クラス経営がうまくいかず、心が折れそう……という先生へのアドバイス|沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」

「ダンシング掃除」や「勝手に観光大使」などのユニークな方法で子供たちの「やる気」を引き出すカリスマ教師「ぬまっち」こと、沼田晶弘先生。「5年生の担任です。異動後、クラスの経営がうまくいかず、クラスを乱す子もいて、どうしてよいかわかりません。心が折れそうなとき、どんなことに力を入れて日々を過ごせばよいのでしょうか」 という、「くまくまこ」さんからの質問にアドバイスいただきました。

目次
自分以外の人間が、自分の思い通りにならないのは当たり前
クラスの経営がうまくいかないとき、つい「自分はこんなにがんばっているのに、どうして子供たちは自分の言うことを聞いてくれないのだろう」と考え、悲観的になってしまいがちだよね。
でも、そういう思考に捉われているうちは、何も変わらない。
自分目線で考え始めると、何事もうまくいかなくなってしまう。
そもそも「子供は先生の言うことを聞くもの」「子供は先生の想い通りに動くべき」と思っているのであれば、それが間違い。
なぜ自分の思うように子供が動いてくれないのか。
その理由は、あなたに教師としての力がないからではなく、子供も一人の人間であり、自分とは違う他人だからだ。
たとえ家族であっても、自分以外の人間は、自分の思う通りには動いてくれないものだよね。
つまり、自分と違う人間が、自分の思い通りにならなくても当然なんだ。
他人に期待すると減点が増えるが、期待しないと加点が増える
子供も学級経営も、自分の思い通りになるはずだと思っているから、マイナス面ばかり気になってしまう。
しかし、実際には思い通りになることもあれば、ならないこともあるよね。
予想以上に悪くなることもあれば、予想以上にうまくいくこともある。
いずれにせよ、他人に期待していると減点ばかりになるけれど、期待していないと加点することが多くなる。
例えば、保護者が何度も子供に「洗濯物はちゃんと洗濯かごに入れてちょうだい」と言っても、子供は洗濯物をあちこちに散らかして、なかなか洗濯かごに入れてくれないという場合。
なぜ子供は保護者の言うことを聞いてくれないのか、その理由は、両親を困らせたいからではなく、その子はお母さんでもお父さんでもないからだ。
洗濯したことがないから、洗濯の大変さがわからないし、洗濯をする前に、洗濯物を拾い集めなくてはならない苦労も想像できないだけ。
最初から思い通りに動かなくても当たり前だと思っていれば、うまくいかなくても「そうくるか。しかたがない。じゃあ次はどう伝えよう」とプラス思考で考えられるし、多少でもうまくいったら「おお、今日はすごいね。やるじゃん」とほめてあげられるはず。