新型コロナ対策─子どもたちを守るためいまこそ危機管理体制の見直しを

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コロナ対策特集:新しい授業と学級づくりの知恵、続々更新中!
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新型コロナウイルスの感染拡大が社会を、そして教育現場を揺るがしています。こうした危機的状況において、学校と教師には、まず子どもたちの心身の安全を守ることが求められます。いま求められる学校の危機管理について考察します。

手洗い場
撮影/金川秀人

新型コロナウイルスの感染拡大で先の見通せない休校措置

現在、世界各地で爆発的な感染拡大を見せている新型コロナウイルス。日本でも、1月16日に国内初の感染者が確認されて以降、わずか1カ月あまりのうちに全国各地へと感染が拡大。政府および各自治体が住民への外出自粛、飲食店への営業自粛を呼びかけるなど、人々の社会活動にも混乱が広がりました。

学校教育への影響も甚大です。早期に感染リスクが高まった北海道で2月26日に全道一律での休校要請が出されたのに続き、翌27日には安倍首相が全国すべての小・中・高校と特別支援学校に、3月2日から春休みに入るまでの間、臨時休校とするよう要請しました。この要請には法的強制力はなく、その期間や方法については自治体の判断に委ねられたため、多くの自治体が休校に踏み切る中、休校を見送ったり、休校としながらも児童生徒の登校を認める措置をとった自治体もありました。

休校中の学習支援についても、自治体・学校ごとに対応はさまざまです。ICTを活用してタブレット端末での学習を行うところもあれば、家庭学習用のプリントを配付するところもあり、また休校中に教員が児童生徒と電話でコミュニケーションを図ったり、家庭訪問を行ったりする対応をとる学校も見られました。

国による休校要請期間が終了し、3月24日には文部科学省より学校再開に向けてのガイドラインが示されましたが、感染のさらなる拡大、そして4月7日に安倍首相より出された緊急事態宣言を受けて、新学期も休校を延長する自治体が続出。文部科学省の調査では、4月10日の時点で新学期を予定通り開始した国公私立学校は、全国で38%にとどまりました。

本稿執筆時点(4月16日)で、先行きはまったく見通せません。長引けば長引くほど、教育課程の遅れはますます深刻なものとなり、今年度のみならず次年度の学習にも影響を及ぼしかねません。もちろん、自宅待機が続く児童生徒の心身のストレスも懸念されます。感染を抑える有効な手立てがなかなか見つからない中では学校にできることも限られてきますが、子どもの育ちと学びをどう保障していくか、教育界全体で知恵を絞っていく必要があるでしょう。

新型コロナウイルスをめぐる動き
4/16執筆時点まで

感染症のみならず、事件・事故や自然災害への備えを見直す

児童生徒の安全を脅かすものは新型コロナウイルスだけではありません。インフルエンザをはじめとするその他の感染症の流行にも変わらず注意が必要であり、子どもたちが事件・事故に巻き込まれる事態も防がなくてはなりません。さらには、自然災害の多い日本では、地震や津波、台風、洪水、土砂災害、噴火などへの備えも欠かすことができません。

今回の新型コロナウイルスのように、不測の事態はいつ、どのようにやってくるかわかりません。だからこそ、平時からの備えと、いざというときに確実に機能する危機管理体制の構築が必要となります。

有事の際に、確かな知見と冷静な判断力をもって児童生徒の安全を確実に守ることができるのか。この機会に、管理職・教員自身の危機管理力のアップ、そして学校としての危機管理体制のあり方を見直しておきたいものです。

構成・文/葛原武史(カラビナ)

「総合教育技術」2020年6月号より

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