管理職者必読!コロナ下で子供たちが教えてくれた「集まって学ぶ」ことの意味
新型コロナウイルスの感染拡大による休校は明けても、全体的な感染症の収束はまだ見込めていないのが現状。学校現場では学習の遅れをどのように取り戻すかに注力する教員も多くいることでしょう。このようなイレギュラーな状況で、学校が重視するべき点や考え方はどのようなことなのか、神奈川県公立小学校校長の住田昌治先生に話を伺いました。

住田昌治(すみた・まさはる) 横浜市立日枝小学校校長。ESD(持続可能な開発のための教育)を推進。学校組織マネジメントやサーバントリーダーシップなどの手腕に注目が集まる。著書に『カラフルな学校づくり:ESD実践と校長マインド』(学文社)『管理しない校長が、すごい学校組織をつくる!「任せる」マネジメント』(学陽書房)がある。
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例年と異なる子どもたちへの対応
6月に学校が再開し、横浜市立日枝小学校では分散登校、午前中授業を経て、7月からは給食も再開して通常通りの時間割の授業になりました。子どもたちは学校に慣れて、生活リズムや体力もだんだんと戻ってきています。しかし、やはり子どもたちの様子は例年とは異なっています。
子どもたちは、例年は、新学期から4、5月と新しい学校生活を送って5月の後半あたりにはだんだんクラスに慣れていきます。しかし、今年は休業期間を挟んだため、その時期がずれ込んで今あたりに(7月下旬)慣れ始めて、授業もだんだん軌道にのってきているように見えます。子どもたちにとっては、今がクラスでも自分らしさを出して学校生活を楽しめるようになってきている段階です。
子どもたちの話を聞くと「夏休みはなくてもいい」という意見が思いのほか多く出てきました。私は「夏休みで一回休んだ方がいいよ」と話すのですが、子どもたちからは「学校が楽しいから行きたい」「みんなと過ごしたい」などという声が多く、2か月のブランクがこういうところにも出てきているのを実感しました。
子どもたちが安心して、楽しく生活できるような場所ということを考えて動ければ、学校のよさを子どもたちが実感して、生き生きとした生活ができるようになります。私自身の意見としては、夏休みはこれまでと同じ期間取るべきだという考えでした。しかし、子どもたちの生活リズムを観察したり、意見を聞いたりすると、休みを短縮するより学校に馴染めるようにするのが合っているのかもしれないと感じました。