小3国語「しりょうから分かる、小学生のこと」指導アイデア
教材名:「しりょうから分かる、小学生のこと」(光村図書 三年下)
指導事項:「A話すこと・聞くこと」(1)イ
言語活動:ウ
執筆/香川大学教育学部附属高松小学校教諭・藤村まや
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、香川県公立小学校校長・川井文代
目次
単元で付けたい資質・能力
①身に付けたい資質・能力
本単元では、資料から読み取ったことを基に考えをもち、グラフや表を使って発表する力を身に付けることをねらっています。グラフや表のなかで注目すべき点を見付けて、それを基にした考えが伝わる原稿を作ったり、発表したりできるようにします。
また、発表内容が伝わるような資料の提示のしかたを身に付けられるようにします。これらの力を社会科や総合的な学習の時間などに活用できるようにすることで、さらに効果的に学ぶことができます。
②言語活動とその特徴
本単元では、資料を読み取ったことについて組み立てメモを作り、発表会を開くという言語活動を設定します。グラフや表などで表現されている統計的な資料に関心をもち、気付きや考えをもつことは、社会生活を送るうえで大切なことです。
三年生が興味をもちやすいようなグラフや表などの資料から気付きや考えをもつ活動は、その素地を培うものになります。自分の気付きや考えが相手にしっかり伝わるように組み立てメモを作ったり、グラフや表の示し方を考えたりすることで、中心を明確にした発表の力も身に付きます。
単元の展開(7時間扱い)
主な学習活動
第一次(1時)
①事前に学級で「一か月で読んだ本の冊数」や「将来のゆめ」などのアンケートをとっておき、教科書の資料と比較する。興味をもった資料を選び、発表する計画を立てる。
→アイデア1 主体的な学び
第二次(2~5時)
②表やグラフの読み方が分かる。
③④発表の組み立てメモを作る。
・一番伝えたいことは何か。
・分かったことから自分の考えたことは何か。
→アイデア2 対話的な学び
⑤聞き手が分かりやすい発表の工夫を考え、資料に書き加えたり、必要な資料を準備したりする。
→アイデア3 深い学び
第三次(6・7時)
⑥発表会を開く。
⑦単元のふり返りをする。
アイデア1 魅力的な資料を用意する
子供が資料について興味・関心をもって学習できるように、学級の実態に合った小学生に関する資料を用意しておき、紹介します。その際には、子供に予想させてから資料を提示するなど、資料との出合わせ方を工夫し、主体的に学べるようにします。
▼小学生の意識調査などが載っているホームページ
■文部科学省
http://www.mext.go.jp/
■学研教育総合研究所 白書シリーズWeb版
https://www.gakken.co.jp/kyouikusouken/whitepaper/
■ベネッセ教育総合研究所調査・研究データ
https://berd.benesse.jp/research/
■調査のチカラ
https://chosa.itmedia.co.jp/
▼小学生白書Web版「好きな色に関する調査」
▼上記の表を教師がわかりやすくアレンジ
小学三年生に合うように、教師が加工して分かりやすくするのも大事な支援です。
アイデア2 資料から伝えたい内容をはっきりさせる
発表メモを作るときには、何について伝えたいのかを明確にしておくことが大事です。資料から気付いたことを交流することで、資料を多面的に捉える力が育ちます。
また、自分の考えを広げたり深めたりもでき、説得力のある発表ができるようになります。そして、分かったことから疑問をもち、自分なりに予想を立てたり、さらに調べたりすることで、深く考えることができます。
▼資料「小学生が1か月で読んだ本(5月)」
イラスト/横井智美
『教育技術 小三小四』2020年1月号より