小6理科「生物と環境②」指導アイデア

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執筆/大阪府公立小学校首席・宮本純
編集委員/文部科学省教科調査官・鳴川哲也、大阪府公立小学校校長・細川克寿

小6理科「生物と環境②」指導アイデア

単元のねらい

生物と水、空気及び食べ物との関わりに着目して、それらを多面的に調べる活動を通して、生物と持続可能な環境との関わりについて理解を図り、観察、実験などに関する技能を身に付けるとともに、主により妥当な考えをつくりだす力や生命を尊重する態度、主体的に問題解決しようとする態度を育成する。

単元の流れ (三次 総時数 7時間)

一次 私たちの生活と環境(1時間)

① 私たちの生活は、水や空気、生物といった環境と、どのように関わり合っているのか話し合う。

たしか、生物には「食う食われる」という関係があったよね。

空気や水も、生物の間を行ったり来たりして、私たちの生活に欠かせないものだったよ。

「生物と環境①」で学習した内容を振り返ることで、子供は「生物と水及び空気のつながり」や「生物間の食う食われるの関係」を基に、私たちの生活と環境の関わりについての考えをもつことができます。一次では、それらの関わりが私たちの生活とどのように影響し合っているのかを多面的に調べるために、学習の見通しをもつことができるようにしていきます。

二次 環境への影響(3時間)

① 私たちの生活が環境に影響していることについて考え、話し合う。

ごみが増えると、それを燃やすことで二酸化炭素が増えるね。

地球温暖化の原因は二酸化炭素かな。もっと詳しく調べたいな。

川や海の水が汚れてしまうのも、問題がありそうだね。

私たちの生活と環境の影響ついては、「地球温暖化」にはじまり、「川や海の汚染」「生物多様性の危機」など様々です。そこで、調べ学習は、子供が関心をもったテーマごとにグループを編成し、複線型で学習を進めて、学習内容を多面的に捉えられるようにします。
さらに、各グループが調べた内容を発表し合うことで情報を共有し、交流することを通して、その全てが私たちの生活と関係していることを捉えられるようにします。

② 私たちの生活と環境への影響について調べる。
③ 調べたことをまとめ、発表し、考えたことを交流する。

三次 私たちにできること(3時間)【活動アイディア例】

① 環境を守る取り組みについて調べる。
② 環境を守りながら生活するために、自分ができることについて考える。

この単元で学習してきた「水や空気、生物」をキーワードに、環境を守るための取り組みについて多面的に調べます。そして、私たちにできることを具体的に考え、表現できるようにしていきます。

単元の終わりに期待される振り返り

信号にLEDが使われているのは、環境を守ることにつながっているんだね。

外国産のものは、ここにたどりつくまでに船や飛行機で運ばれ、その時に二酸化炭素が排出されていたんだね。なるべく、身近で作られた食材を選ぶことで、環境を守ることになるんだな。

なるべく身近で作られた製品・食品を選ぶことで環境を守ることにつながる

活動アイディア

環境を守る取り組みについて多面的に調べる活動を通して、環境とのよりよい関係をつくりだすために、自然に対してどのような働きかけが自分にできるのかを考えることができるようにしましょう。

授業の展開例

自然事象への関わり

東京オリンピックで使われる表彰台を「あるもの」を材料にして作ろうというプロジェクトがあります。実は「使用済みプラスチック」です。つまり「ごみ」です。
なぜだと思いますか。

知らなかった。きっと環境を守るための取り組みだね。

指導のポイント

●主体的に問題に取り組むために

2020年東京オリンピック・パラリンピック大会は、持続可能性をコンセプトとして5つの主要テーマを設定しています。そうした子供にとって身近で具体的な取り組みを取り上げるなどして、興味をもって主体的に問題に取り組むことができるようにしましょう。

問題 環境を守る取り組みには、どんなものがあるのだろう。

解決方法の立案

環境を守るための取り組みを調べてみよう。

図書室やインターネットで、必要な資料を見つけて調べたらいいね。

資料調べ 結果

コーヒーショップでは、マイカップを持っていくと割引きしてもらえる取り組みがあるよ。そうやってごみを減らしているんだね。

会社や工場では、二酸化炭素の排出量を減らすために、節電や自然エネルギーの利用など、様々な取り組みをしているね。

森林を守るために、植林活動をしている小学校があるよ。

考察

環境を守りながらよりよい生活をするために、自分たちにできることを考えよう。

生物と環境についての話し合い

まず、できることは省エネだね。電気のつけっぱなしや、水の出しっぱなしはやめよう。

冷房や暖房の温度設定に気を付けることが二酸化炭素を減らし、空気をなるべく汚さないことにつながっているんだね。

ごみをきちんと分別すれば、再利用できるものが増え、ごみを減らせるね。

生活排水を減らせば、海や川を汚さず、生物のすみやすい環境を守ることができるね。

近場の移動の時は、なるべく車を使わないように家族に話してみるよ。

●より妥当な考えをつくりだすために

ここでは、私たち一人ひとりが、環境を守る当事者であるという意識を高めることができるようにするため、決して高いハードルを設けるのではなく、日常生活の身近なところから取り組みを始めるという視点で話し合い、考えを広げていきたいですね。

その際、これまでの学習を踏まえ、水や空気、生物に関連させて考えが述べられるような意識付けを図りたいものです。

結論
環境を守る取り組みには様々なものがあり、私たちの身近なことから取り組むことができるものも数多くある。

教科横断的に学習に取り組むポイント

本単元の学習は、6年生の最後に取り組む内容として位置付けられていることが多いです。水や空気、生物と環境への影響といった理科的な要素を中心に据えながらも、他教科との関連(例えば、社会科のごみや公害の学習など)も図りながら、小学校6年間の学びの集大成として、教科横断的に取り組むことも効果的であると考えられます。


イラスト/高橋正輝、横井智美

『教育技術 小五小六』2020年3月号より

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