小4らくらくUnit 9「This is my day.」②【モトヨシ先生のスライドde外国語活動】
パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のスライドde外国語活動」。今回は、Let’s Try! 2 Unit 9「This is my day. ぼく・わたしの一日」第2時(This is my day. もう1つのストーリーを聞いてみよう)の授業案です。本好利彰先生が作成したパワーポイント(スライド)教材ひとつで、外国語活動の授業をらくらくクオリティアップ!
執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学准教授・居村啓子
目次
スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう
小学校4年生の「Let’s Try! 2」のUnit 9「This is my day. ぼく・わたしの一日」全4時の2時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し活用してください。
パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方
この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
- クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
- デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。
目標と授業の流れ
【本時の目標】
This is my day. もう1つのストーリーを聞いてみよう。
【単元のゴール】
自分の1日を紹介しよう!
【単元目標】
〇日本語と英語の音声やリズムなどの違いに気付き、日課を表す表現に慣れ親しむ。(知識及び技能)
〇絵本などの短い話を聞いて反応したり、おおよその内容が分かったりする。(思考力、判断力、表現力等)
〇相手に配慮しながら、絵本などの短い話を聞いて反応しようとする。(学びに向かう力、人間性等)
【言語材料】
○I wake up (at 6:00). I have breakfast (at 7:00). I go to school. I go home.
○日課 (wash my face, go to school, go home, brush my teeth, put away my futon, check my school bag, leave my house, take out the garbage), everything, later, boy, girl, yummy, wonderful
[既出]挨拶、日課、状態・気持ち、動作、教科、This is my favorite place. I, am, it, is, day, you, up, my, have, breakfast, house, the, to, school, homework, dinner, a, dream
- 挨拶
- めあての確認
- This is my day. もう一1つのストーリーを聞く
- おもしろカード並べ
- 表現の練習
- ふり返り
各活動の流れ
①挨拶
元気よく挨拶をして、授業をスタートしましょう。
②めあての確認
③This is my day. もう1つのストーリーを聞く
前時はKazuの1日の生活の読み聞かせを行いました。本時はサブストーリーに焦点を当てて、読み聞かせをもう一度行いましょう。以下が指導書の記載です。
絵本にサブストーリーを埋め込んでいる。サブストーリーの主人公は、猫である。カレンダーに描かれていた猫が、いつの間にかカレンダーから飛び出し、Kazuと一日の行動を共にする。児童は、絵本の読み聞かせを聞きながら、この猫が絵本誌面のどこにいるだろうと探し、次のページがめくられるのを楽しむであろう。また、はじめはKazuもこの猫に気付かなかったが、いつの間にかもともと、共に生活していたかのようになっていく様子が、児童のこの絵本への興味をよりそそるであろう。指導者は、児童とともに絵本の世界を楽しみたい。
~指導書から~
パワーポイントは、猫に着目できるように作成してあります。Where is the cat? と、猫がどこにいるかなどを児童とやり取りしながら進めていきましょう。実際に、スクリーンのどこに猫がいるか、児童にタッチさせるとよいと思います。
パワーポイントを工夫して作成してあるので、教科書は閉じたまま進めていきましょう。
1時目に猫がいることに気付いている児童もいますが、あえて1時目ではそこには触れないでおきましょう。
④おもしろカード並べ
前時で扱った日課カードに、児童の日常生活に関わりのある表現を追加して、カード並べをしていきましょう。詳しいやり方は、スライドにアニメーションでの説明がありますので、児童に説明する際はその説明スライドを使ってください。
特にコロナ禍の状況では、机の周りに児童を呼んでデモを行うことがなかなか難しい時期もありました。アニメーションを作るのは少々手間がかかりますが、スマホなどで手順を動画撮影しておいて、デモのかわりに見せるのは大変有効だと思います。私が撮影したデモ動画を非表示にしてありますので、参考にしてみてください。
撮影した動画でのデモには次のようなメリットがあります。
◎ALTがいない状況でも常に対応できる。
◎スライドをいくつかに分けることで、児童の反応を見ながら進めることができる。
◎次年度も同じように活用でき、教材研究の時間を短くすることができる。
◎英語が苦手な先生も、スムーズに進めることができる。
この活動では、単元の最終ゴール「自分の1日を紹介しよう」に向けての学習になることを、指導者は忘れないようにしましょう。教師が把握することで、指導することが明確になります。ここでは、児童の生活と関わりのある表現を5つ新しく加えてあります。
新しく追加した表現は、以下になります。
I read comic books.
I play dodgeball.
I watch TV.
I play games.
I watch YouTube.
