小4社会「自然災害から人々のくらしを守る」指導アイデア

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執筆/東京都公立小学校教諭・大下尚子
編集委員/文部科学省教科調査官・小倉勝登、東京都教育庁指導部義務教育指導課・秋田博昭

小4社会「自然災害から人々のくらしを守る」指導アイデア
イラストAC

目標

自然災害から人々を守る活動について、過去に発生した地域の自然災害、関係機関の協力などに着目して、聞き取り調査や資料を通して調べ、災害から人々を守る活動の働きを考え、地域の関係機関や人々は、自然災害に対し、様々な協力をして対処してきたことや、今後想定される災害に対し、様々な備えをしていることを理解できるようにする。

学習の流れ(10時間扱い)

問題をつくる(2時間)

○東京都で発生した自然災害の種類、被害状況、発生時期を調べる。
○東京都は大地震に被災した歴史があること、首都直下地震が今後発生する可能性があることから、震災への備えに着目し、疑問を出し合う。

学習問題
地震の被害から私たちを守るために、都や区、地域は、どのような取組をしているのだろう。

追究する(6時間)

○地域の関係機関や人々の取組について調べる。
○台東区の現在の取組について調べる。(2 時間)
○東京都の取組や関係機関との連携の様子について調べる。(2 時間)
○調べて分かった事実を関係図にまとめる。

まとめる(2時間)

○関係図を基に、自然災害から人々を守る活動の働きについて話し合う。
○いつ発生するか分からない自然災害に備え、私たちや家族には何ができるかを考え、「防災宣言」として発表する。

導入のくふう

過去の震災の記録や首都直下地震に関する新聞記事から読み取ったことを基に話し合うことで、震災への備えについて関心をもち、主体的に追究できるようにする。

第2時

※第1時は、東京都ではこれまでにさまざまな自然災害が発生してきたことを学習する。

東京で発生した地震と死者数
首都直下地震の被害想定
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これらの年表や新聞記事からは、どのようなことが分かりますか。

昔から東京でも大きな地震が起きていて、多くの死者が出ています。

これから30年の間に、「首都直下地震」が起きる可能性が高いそうです。

大地震は、100年に1回くらいの割合で発生し、そのたびに多くの死者が出ています。

東京都では、死者が1万3千人、壊れたり燃えたりする建物は33万を超えると想定されています。

資料から分かったことを基に、地震への備えについて疑問に思ったことなどを話し合ってみましょう。

関東大震災では、この地域でも大きな被害があったそうです。今のままの生活で、地震から身を守ることができるのかな。地域では何か対策をしていないのかな。

もし、冬に地震が発生すると、被害が一番大きくなるそうです。東京都や台東区では、大地震に備えてどのような準備をしているのかな。

問題をつくる(1、2/10時間)

過去に発生した自然災害の様子から、震災への備えに着目し、疑問に思ったことについて話し合う。

学習問題
地震の被害から私たちを守るために、都や区、地域は、どのような取組をしているのだろう。

まとめる(9、10/10時間)

学習してきたことを基に、自然災害から人々を守る活動の働きを考えるとともに、自然災害に備えて自分たちができることを選択・判断する。

まとめ方の工夫

自助・公助・共助のつながりをまとめた関係図を基に、今後発生する可能性がある自然災害に対して、私たちや家族には何ができるのかを考え、「防災宣言」として発表します。

第9時

災害時の地域の働き・関係図
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作成した関係図から、都や区、地域はどのような働きをしているのか話し合ってみましょう。

話合いでは、都や区の取組(公助)や地域の取組(共助)、自分たちの取組(自助)をつないだ矢印の方向に着目することで、公助や共助の体制が整えられていることを理解します。

そして、自分たちの取組からは矢印が出ていないことに着目し、「私たちには何ができるのだろう」という問いをもつことができるようにすることが大切です。

第10時

いつ発生するかわからない自然災害に備え、私たちや家族には何ができるのかを話し合い、「防災宣言」として発表しましょう。

地震が起きることは防げないので、被害を小さくすることが一番重要だと思います。そのために、自分で避難袋の準備をしたり、家族全員で避難場所を確認したりして、備えようと思います。

自分は準備をしなくても大丈夫と思っていましたが、ふだんの準備が大切だと分かりました。地域の人に顔を知っておいてもらうといいと思うので、地域の避難訓練や町会の行事には、できるだけ参加したいです。

単元づくりのポイント

★自然災害に対する関係機関や人々の願いや思いに触れる

本単元では、自然災害に対する関係機関の取組について調べ、分かった事実から、災害から人々を守る活動の働きを考えるようにすることが大切です。その際には、自分たちが住んでいる地域や市・県が行っている取組や対策(防災情報の発信、避難体制の確保、自衛隊など国の機関との連携・協力など)の「仕組み」を調べるだけでなく、その協力関係について考えたり、実際に活動したりしている人たちの聞き取り調査などを通して、自然災害から人々を守ることに対する「願いや思い」にも触れるようにすることが大切です。


イラスト/横井智美

『教育技術 小三小四』2019年9月号より

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