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子供が『反抗期 』 で困っているという大人へのアドバイス|沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」

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沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」
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国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校教諭

沼田晶弘

「ダンシング掃除」や「勝手に観光大使」などのユニークな方法で子供たちの「やる気」を引き出すカリスマ教師「ぬまっち」こと、沼田晶弘先生。今回は、先日行われたオンラインセミナー(2021年3月30日実施)で盛り上がった話題をリポート。「子供が『反抗期 』 で困っている」という先生や保護者に、ぬまっち流アドバイスをもらいました。

ぬまっち連載
撮影/下重修

「反抗期」は大人目線の言葉。「自己主張期」だと考えよう

時々保護者から「うちの子、反抗期なんです」という相談を受けることがある。でもそもそも「反抗期」って誰が名付けたのだろう? 考えてみると、とても理不尽なワードだよね。

子供は母親から生まれ、家族と一緒に生活しながら、家族と同じ文化で育つ。
しかし少しずつ成長しながら、いろいろな価値観に触れたり、さまざまな人に出会うことで、自分なりに考えるようになり、家族の価値観からはみ出すようなことを言ったり、したりするようになる。

例えば、いままでは家族や先生の言うことを素直に聞いていた子供が、

「それは嫌だ」

「お母さんの考えはボクとは違う」

「先生の意見を押し付けないで」

などと、突然反論したり、否定してきたりすると、びっくりしてしまうことはあるだろう。

でも、それが「反抗している」と受け取るのは、あくまで親目線であり、教師目線。子供は反抗しているつもりは一切なく、自己主張しているだけなんだよね。

自分の意見を主張しているだけなのに、「反抗的だ」と言われるから、子供は自分が理解されていないと思い、そこからはリアルな反発心が生まれ、喧嘩になる。だからボクは、「反抗期」と呼ぶことはやめたほうがいいと思っている。

「イヤイヤ期」ではなく「オレオレ期」

これはイヤイヤ期も同じ。

2歳くらいになると、赤ちゃんは不快なことが少しずつはっきりしてきて、嫌だ、嫌だと言えるようになる。

これは、自分の好きなこと、嫌なことをわかってきた証拠で、成長の証。確かに世話をする側は困ったなと思うことはあるけれど、それは親側の意見。

赤ちゃんにとっては、自己主張ができるようになった大切な成長期。つまり、イヤイヤ期ではなく、「オレオレ期」だと思えばいい。

海外の人から「日本人は自己主張できない」と言われる理由もここにある気がする。2歳で自己主張をすればイヤイヤ期と言われ、10歳で自己主張すれば、反抗期と言われ、自己主張することは悪いことのように扱われ、同調するように求められる。それなのに、大人になって急に自己主張しろと言われても、なかなか難しいよね。

自己主張期を受け入れると、子供とディスカッションを楽しめる

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