望まない部活動の顧問が負担に【現場教師を悩ますもの】

「教師を支える会」を主宰する“現場教師の作戦参謀”こと諸富祥彦先生による人気連載です。教育現場の実状を説くとともに、現場教師の悩みやつらさを解決するヒントを、実例に即しつつ語っていただきます。
今回は実際に当コーナーに寄せられた、現役教師の声に諸富先生が回答します。
目次
【今回の悩み】 部活動の顧問を拒否できない
私の自治体および勤務校では、教員が部活動の指導を強制されており、よほどのことがない限り部活動の顧問になることを拒否できません。
勤務時間が終了しても、部活動の時間が終わらないために勤務を終えられず、生徒指導上の報告も部活動後になるために、勤務時間内に終えることができない状況です。
全国に同じような悩みを抱える教員がいるのではないかと思います。このような現状を脱却する方法はないでしょうか。
(公立中学校教諭・30代 教職年数:約10年)
主軸として任されることの多い30代
この質問を送られた先生の悩みは非常によくわかります。なぜ自分が部活動の顧問を任されるのかという問題は、中学校の部活動全般で生じるだけでなく、小学校にある吹奏楽部や合唱部などでも起こりうることです。この問題は、全国の小・中学校の教員が同じように悩んでいることだと思います。
部活動の指導と生徒指導によって、なかなか勤務を終えることができず、帰宅が遅くなってしまうという悩みは、まさに30代の先生の一番の悩みです。50代後半の教員であれば、体力も気力も衰えてきているということで、部活動の顧問を免除されることや、生徒指導の中核としての立場ではなく、フォローに回るということもあるでしょう。
しかしこのところ、20代の教員と50代の教員ばかりで中間の年代がいないというような、教員の年齢構成がかなり偏っている学校が増えてきています。 そんな中で、30代半ばから後半の先生が、学校の中心的な存在としてこれからを担うことがどうしても期待されてしまいます。
気力や体力が最も充実している世代ということで、部活動や生徒指導の仕事もどんどん任されると思います。あなたならできるだろうと、どんな仕事も断りにくい状況になっていることは容易に想像できます。質問者のお悩みも、無理もないことだと思います。