小学校での安全指導のポイント
日常生活との関わりを意識しながらの安全指導のポイントを紹介します。
執筆/東京都公立小学校教諭・谷平真佑子
目次
身近な安全指導
時期に合わせて毎月行っている安全指導ですが、9月であれば、「台風などの自然災害」や「犯罪に巻き込まれないためにどうすればよいか」などの指導を私の学校では行っています。
安全指導は特に、子供たちが自分の生活と照らし合わせて考えやすいものの一つだと思います。
いつ起こるか分からないからこそ、いつ起こっても万全の対応ができるように指導していきたいところです。
考えやすい題材を生かして
毎月行っている安全指導は、プリントを用いて行っている学校もあるでしょう。しかし、安全指導の題材は、日常生活にたくさんあります。登下校・遊び方・放課後の過ごし方など、子供たちの身の回りのことすべてが題材になります。
子供たちの身の回りのことが題材になるということは、それは子供たちにとって考えやすい内容であり、より身近に感じられます。つまり、安全指導は日頃から行うことができるのです。
「学校のきまりを守ることができていない」、「休み時間中に怪我をした」など、何かが起きたときに全体に指導をすることがあると思います。それらを予防するためにも、日頃から安全指導をすべきだと考えています。
例えば私の場合は、朝の会や帰りの会で話をするときにも指導をすることがあります。「今日の休み時間には声をかけ合って楽しく遊ぶことができていましたね」という話から、「みんなが楽しく、かつ怪我をしないようにルールを守りながら過ごすことは大事ですね」という話にもっていきます。
実際に自分の目で見たことでもよいですし、他の先生や保護者から聞いたことを基に話すのでもよいでしょう。子供たちの身の回りのことから、その都度意識させて自分の生活をふり返ったり、見直させたりしていきたいところです。
よいところを基に
また指導する際には、危険な行為についてはきちんと叱りますが、よいところやできていたところにも目を向けて指導することを意識しています。
休み時間の過ごし方や信号の渡り方一つにしても、手本となるような子供を挙げながら話したり、友達と話し合わせたりして学習できるようにします。
身近なことなので、自分たちでも考えやすく、すぐに実行できることも多いでしょう。子供たちが安全に安心して生活できるように指導していきます。
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2020年9月号より