小4らくらくUnit 8「This is my favorite place.」①【モトヨシ先生のスライドde外国語活動】
パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のスライドde外国語活動」。今回は、Let’s Try! 2 Unit 8「This is my favorite place. お気に入りの場所をしょうかいしよう」第1時(いろいろな教室の英語の言い方を考えよう)の授業案です。本好利彰先生が作成したパワーポイント(スライド)教材ひとつで、外国語活動の授業をらくらくクオリティアップ!
執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学准教授・居村啓子
目次
スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう
小学校4年生の「Let’s Try! 2」のUnit 8「This is my favorite place. お気に入りの場所を紹介しよう」全4時の1時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し活用してください。
パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方
この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
- クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
- デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。
目標と授業の流れ
【本時の目標】
いろいろな教室の英語の言い方を考えよう。
【単元のゴール】
学校で好きな場所の理由と道順を紹介しよう!
【単元目標】
〇世界と日本の学校生活の共通点や相違点を通して、多様な考え方があることに気付くとともに、教科名や教室名の言い方や道案内の仕方に慣れ親しむ。(知識及び技能)
〇自分が気に入っている校内の場所に案内したり、その場所について伝え合ったりする。(思考力・判断力・表現力等)
〇相手に配慮しながら、自分が気に入っている場所について伝え合おうとする。(学びに向かう力、人間性等)
【言語材料】
○Go straight. Turn [right / left]. Stop. This is (the music room). This is my favorite place. Why? I like (music).
○favorite, place, my, our, go, why, straight, 学校・教室等(classroom, restroom, [science / music / arts and crafts / computer / cooking] room, [school nurse’s / school principal’s / teachers’] office, entrance, library, gym, playground)
[既出]挨拶、曜日、スポーツ、This is for you. Do you like (blue)? Yes, I do. / No, I don’t. turn, right, left, lunch, school
- 挨拶
- 導入→めあて
- 各教室の言い方を知る
- 単語の確認
- ふりかえり
各活動の流れ
①挨拶
②導入→めあて
教室名に慣れ親しむこともこの単元の目標でもあるので、日本語で児童とのやり取りをして授業をスタートしましょう。
ALTが「図書室」と言われても分からないことから、児童が「図書室をどうにか知っている単語で英語にする」という場面を設定します。児童に思考する機会を意図的に設けるために、まずは以下のように進めてみましょう。
※校舎のイラストが入っていますが、使用するときはご自分の学校の写真に差し替えてください。
これ、どこだと思う?
学校だ!
そうだね。
先生が学校で好きな場所はどこでしょうか。3つの選択肢をあげますね。
No.1 教室、No.2 体育館、No.3 図書室。
さあ、どこでしょう。
えー、どこだろう!
教室じゃないかな。
どこだと思う?
教室だと思う人は手を挙げてください。
体育館だと思う人は手を挙げてください。
図書室だと思う人は手を挙げてください。
正解は、図書室です!
へー。
トショシツ? What is トショシツ?
あれ? 〇〇先生(ALT)が悲しんでるよ(怒っているよ)。なんでだろう?
トショシツが何か分からないんじゃないかな。
図書室、みんな知っている単語でどうやって伝える?
book
それだと本だけだよ。
じゃあ、どうしたらいい? ちょっと近くの人と相談してごらん。
(児童同士で相談した後)
どんな表現を使ったら伝わるかな?
Book room
Ah, O.K.
伝わったみたいだね。How do you say “図書室” in English?
library
聞いたことある。libraryかー。
Let’s say it together with ○○sensei (ALT).
library
library(全員)
ここから本時のめあてにつなげていきましょう。また単元のゴールを確認し、児童が学習の見通しをもてるようにしましょう。
私が実際にこの授業を行ったときに、libraryを”book room” とある児童が発言したことに対して、他の児童が「本はたくさんあるから book ではなく books のほうがいいんじゃない?」と言いました。もちろん library という英単語があるので、book room, books roomとは言いません。しかし、児童が既習事項から、今回で言えば、sがつくとたくさんということを覚えていて発言したと考えることができます。この授業では library という知識を最初に与えるのではなく、児童が友達と協力して考え、なんとかALTに伝わるようにしたいという姿を大切にしたいと考えています。児童の思考を大切にし、おおいに称讃していきましょう。
③各教室の言い方を知る
学校の教室や特別教室、校庭、体育館などたくさんの場所の写真を撮っておきましょう。各教室、3枚の写真があるといいと思います。写真撮りもALTにお願いして撮っておいてもらうこともできると思います。
●教室3枚写真クイズの例
ダウンロードパワポでは、サンプルとして、各教室の一部を描いたイラストが3枚貼りこまれています。下は図書室の例です。実際に授業を行うにあたって、ご自身の学校の各教室の写真に差し替えて活用してください。徐々にわかりやすいヒントになるように考えて写真を3枚配置しましょう。
おおまかな流れは以下のようになります。
●写真を見せ、児童に(パソコン室)と日本語で出させる。
↓
●ALTが理解できない。どうやって伝えるか。
↓
●各グループで考える。
↓
●考えた表現をALTに伝える。
↓
●正しい表現を確認する。
まずは教室から行ってみましょう。
さて、これはどこかな?(Where is this?)
教室
What is “kyoshitsu” ?
さぁ、どうやってALTの先生に伝える? グループで考えてみよう!
教師とALTは机間指導をしましょう。教師は、どの順番で発表をさせていくか考える必要があります。例えば私が実際に行ったときに、classroom, study room, answer room, smile room などの表現が児童から出てきました。4年生の自由な発想を認めながら smile room→answer room→study room→classroom と徐々に答えに近付いていくように意図的に指名していきましょう。
すべての教室・特別教室を行わなくてもいいでしょう。お勧めは音楽室や図工室、パソコン室、保健室などです。児童が思考し、たくさんのアイデアを出してくれるでしょう。実際に私が授業をしたときは、図工室ならDIY room、パソコン室ならWifi roomなど、たくさんのアイデアが出ました。是非、児童の豊かな発想を生かした授業を行ってみてください。最後に英語での言い方を確認しましょう。
④単語の確認
全体で何度か Let’s say it together. と言って、本日扱った単語を児童と一緒に言いましょう。その後、巻末のカードを使って、単語を言えるものは机上の右側に、言えないものは左側に置かせます。単元の1時間目で言えない単語が多いことが予想されるので、「少しずつ言えるようになれたらいいね」「4時間目には全部言えるようになると素敵だね」などと声をかけるとよいでしょう。
個別で単語の発話をしているときに、全部言える児童がいる場合は、その児童も先生役にして教師、ALTと一緒に友達との教え合いの機会となるようにします。
教師用のスライドとは別に、単語を個人個人で確認することができる児童用の発音確認スライドを準備しましたので、そちらを活用してみてください。パワーポイントのデータを個別のタブレットにダウンロードする必要があります。共有フォルダなどから各学校の実態に合わせて行ってみてください。
児童用発音確認スライド
スピーカーアイコンをクリックすると音声が流れます。発話できた単語には、花丸、二重丸、丸などをクリックすると、青いパネルが出てきます。
⑤ふりかえり
本時のめあてから振り返りを行いましょう。児童の感想を全体で共有し、称讃しましょう。
居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科准教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。
本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。
パワーポイント(スライド)ダウンロード
下記ボタンをクリックして、データをダウンロードしてください。
構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子