小3理科「音を出してしらべよう」指導アイデア
執筆/埼玉大学教育学部附属小学校教諭・肥田幸則
編集委員/文部科学省教科調査官・鳴川哲也、埼玉県公立小学校校長・引間和彦
目次
単元のねらい
音を出したときの震え方に着目して、音の大きさを変えたときの現象の違いを比較しながら、音の性質について調べる活動を通して、それらについての理解を図り、観察、実験などに関する技能を身に付けるとともに、主に差異点や共通点を基に、問題を見いだす力や、主体的に問題解決しようとする態度を育成する。
単元の流れ(三次 総時数5時間)
一次 音が出るとき(2時間)
① 音を出してみよう
② 音が出るときの物の震え
二次 音の大きさ(1時間)
① 音の大きさと震え方
三次 音の伝わり(2時間)
① 音が伝わるときの物の震え
② まとめ
単元デザインのポイント
諸感覚を働かせて音を捉える
見る、聞く、触れるなどの諸感覚を働かせながら音が出るときの物の震え方などを捉えることができるようにします。
繰り返し体験をする
複数の楽器などを用意し、音を出したり伝えたりする自由試行を設定することで、子供の気付きを大切にしながら単元を進めましょう。
単元の導入
身近な楽器で音を出してみよう!
① これまでの生活経験や音楽科の授業などで、音を出した経験をふり返る。
これまでにどんな楽器を演奏したことがありますか。それらの楽器は、どのようにして音を出しましたか。
トライアングルや太鼓を演奏したことがあります。どちらも叩くと音が出ます。
音が出ているとき、楽器はどのような様子でしたか?
② 実際に音楽室にある楽器を使って音を出す。
いろいろな楽器で音を出したときの様子を調べてみよう。
※震えを感じづらい楽器もあるので、活動のなかでどの楽器を扱うか事前によく検討をしておきましょう。
自作の楽器で音を出してみよう!
紙や輪ゴム、ストローなど身近な材料を使って自分で簡単な楽器を作り、音を出してみましょう。音を出す活動に十分に時間を取ることで、音が出ているときの物の様子について、自ら問題を解決したいという意欲をもつことができるようにします。
僕の作った輪ゴムギターは、音が出ると輪ゴムが震えているように見えたよ。
私は紙笛を作ったよ。吹いたとき、紙がぶるぶると震えている感じがしたよ。
活動アイデア
複数の楽器や音が出る物を用意し、音を出す体験を多く取り入れましょう。さまざまな楽器の震え方を比較して実験を行うことで、差異点や共通点に着目しながら音の大きさと震え方の関係について捉えることができるようになります。
また、複数の結果から結論を導き出すことで、一般化を図ったり、身の回りの物に目を向けたりと主体的に問題解決しようとする態度の育成にもつながります。
授業の展開例
イラスト/たなかあさこ、横井智美
『教育技術 小三小四』2020年9月号より