小3理科「太陽と地面の様子」指導アイデア

執筆/埼玉県公立小学校教諭・新海智哉
編集委員/文部科学省教科調査官・鳴川哲也、埼玉県公立小学校校長・引間和彦

単元のねらい

日なたと日かげの様子に着目して、それらを比較しながら、太陽の位置と地面の様子を調べる活動を通して、それらについての理解を図り、観察、実験などに関する技能を身に付けるとともに、主に差異点や共通点を基に、問題を見いだす力や主体的に問題解決しようとする態度を育成する。

単元の流れ(二次 総時数10時間)

一次 太陽とかげ(7時間)

  1. 学習問題を立てる
  2. 太陽の向きと影の向きとの関係を調べる
  3. 太陽の向きと影の向きとの関係についてまとめる
  4. 太陽の位置が変わるか、遮光プレートで観察する
  5. 太陽の向きと影の向きを、午前、正午頃、午後の3回程度調べる
  6. 太陽の向きと影の向きの変わり方についてまとめる
  7. 太陽と影について、学んだことをまとめる

二次 日なたと日かげ(3時間)

  1. 学習問題を立てる
  2. 日なたと日かげの地面の暖かさや湿り気に違いがあるかについて調べる
  3. 太陽と地面の様子についてまとめる

単元デザインのポイント

導入で子供たちの「知りたい!」「調べたい!」という思いをたくさん引き出しましょう。そうすることで、子供たちが太陽や影について関心や意欲をもち、自分たちで解決したい問題を見いだし、主体的に学習を進めることができます。

「科学的」について・・・

実証性・・・確かめられるか
再現性・・・何回やっても同じ結果が得られるか
客観性・・・皆に認めてもらえるか

上記を常に意識して考えさせましょう。

単元の導入

○単元の学習に入る前から影について興味をもたせよう!

子供たちは鬼ごっこやこおり鬼など、鬼遊びが大好きです。教師が影踏み鬼の遊びを紹介し、休み時間などにクラスの皆とたくさん遊びましょう。捕まえ上手、逃げ上手になるためにはどうすればよいか考えさせることで、太陽の向きと影の向きについて、自然と興味をもち始めます。また、曇りの日にも影踏み鬼をやろうとして、影ができず遊べなかったという経験もさせるとよいでしょう。子供たちの活動を写真や動画に記録し、1時間目の導入で提示しましょう。

影踏み鬼

同じ場所から記録すると、子供たちが比較しやすくなります! また、暑い日は木かげで休ませ、日なたと日かげの様子の違いを経験させましょう。

活動アイデア

影踏み鬼の経験のある子供も、遊んでいるときは自分や追いかける友達の影にしか目が向いていません。そこで、導入時に子供たちが遊んでいる様子の写真を提示することで、注目する視点を空間的に広くすることができます。また、朝、正午頃、午後の時間もあえて知らせず、時間をばらばらに提示するといった手立てで授業を行うことで、太陽の向きや影の向き、影の大きさについて、差異点や共通点を基に問題を見いだす力や主体的に問題解決をしようとするといった資質・能力を育成しましょう。

授業の展開例(一次 第1時)

イラスト/たなかあさこ、横井智美

『教育技術 小三小四』2020年10月号より

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