小6算数「対称な図形」指導アイデア
執筆/東京都公立小学校教諭・大村英視
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、東京都公立小学校校長・長谷豊
目次
本時のねらいと評価規準
本時の位置 4/12
ねらい
線対称な図形のかき方を考え、説明することができる。
評価規準
既習事項をもとに線対称な図形のかき方を考え、説明している。


問題場面
直線アイが対称の軸になるように線対称な図形をかきましょう。
線対称な図形を半分に折りました。広げるとどんな形になるでしょう。

四角形になると思います。
ひし形かな。
ひし形にはならないよ。
広げてみましょう。

あれ? 図形が半分消えてしまっているよ。
見通し
直線アイが対称の軸になる線対称な図形を完成させましょう。
対応する角の大きさと辺の長さが同じになるようにかけばいいから…。
頂点ウに対応する点の位置を決めるには…。
対称の軸で分けた2つの図形は合同になっているから…。
対応する2つの点を結ぶ直線は対称の軸と垂直に交わるから…。
本時の学習のねらい
これまでに学習した図形の性質を使って、線対称な図形を完成させよう。
自力解決の様子

Aの考え方
角アと角イの角度、辺アウと辺アエの長さを測り、三角形アイウと合同な三角形アイエをかく。

Bの考え方
コンパスで辺アウ、辺ウイの長さを測りとり、ウに対応する頂点エの位置を決める。

Cの考え方
頂点ウから対称の軸に垂直な直線を引き、ウオと等しい長さを測って頂点エの位置を決める。
学び合いの計画
本時の問題は様々な既習事項を活用し、多様な方法で解決することができます。このような学習場面では、自力解決の後、互いのノートを自由に見合う時間をとり、ノートの記述から友達の作図方法を読み取る活動をするとよいでしょう。この活動に入る前に、友達のノートを見合う時間を具体的に示すと共に「自分では考えつかなかった『なるほど』と思う考えを探そう。」「友達がどのように作図したのか説明できるように見よう。」などと、ノートを見る際のめあてを具体的に示すようにします。
その後の検討場面では、自分では考えつかなかったが、友達のノートを見ることで気が付いた方法について説明させるようにし、どの解決方法についても学級全体で共有できるよう配慮します。
本時のノート例
全体発表とそれぞれの考えの関連付け
解決の方法としては、合同な図形の性質を活用した方法(A、Bの考え方)と線対称な図形の性質を活用した方法(Cの考え方)が出てくることが予想されます。どの方法を取り上げる際も作図の方法と線対称な図形になっているかを確認した後、どうしてその方法で作図できるのかを問い、既習事項を活用して問題を解決したことを価値づけます。
学習のまとめ
消えてしまった線対称な図形の半分を描く方法がいろいろありましたね。共通点はありましたか。
合同な図形をかくための条件や線対称な図形の性質のように、これまで学習したことを使えばかけました。
どの方法も頂点ウと対応する頂点エの位置を決めれば線対称な図形を完成させることができました。
分度器で角度を測ったり、定規で長さを測ったりしなくても、コンパスを使えば簡単に線対称な図形を描けることがわかりました。

評価問題
直線アイが対称のじくとなるように、線対称な図形を完成させましょう。
【子供に期待する解答の具体例】

【本時の評価規準を達成した子供の具体の姿】
線対称な図形の性質を使って、線対称な図形の作図ができる。
イラスト/オモチャ
『教育技術 小五小六』 2020年4/5月号より