小6社会「今に伝わる室町文化」指導アイデア
執筆/埼玉県川口市教育委員会文化財課主査・井出祐史
編集委員/文部科学省教科調査官・小倉勝登
目次
目標
我が国の歴史上の主な事象について、京都の室町に幕府が置かれた頃の代表的な建造物や絵画に着目して、遺跡や文化財、地図や年表などの資料で調べてまとめ、この頃の文化の特色を考え、表現することを通して、今日の生活文化につながる室町文化が生まれたことを理解できるようにするとともに、長い歴史の中で育まれてきた伝統や文化と今日の自分たちの生活との関わりを考えようとする態度を養う。
学習の流れ (6時間扱い)
問題をつくる(1時間)
○年表と国風文化の既習をもとに予想を話し合い、学習計画を立て、学習問題をつくる。
〈学習問題〉
室町時代の文化は、どのような文化だったのでしょうか。
追究する(3時間)
○足利義満、足利義政と金閣、銀閣、書院造について調べる。
○水墨画と雪舟の働き、茶の湯や生け花について調べる。
○田楽や能、狂言、生活様式や食文化について調べる。
まとめる(1時間)
○室町文化と日本風の文化と比較しながら、調べたことを関連付けて話し合い、学習問題に対する自分の考えをまとめて発表する。
○学習したことを基に、我が国の伝統や文化を受け継ぐことの大切さを考える。
導入の工夫
現代には様々な室町文化が残っていることを知ることで、文化が生まれた世の中の様子や人物の働きに関心がもてるようにします。
日本に来た外国人観光客に人気のツアーには、どのようなものがあるでしょう。
人気がある理由は、どれも「日本」って感じがするものだからではないかな。
実は、これらはすべて、室町時代に生まれた文化なのです。
「文化」といえば、前に日本風の文化が生まれたことを勉強したね。和歌や大和絵は、貴族の文化だったよ。
室町時代の文化は、どのような文化なのかな? 日本風の文化とは、ちがうようだけど・・・。
年表を見ると、また「幕府」が開かれているね。
だから、武士の文化なのではないかな。
問題をつくる(1/6時間)
現代に残る様々な室町文化を知り、学習問題を立てます。
学習問題
室町時代の文化は、どのような文化だったのでしょうか。
まとめる(5 /6時間)
室町文化の特色について、日本風の文化と比較しながら、調べたことを関連付けて話し合い、自分の考えをまとめます。
発問の工夫
イラスト/横井智美、栗原清
『教育技術 小五小六』2020年9月号より