これらの表現は、児童の生活の様子に身近であること、また、単語の入れ替えが可能であることもあり、追加してあります。詳しくは、スライドの説明動画をご覧ください。
最初のカードは、必ず I wake up. で固定してスタートしましょう。グループの人数は3~4人がよいと思います。
この活動のおもしろいところは、児童が引いたカードを並べていくと、以下のように、ちょっと変わった1日の生活の流れになってしまうことです。
●朝起きる→宿題をする→また寝る→学校へ行く→顔を洗う
どんな1日の流れになるか分からないことで、児童は興味をもって取り組むことができます。絵を見て英語を発話する機会も多く、児童同士の教え合いも可能です。
活動のルールとして、カードを置いていきながら英語の表現を言っていくこととしています。その時に、段階的にできる指導法を紹介しておきます。児童の学習の習熟に合わせて行えることも、この活動のメリットです。実態に合わせて行ってみてください。
まずは、1文の中の単語だけ言えればOKな段階からスタートさせることも考えられます。
wake up – homework – dream – school – wash
などのように「1語の単語を言えれば大丈夫だよ」とスタートさせると、不安が大きい児童も安心して取り組むことができます。
「言えないからおもしろくない」と感じる児童は多くいます。その不安を少しでもなくすことができるように、段階的に活動を行っていきましょう。
また、個人差への対応として、この段階で「私は文で言える」という児童には、どんどん文で発話させていきましょう。ここで大切なことは「単元のゴールを確認する」ことです。児童に単元のゴールを意識させることによって、上位児童は「だったら文で言えるようにしよう」と自分なりの目標を立てることができます。Can-Do list を作成するなどして取り組ませると、書くことを通して、自身の目標をより明確にすることができます(Can-Do list については別の機会に解説します)。
活動を1度止めて、全体で Let’s say it together. と言って、児童に発話する機会も適宜設けましょう。
13から18に増えた表現をすべて行う必要はありません。教師は机間指導をしながら、どの表現に児童がつまずいているか把握しておきましょう。
以前に私自身がこの授業を行った際、単元のゴールを明確にして活動に取り組ませたところ、ある1つのグループは指示がなくても、カードを並べ終える度にグループ全員で英文を発話していることがありました。「グループみんなで言えるようになろう!」。苦手な児童も、そんな温かい児童同士の教え合いで、笑顔で活動していたことがとても印象に残っています。思いもよらなかった自発的な素晴らしい取り組みをクラス全体に紹介し、共有しました。
1語での活動を終えたら、wash my face など、少しずつ文で言えるようにしていきましょう。最終的には I wash my face. と言えるようになるように、グループや学級の実態に合わせてレベルを上げていきましょう。3、4時目でも同じ活動をするので、wash(2時目)、wash my face(3時目)、I wash my face.(4時目)のように段階的に進めていくのもよいでしょう。
グループ分けはとても大切です。上位・中位・下位の児童がバランスよくグループにいるとよいと思います。また、生徒指導面でも、「AさんとBさんは、グループ活動になると必ずもめてしまう」などもあると思います。そのような状況で活動がスタートすると、たいていの場合、そのグループは活動をうまく進めることができません。もちろん、他を思いやって活動させたいなどの教師の思いがある場合もあると思います。実態に合わせてグループ分けを行ってみてください。
⑤表現の練習
児童が本時に扱った表現にどれくらい慣れ親しむことができたか、個別で発話させてみましょう。教師は机間指導を行い、I can’t のほうにカードが置かれている表現を、ALTと協力してサポートしていきましょう。1時目では、13の表現で行いましたが、2時目は5つの表現を追加したので、全部で18の表現で行います。
すべて言えるようになっている児童も出てくると思います。その時は、児童を先生役にして、教え合いを行わせることもできます。4年生なので、できることを求めるわけではありませんが、児童が単元を通して自分の1日の生活を言うことができるように支援していきましょう。
教師は、机間指導を行いながら「日本語と英語の音声やリズムなどの違いに気付き、日課を表す表現に慣れ親しむ。(知識及び技能)」について評価しましょう。
⑥ふり返り
本時のめあてからふり返りを行いましょう。児童の感想を全体で共有し、称賛しましょう。ここでは、先に述べたように、グループでのよい取組などがあれば取り上げて称賛しましょう。次時からも同じように取り組むことができます。また、次時はいよいよ自分の1日の紹介をすることを伝えましょう。
居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科准教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。
本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。2023年より東京書籍の会員制教育情報サイト「東書Eネット」にて実践事例、指導技術などを連載中。
パワーポイント(スライド)ダウンロード
4年Unit9-2パワーポイント(61スライド)、日課カード
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構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ、横井智美 アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子