低学年のための安全指導は年度はじめにしっかりと!
安全な登下校は、楽しい学校生活と保護者の安心を支える重要なことです。低学年でも「自分の身は自分で守る」ことができるように、年度はじめにしっかりと指導しましょう。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・源 憲一
目次
安全な登下校のために
「行ってきます」と朝、家を出て、「ただいま」と元気に学校から帰ってきてほしいと、保護者の誰もが思っています。学校、教師も同じ思いです。安全な登下校は、楽しい学校生活と保護者の安心を支える重要なことです。
一年生は入学してすぐに、自分で歩いて帰らなければなりません。二年生も、進級して新しい学級で一緒に下校する友達が変わるなど、新しい状況が考えられます。一人ひとりの安心のために配慮することはもちろん、全体に指導する内容もあります。低学年でも、「自分の身は自分で守る」ことができるように、年度はじめにしっかりと指導しましょう。
また、5月の連休明けのころ、入学・進級してか1か月経つと、子供たちも保護者も教師も「登下校に慣れた」と思いがちです。このような気のゆるみが、けがや事故、トラブルの基になります。連休明けには、再度安全指導を行いましょう。学校、教師が率先して、「子供の安全を守る」という意識を高めることが大切です。
4つのポイント
安全に登下校を行うためには、次のような点に気を付ける必要があります。
①迷子にならないこと
一年生は、まず通学路を覚えることが大切です。そして、気になるものがあっても、違う道を通らず、寄り道をせず、いつも決められた通学路を通って、まっすぐ家に帰ることを指導しましょう。
②けがをしないこと
けがの原因として考えられることは、不注意、友達とのトラブルなどです。どちらも注意すればある程度防ぐことができます。具体的な場面を提示しながら指導しましょう。
③交通事故に遭わないこと
飛び出しなど、自分の行動が原因になることもあれば、脇見運転など相手が原因になることもあります。通学路ごとに危険なところはないか、教師自身が把握して指導しましょう。
一年生の春の下校指導は、複数の職員が下校方面や通学路ごとに分担して指導にあたることもあります。危険なところはないか、情報共有することも大切です。保護者とも連携をして、学校全体として安全指導を行いましょう。
④不審者による事件に遭わないこと
「声かけ」「連れ去り」など、危険な事案が考えられます。「大きな声を出す」「子ども110番の家に助けを求める」など、具体的な方法を指導しましょう。
子ども110番の家については、実際に見に行ったり地図で確認したりするとよいでしょう。
イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2020年4/5月号より