「子供を見る」って何を見る?
長期休み明けは、子供たちの状態をよく見ることが重要です。その際、何を見るのか、なんのために見るのか、目的に合わせて見方を変えるとより効果的です。目的に合わせた「子供の見方」6パターンを解説します。
執筆/東京都公立小学校主任教諭・小倉さえ子
目次
Ⅰ 全体を見回す
- 欠席児童の確認
- 全員の学習準備は整っているか
視野を広く、中央に顔を向けます。左(右)から右(左)へと一方向に全体を見回します。一日のはじめや授業のはじめなどに全体を見て、人数確認や安全確認などをするときにおすすめ。
Ⅱ 全員を見る①
一人ひとりに視線を向けて確認していきます。視線はコの字やZ型に流します。
- 健康観察
- 教科書の開いているページの確認
顔色が悪い・表情が暗いなどの子供に気付けたり、教科書は持っていても違うページを見ていたりする子供に素早く対応できます。
Ⅲ 全員を見る②
- アイコンタクト
特定の子や見やすい方向に視線が行きがち。意識的にしっかり全員に視線を向けましょう。
全員に授業に参加している意識をもたせるために、ぐっと見つめてアイコンタクトをとります。
Ⅳ 机間指導でノートを見る(さらっと)
- 作業の有無
書いているか・書く場所は合っているかなどの確認時の見方です。歩調は速めでOK。
Ⅴ 机間指導でノートを見る(ゆっくり)
- 正誤の確認
漢字の字形確認や計算ドリルの丸付けなどをする際には、少しゆっくりした歩調にします。
Ⅵ 机間指導でノートを見る(じっくり)
- 考え方や意見などの内容確認
算数の考え方などでは、似ているものでまとめたり、パターンに分けたりしながら見ていきます。学習が深まるように指名順を組み立てていきます。
道徳や国語などでは、全体に発表してほしい文には花丸、それ以外は丸などで類別しておきます。発表時に「花丸の子立ちましょう」などとすると時間の短縮ができます。
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2020年9月号より