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ぬまっち流「六年生を送る会」を盛り上げるアイデア|沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」

連載
沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」
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国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校教諭

沼田晶弘

子供たちの「やる気」を引き出す、ユニークな実践が話題のカリスマ教師「ぬまっち」こと、沼田晶弘先生。
今回は 「『六年生を送る会』を、単なる形式的なイベントではなく、より有意義な行事になるように、 子供たちの意欲や創造力を引き出しながら活動したい」と悩む先生にアドバイスをいただきました。

ぬまっち連載
撮影/下重修

六年生への感謝の心は、行事のためではなく、日頃から育てておくべき

教師としては、「『六年生を送る会 』 では、今までお世話になった六年生に対し、感謝の気持ちを伝えよう」と子供たちに伝え、より有意義な行事になるように、子供たちのアイディアや意欲を引き出しながら指導していきたいもの。
でも経験上、これこそ「言うは易く行うは難し」で、実行することはすごく難しい、と実感している。

ボクの学校でも「卒業の会」を毎年開催しており、一年生から六年生まで全員参加をする。
そして各学年それぞれ六年生に対して感謝を込めながら、いろいろな発表をする。

低学年の場合は、みんな六年生のために準備段階から一生懸命取り組んでくれる。しかし正直、中学年以降はなかなか大変だ。
そもそも六年生に感謝できるような、思い出や関わりを思い出せないことも多いからだ。

だから、「六年生を送る会」を企画する段階で、「感謝しましょう」と言うのではなく、日頃の活動の中で、六年生の役割や苦労している部分を伝え、感謝の気持ちを少しずつ育てる必要があると思う。

例えば、六年生が中心となって企画を考え、全学年が縦割りで遊ぶような行事のとき。

低学年の子供たちは大喜びだけど、三・四・五年生は、「つまらない」などと、平気で不満を言う子もいる。

だからボクは、「君が六年生になった時は同じことをしなければならないし、同じことを言われるんだよ」とさりげなく諭す。そして、「六年生も大変なんだから、助けていこうよ」と言って、六年生の苦労を伝え、協力する姿勢や、六年生になるための心構えも育てていくようにしている。

「六年生を感動させる会」と位置づけ、サプライズ企画を考えさせる

そうは言っても、六年生一人ひとりと深く関わる機会も少ないのに、突然「感謝をしましょう」と言われてもやっぱり難しい。行事そのものも、ある程度形式的になってしまうことは仕方がないと思っている。

ただし、どうすれば子供たちのやる気・アイディアを引き出しながら、学校行事として盛り上げることができるのか、六年生も在校生も、がんばってよかったと思えるような会にできるのか、と考えていくと、いろいろな方法があると思う。

例えば、中学年以上の子供たちであれば

「六年生を送る会を、いつも以上に盛り上げるにはどうすればよいかな?」と投げかけてみる。

そして、

「せっかくだから、六年生を泣かせるくらい感動させる会をしかけてみない?」と、子供たちの関心を高める言い方で、子供たちの「やってみたい」という気持ちをくすぐってみる。

「いわゆるサプライズ誕生日を企画する感覚だよね」「もしこれが成功したら、君たちが将来サプライズプロポーズする時にきっと役に立つはずだよ」などと、子供たちがワクワクしそうなコメントを加えてみるのもいいだろう。

そうやって、誰かのために自分たちが中心になって企画を考え、工夫しながら実行することで、六年生の役割や苦労に気付くこともあるだろう。また、六年生のことをたくさん考える中で、「縁の下の力持ち」として年間を通して学校生活を支えてくれたことに気付き、感謝する心も芽生えるかもしれない。

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