学級活動(3)「一人一人のキャリア形成と 自己実現」指導アイデア ー5年生になって
年度が変わり、新しい学年へと進級した子供たちは、これからの生活へ思いを膨らませていることでしょう。そこで、年度はじめに「5年生になって」の学習を行い、希望や目標をもって生活できるようにしましょう。ここでは5年生を例に、実践を紹介します。
執筆/福岡県公立小学校教諭・那須孝之
目次
事前の活動
〇本題材の学習活動の見通しを持たせる。
〇事前アンケートをとる。
- 4年生の1年間でがんばったことやできるようになったこと
- 4年生と5年生の学校生活の違い
※キャリアパスポートとは、児童が自らの学びのプロセス(学習活動等)を振り返ることができるポートフォリオ的な教材です。年度はじめの「○年生になって」や年度末の「○年生に向けて」などで、キャリアパスポートを活用して、学習を展開しましょう。
本時
①つかむ(課題を把握する)段階
まず、アンケート結果❶から、4年生のときにがんばったことやできるようになったことなどについて、互いの成長を認め合わせます。
次に、アンケート結果❷から、5年生の生活に向けての意欲を持たせ、めあてにつなげます。
めあて
なりたい5年生に向けて、自分に合ったがんばることを決めよう。
アンケート結果
②さぐる(自分のよさや可能性に気づく)段階
具体的に5年生で取り組む学習内容や行事の資料を提示して、1年間の見通しを持たせます。また、見通しをもとに、どんな5年生になりたいのか、「なりたい自分」について考えさせます。
③見つける(解決方法を話し合う)段階
「なりたい自分」になるために、どんなことをがんばりたいのか話し合わせます。
話し合ったことは全体で交流して、黒板に整理します。
④決める(個人目標を意思決定する)段階
見つける段階で話し合ったことをもとに、自分に合った「取り組みたいこと」を決めさせます。その際に、意思決定のポイントを提示することで、個人目標がより具体的になります。
意思決定のポイント
- 目的
- 時期
- 内容
- 量(程度)
- 方法 など
事後の活動
学級活動(3)「一人一人のキャリア形成と
自己実現」も学級活動(2)「日常の生活や学習への適応と自己の成長及び健康安全」と同様に、実践させて、振り返りを行うことが大切です。
まず、1週間程度取り組ませ、ペアやグループで振り返りを行い、互いのがんばりや成果を認め合わせます。
また、継続して実践したり、必要に応じて新たな目標を立てて取り組んだりすることができるように助言します。
イラスト/高橋正輝
『教育技術 小五小六』2020年4/5月号より