電気の利用だけ、と小分けに何回かに分けてやると上手くいくケースが多いようです。上手くいっている学校では、担当の学年の先生だけが受け持つのではなく、学年関係なく研修や教材の準備を行っているようです。また、教師が完全に習得するまでは教えられない、ではなく、子どもと一緒に学ぶスタンスも大事だと思います。
Q.指導要領にない単元での評価が難しい
A.A分類以外の指導要領については、各都道府県の教育センターなどで資料が出ています。一部の区域では評価にまで踏み込んで書かれている所もあります。評価と指導は一体であり、例示がない教科ほど魅力的な単元開発が必要となるでしょう。
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■応募期間:2020/12/15~2021/1/31
■応募方法:下記応募フォームにアクセスいただき、必要事項を入力してご応募ください。
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※ご応募は、学校で授業を実施してくださる方に限らせていただきます。
※embotスターターキットは要返却とさせていただきます。
※応募はお1人様1回とさせていただきます。
※教材のお届けは日本国内に限らせていただきます。
※教材ご送付後、特定非営利活動法人みんなのコードから授業実施状況の確認や実施後のアンケート等を実施させていただく予定です。予めご了承ください。
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PR/【e-Craft シリーズ】『embot(エムボット)』
『教育技術 小五小六』2020年1月号より